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漂流させられる難民たち😢

このnoteのウォール画はバンクシーの作品です。
タイトルは「Welcome Mat」
浮力の全くない手抜きのライフジャケットで、難民の入国斡旋者が配ったとされるものを表現し、西欧の難民に対する政策を批判しています。


みなさんは、地中海に浮かぶイタリア最南端のランペドゥーサ島を知っていますか?

そこは人口約6000人の島で、北アフリカのチュニジア沿岸から約150キロの位置にあります。
この島は北アフリカから欧州を目指して海を渡ってくる移民が最初に上陸する島となっています。


イタリア内務省の発表によると、今年9月11日から15日にかけて1万1485人が島に上陸しています。
イタリアでは実は今年に入ってからアフリカや中東などからの移民が急増しており、15日時点で昨年同期の約2倍に当る12万7千人が島に上陸しています。


10年前の2013年10月、この島の沖ではエリトリアやソマリからの難民をのせた漁船が火災で転覆し、360人以上が死亡しました。
そのわずか8日後にはリビアとの間の公海で別の船が転覆。乗っていたシリアからの移民約260名が亡くなりました。

それは救助も難民支援団体も劣悪だからです😢

用意されたのは筏のようなボロボロの船に、ビニールで作った膨らまないライフジャケット。

沈没しても救助されず、地中海を海で渡ろうとする多くの難民が亡くなる悲劇が後を絶ちません。


今年2月イタリア南部カラブリア州沖のイオニア海で移民や難民を乗せた木造船が沈没しました。
アフガニスタンやイラン、パキスタン、ソマリアなどの出身者約200人が乗っていたとされ91名の死亡が確認されました。
そのうち約40人は子どもです。


地中海を渡る移民の増加に対してイタリアは追い返す仕組みを強化しています。
2月NGO船による救助活動を制限する法律が成立。
NGOはこれまで、救助船を地中海で数日間運航し、複数の移民船を救助してイタリアに入港していましたが、新法は一度の航海で認める救助活動を1回に制限しました。

加えて、イタリア政府はNGO船に寄港を許可する際、救助現場から遠い港を指定。
航海に日数をかけさせて救助活動を制約しています。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は法案の撤回を求めましたがイタリア政府は応じませんでした。



押し寄せる移民に対して、受け入れ場所や支援の責任分担についてのEU内での合意はなく、人道的ビザを提供するなどの安全なルート提供に向けた真剣な取り組みもありません。
EUの規則では、EU圏内に到着した移民が難民申請する場合、最初の上陸地で手続きしなければならず、許可なく他国に移動すれば上陸地に戻されます。しかし、イタリアはこの規則の見直しを要求。
一方、ドイツ、フランス両国はイタリアが移民を素通りさせていると非難しています。
それはつまりEUの先進国内、ドイツイタリアフランスで移民を押しつけ合っているのです。


ランペドゥーサ島に着いた移民の多くは、チュニジアのサイード大統領の独裁が強まっている混乱から逃れてきた人々です。
隣国リビアの洪水被害から逃れて地中海を渡る移民が増えることも予想されています。

今世界で広がっている難民問題は構造的な問題です。
個々人が悪いというわけでなく、世界全体で解決に取り組むことが不可欠です。


移民たちはどこにいったらいいのでしょうか?地球上に安住の地はあるのでしょうか?🥺


執筆者、ゆこりん、ハイサイ・オ・ジサン

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