価値とは何か? 「付加価値のつくりかた」から学ぶ
突然ですが、「価値とは何か?」 と問われたら、あなたなら何と答えるでしょうか?
「いや~、価値を感じるもの、人それぞれなんでは。。。??」
私だったら、こんな風に、ごまかしてしまいそうです。
そんなときは、本を読んでみよう!
ということで、この本をご紹介します。
「付加価値のつくりかた」 田尻望(著)
今回ご紹介するのは、こちら
著者は元キーエンスの人だそうで、筋金入りの価値マニアかも。価値の話だけで、1冊ですので、かなり濃い話のようです。
価値と付加価値の関係
価値と付加価値の定義が明確にあるようです。
価値 = お客様が感じた価値(喜び)
付加価値 = 価値 ー 原価(外部調達価格)
お客様の感じ方は定量的に計測できないし、
原価の考え方が色々あるので、あまり厳密に考え始めると、混乱しそうです。
ここは、感覚的に捉えるくらいでいいかな、と。
価値は、お客様のニーズから生まれる
価値には絶対基準がなく、お客様がどう感じるかによって決まる。
つまり、ニーズが強ければ、それだけ価値を感じやすい。
お客様の悩み、不満、願望が強いかどうか。今すぐ欲しいかどうか、などによって左右されます。
例えば、のどが渇いた人には、ペットボトル200円で売れるし、なんなら500円でも売れるかもしれない。今すぐ欲しい!という欲求に応えることが価値なわけです。
こちらは、私がまとめたパワポの例(ご参考)
お客様を徹底的に理解することが、最大のカギ
価値を最大化するには、お客様を徹底的に理解することが超重要
徹底的とは、どのくらい?
と疑問が出てきますよね。
ここでは3つの角度から、解説しています。かなりマニアックな感じ。
明確に理解する (What 具体的に何? Why なぜそれが重要?)
完全に理解する (MECE すべてもれなく Priority 優先順位も)
認識のズレなく理解する (お客様の頭の中のイメージを、そっくり描けるレベルで)
この定義自体がMECEな感じで、ここまで上司にチェックされたら、かなかな厳しそうな空気を感じます。でも、真剣に仕事をするって、こういうことなんでしょうね。私も、無意識にこういう観点は考えたりします。
価値の3タイプ(ベター、安心、感動)
価値には3タイプあるそうで。こういう分類も、人に説明するときに役立ちそうです。
この本では、少し難しい言葉が使われていたので、私なりに意訳してみました。
ベター (今より、早い、安い、おいしい)
安心 (確実、リスク・失敗がない、間違いない)
感動 (今まで経験したことがない、他では手に入らない特別な時間)
価値を生み出す仕組み
価値について、個別に考えていると、とても時間と手間がかかる。つまりコストがかかる。自動的に、価値がどんどん量産されるようにできれば、もっと儲かる。
価値を生み出す 仕組み化 が重要
仕組みが長期的に機能するためには、お客様の理解が超重要。
世界の誰よりも、お客様のことを理解している。
だから、世界一、最適な価値を生み出せる。
そういう仕組みを持つということ。
言うのは簡単ですが、実際はなかなか大変そうです。
価値を届けるには?
生み出した価値を、きちんとお客様に届ける。
伝えたつもり、ではなく、「伝わる」ことが重要。
お客様がふだん使う言葉で、お客さんの目線で、語る。
さらに、自社でも改善を繰り返す。
お客様と同じシーン、状況をつくり、お客様と同じように体験する中で、問題、課題を抽出し、改善していく。
自社が一番厳しいユーザーになる、というのは、トップメーカーの定石です。
顧客ニーズ以上の価値は、ムダ!?
お客様が求めている以上の価値は、良かれと思っていても、ムダになる。という。
しかし、そもそも、お客様が何を求めているか、どのレベルを欲しているか、お客様自身もよくわかっていない。潜在ニーズと顕在ニーズの関係で、潜在ニーズの本当のところは、実は、誰にも(お客様自身も)わからない。
だから、このくらいでいいだろう、という線引きはリスクを伴う。
この点は、注意が必要だと思います。
キーエンスは、こういったあたり、社内でもかなり議論されていると思います。
お客様の感じ方、本音の洞察については、どういう基準で考えるかが、非常に重要な部分で、差別化の源泉だと思います。
ChatGPTに超要約を作ってもらった…
要約が長くなりすぎたので、超要約をChatGPTに作ってもらいました。
これまでの私の要約と、本のタイトルを入力して、300字以内でまとめて、とお願いすると…
みごとに、本質を突いた感じの要約ができました。
これなら、1分スピーチで話せそうです。
顧客ニーズと価値の関係
顧客にとって本当に価値のある提案 (= 顧客の感じ方に依存)
潜在ニーズと顕在ニーズの関係
お客様と同じ立場で体験すること (一番厳しいユーザーであれ!)
価値の3タイプ(ベター、安心、感動)
価値を生み出す構造や仕組み
過剰なサービスの注意点
など、これだけの要素を盛り込みながら、300字にまとめる凄さ!
興味をそそられるけど、具体的なことはわからない。
ちょっと、この本を読んでみようかなと思わせる、いい感じの要約です。
ちなみに、私は「お客様」という言葉を使っているのに、ChatGPTは原著の解説などから「顧客」という言葉に言い換えて、表現を揃えています。このあたり、一般情報と個別情報の組み合わせまでできる、ChatGPTの凄さを感じます。超できる部下、ですね。!
ということで、「価値」について深掘りしてみました。
少しは「価値」について語れるようになった気分です。
でも、知ったかぶりは禁物。謙虚に観察とインタビューを心掛けていきたいと思います。
この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
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