コンビニトイレを「公共に」 !? 大和市の施策を、ビジネス的に考察してみる
コンビニのトイレ、使ったことありますか?
私はちょっと抵抗があるけど、やむを得ないときは、ありがたく利用させてもらっています。
神奈川県大和市では、コンビニトイレを公共トイレとして利用できないか、という取り組みが始まっていて、批判、苦言も多いとか。今日は、微妙なニュースを深堀してみます。
大和市オフィシャル情報は、こちら
今年2022年2月から始まっていて、市からトイレットペーパー200ロール程度(年間)と、協力店表示ステッカーが支給される。らしい。
施策開始1か月で、7店が協力してくれたが。。。
開始1か月の実績は、普及率 6.4%(=7/110=0.06363)
市の目標値は1年後に普及率約45%ですから、なかなか難しそうです。
市からの補助が、トイレットペーパー200ロールという、昭和な発想。私には、まったく理解できません。でも、お金の問題だけではないようです。
普及が進まない理由① イメージダウンにつながる
インタビューの内容を読んで、なるほど~と、納得しました。コンビニとしてはイメージ戦略、ブランドを大切にしているので、そこからズレるのは受け入れがたい。
コンビニのビジネスモデル、イメージ戦略を理解した上で、フランチャイズ本部や現場オーナーの意見も聞きながら、制度設計しているんでしょうか? そういうところを、すっ飛ばすと、こういう基本的な目的、価値観のギャップが生まれるのかもしれません。
一市民として、ふだん使っているコンビニをどう見ているか。店内の導線はどうなっているか。お店の狙いや、お客さんの心理まで考えないと、うまくかみ合わないですね。
普及が進まない理由② 清掃などスタッフ負担が増えすぎる
現実的な問題として、費用負担をどうするのよ!? と思います。 トイレの維持管理コストって、半端ないと思う。
みんなが綺麗に、丁寧に使ってくれれば、清掃も楽なんでしょうけど。たまに、ひどい使い方をされて散らかっている現場を見ると、掃除する人は大変だろうなぁ、と思います。
では、トイレの維持管理にかかるコスト負担額は、どのくらいなんでしょう?
公共トイレの維持管理費は、一般的にどのくらい?
公共トイレのコストを検索して調べてみました。
こちらは、東京都葛飾区の実績報告
なんと、8か所の公衆トイレの維持管理に年間4000万円以上、1か所、年間500万円かかっています。
https://www.city.katsushika.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/488/2-1-3gijiyousi.pdf
こちらは、京都市の報告書
79か所で、1.9億円。1か所、約240万円
http://www5.city.kyoto.jp/jimujigyohyoka/h26/1002014.pdf
外部委託の清掃費が費用の大半。おそらく、土地代は計算に入っていないと思うので、実際はもっとお金がかかっているだろう、というのが私の感覚ですが、一応、試算根拠としては使えそうです。
イメージアップ戦略と、コスト補助の現実策を!
公共トイレはイメージダウンにつながる。逆に、イメージアップにつながるアイデア、提案があれば、流れが変わるかもしれません。簡単ではないけど、アイデア出しするテーマとして面白いと思います。一般市民、デザイナー、有識者など、多様な立場の人を集めて、やってみたいな。
コスト補助については、新たに公共トイレをつくった場合の投資・維持費を試算して、その半額くらいを協力店舗に補助する。そうすると、お互いメリットがある、Win-Winをつくれるかも。ザックリと、そういう落としどころを考えてから、具体策を考えるのが現実的です。
そんなことをムダに考えてしまったのでした。(いや、ムダをつないで、価値に変えたい)
つづきは、ニーズがあれば。。。w
この記事を書いたのは、
もうそうビズ企画 代表 川原茂樹
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