【ソウルフル・ワールド】もしも俺が今日死んだとしたら...
ソウルフル・ワールド
2020年 / アメリカ
監督:ピート・ドクター
ジェイミー・フォックス(浜野謙太)
ティナ・フェイ(川栄李奈)
・ネタバレなし感想
コロナの影響からディズニー+で配信のみだったけど、少し前に「あの夏のルカ」と「私ときどきレッサーパンダ」と劇場公開された作品。2年前くらいに配信で見たけど話題になってたから久しぶりに見たら、ちょうど風邪で何も出来ずネガティブになっていたのもあって心に響いたので紹介。色々考えさせられる内容だけど、ピクサーらしい可愛らしいキャラと面白い世界設定に、ジャズを演奏するシーンやジャズのBGMも多いから楽しく見られる。
・こんな方にオススメ!
毎日が同じようなことの繰り返しに思えてしまう時や、生きる意味ってなんだろと考えちゃう時に!内容は中高生以上の方が楽しめそう。「インサイド・ヘッド」とか好きな方は好きかも。
⚠️以下、ネタバレ含みます⚠️
・好きなシーン、セリフ
好きなことに没頭してそれしか見えなくなる(ゾーンに入る)事と、やれと言われてひたすらやっているうちに周りが見えなくなる(迷子のソウルになる)事が紙一重として描かれているのが良かった。"周りが見えなくなっている"って意味では確かに近いなと思ったし、好きなことでも無理強いされれば嫌なことになるもんなーと思った。
知っていると思っていた(決めつけていた)ことも、実際に本人に聞いてみると全然違ったという経験は私もあるから聞く機会があるうちに聞いておくのはすごく大切だなと思った。自分が持っていた夢が叶わなくても、違うことにやりがいを見出したり新しい夢を持つことで幸せを感じることができる、考え方次第なんだなと感じた。
音楽を追い求め音楽で成功することが自分が生まれてきた意味だと思っていたジョーが、大切なのは"何のために生まれたか"ではなく"生まれてから何を見つけられた(もらった)"のかだったと気づくのが良かった。22番が見つけたものと、自分が今まで見つけていたものを思い出しピアノを弾くシーンもすごく良かった。
22番が本当は今まで言われた言葉に傷き、周りと同じようにできないことを不安に思って迷子のソウルになるくらい追い詰められていたのが泣けた。そんな22番をジョーが自分の間違いを認め「自分はもう生きた。」と背中を押すのが良かった。周りの言うすごい人達に見捨てられたから終わりでは無く、周りから見れば平凡でも出会った人や過ごした時間で変わることができると思えた。
生まれる前の世界に住むソウルは、自分で何かを見つけることが出来るようになったから生まれてきたって考え方が素敵だと思った。
・ネタバレ感想、まとめ
景色や食べ物や季節や動ける体があることが当たり前になって、周りの人達の愛や思い出の大切さに気づかなくなって夢を追い続けたジョーがその価値に気づく姿も、22番がその全てに興味を持ち、歩くことでさえ自分の"キラメキ"なんじゃ?と思うほど感動する姿も良かった。「一瞬一瞬を大切に生きる」とは自分から見ようとする、聞こうとする、感じようとする、その価値に気づこうとすることだと丁寧に教えてくれる作品だった。
ディズニー、ピクサーは"夢が叶うまで諦めない"って内容のものが多くて「夢なんてないし諦めずやり続けるなんて無理」って私には夢物語のように見えていた(それはそれで好き)けど、そんな考え方に寄り添ってくれて、見方を変えさせてくれる内容がすごく良かった。
ジョーの体を使っている22番を見て、何時間も聞いた話よりもたった1回の実体験が考え方や価値観を作ったり変えたりすることもあると感じた。新しいことをするのは怖いことだけど、結果がどうあれ経験すること自体が価値なんだなと思った。