日本=平和国家は終わりに⁈③戦闘機も輸出解禁🥺
前回の続きです。
政府は3月26日の国家安全保障会議(NSC)で、武器輸出を制限している防衛装備移転3原則の運用方針を改定し、英伊両国と国際共同開発中の次期戦闘機の第三国への輸出を解禁することを決めました。
昨年12月の殺傷兵器の輸出解禁に続き、武器の代表格である戦闘機の輸出解禁に踏み込むことで憲法9条の平和原則がまた後退させられることになります。
次期戦闘機は現在91機ある航空自衛隊のF2戦闘機の後継にあたり、英国、イタリアと共同開発しているもので2035年の配備を計画しています。
2022年12月に3カ国が計画を発表し、「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」と命名されています。
空自の最新鋭のF35戦闘機など{第5世代}を上回る高性能を想定しており、敵のレーダーに映りにくい「ステレス性能」のほか、高度なネットワークによって無人機との連携を高める予定です。
防衛省によると、開発予算にあたる経費、事業予算は1カ国当たり年間1000億円程度を見込んでいます。
英伊は1機当たりのコストを下げるために第3国への輸出を予定していますが、日本には9条の縛りがありました。
日本だけが売らないとなると、販路が限られ、量産によるコスト減が図れなくなり、その結果戦闘機の性能などをめぐる交渉で日本の発言力が低下する。
さらには今後の共同開発で日本がパートナーに選ばれにくくなる。という理由で輸出が解禁されました。
政府は、戦闘機の輸出について「3つの限定」と「二重の閣議決定」という厳格な決定プロセスを用意しているとしています。
「3つの限定」とは
1, 解禁対象は国際共同開発品全般ではなく次期戦闘機
2, 輸出先は「防衛装備品・技術移転協定」などの締結国
3, 武力紛争の一環として現に戦闘が行われている国には輸出しない
しかし、1については、新しい案件を追記していけばよく事実上何の制約もありません。
2については、輸出した武器を侵略に使わないことなどを定めた協定を日本と結んでいる国は現在、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、オーストラリア、インド、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、アラブ首長国連邦の15カ国。
もともと日本は原則的に武器輸出の前提となる協定と位置づけており、特別な「限定」とはなりません。
3については輸出時に戦闘が行われていなくても後に戦闘が発生し、戦闘機が使われる可能性があります。
「二重の閣議決定」とは、今回の輸出解禁や今後に輸出する場合の個別案件ごとについて、従来の国家安全保障会議(NSC)での決定手続きだけでなく、閣議決定を加えるというものです。
しかしいずれにしても政府、与党内の決定プロセスでしかありません。
米国では武器輸出管理法で武器輸出の際、米議会への報告・承認が原則必要と定めています。
しかし、日本の場合は国会は無視され政府与党内での密室協議で決まってしまいます。
一昨年の安保3文書にしろ昨年の殺傷兵器輸出解禁にしろ今回の戦闘機の輸出解禁についてもまったく憲法論議のないまま平和国家の原則が骨抜きにされています。
なぜ国民的議論をしないのでしょうか。
安全保障という国民の生命の安全に関わることを国民の意見を無視して政府が勝手に決めているのです。
過去の戦争で多くの犠牲を出した反省から、日本製の武器で、人が殺されることのないようにと武器輸出を禁止してきたのではないのでしょうか。
平和国家の原点に帰るべきです。
執筆者、ゆこりん