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企業変革はなぜ進まないのか? 「企業変革のジレンマ」 宇田川元一(著)

今日は少しムズ目の本のご紹介です

ちょっと教科書っぽくて、ハードル高いなと思いながら読んでましたが、
共感するワードが色々出てきたので、セミナーなどで使えるかもと、まとめてみます



「企業変革のジレンマ」 宇田川元一(著)

「企業変革のジレンマ」 宇田川元一(著)  2024.6
-「構造的無能化」はなぜ起きるのか-

今日は、こちらの本からの気づきをシェアしていきます


企業変革とは?

そもそも、変革とは、目的ではなく、手段なんだと思います
変革したい! という想いが一番という人はいない
仕方なく変革する
色々やってることが、結局、変革になっている
そんな感じですかね

そこんとこ、勘違いすると、イタイ感じになるので、注意したい

この本では、
 ・ 変革とは経営を回復させること
 ・ 変革とは「対話」である (社内の対話、お客様との対話)
 ・ 変革とは試行錯誤のプロセスである

と意味深な定義をしています

構造的無能化とは

構造的に無能になる??
大企業あるあるの風景に思えますが
インパクトのあるワードですね。多分造語だと思います

断片化

組織の業務や役割が細分化されることで、個々のメンバーが全体像を把握できなくなる。
部署間での連携が乏しくなり、全体の方向性を見失う原因となる。
結果として、「自分の範囲だけを守ればよい」という意識が生まれる。

役割分担が行き過ぎると、「それ、私の仕事じゃないので」
みたいな不毛な会話が起きます

「私は聞いてない」みたいな言い方も出てきます。サブっ
大企業の組織のカベ、がそのもの

不全化

組織が「短期的な成果」を優先しすぎることで、長期的な学習や改善が犠牲になる。
例えば、業務効率化やコスト削減のための施策が現場に負担をかけ、適応力を低下させる。個人やチームの力を活かすための余裕がなくなり、新しい取り組みをする余地が失われる。

効率化という名のもと、部分最適に陥る
もう少し、助け合えばいいのに、話し合いも足りなくなって、
結局、全体としてのパフォーマンスが低下する

組織へのグチも聞かれるようになる

表層化

問題の本質に踏み込むことを避け、見せかけの解決策や形式的な取り組みに終始する。
例えば、会議や報告書の形骸化、現場の実態と乖離した目標設定などが挙げられる。
表層的な取り組みが繰り返されることで、組織全体での信頼感が低下する。

本質に踏み込まない。自分に与えられた仕事だけして、頑張ってますアピールが横行するようになると、みんな忙しいのに、全然プロジェクトが進んでない、みたいな変な状況も起きます。

  • 仕事や関係性のまんねり化

  • コミュニケーション不足、不全

  • 小さいところにはまり込んで、全体が見えなくなる(認知の狭小化)

  • 協力関係が成り立たない

といった感じで、組織が腐っていく…

大企業ではあるあるのシーンですが、
中小企業でも、ワンマン体制が行き過ぎると、同様のことが起きますね


「組織の条件適応理論」(ジェイ・ローシュ)
「サイロ化現象」(ジリアン・テット)
などでも指摘されているとか


企業変革に必要なこと

多義性 (Ambiguity)

多義性とは、1つの事象や状況に対して多様な解釈や視点を持つ、ということ
「正しい答えは1つではない」ことを理解し
多義性を許容することで、新たな可能性や選択肢を探る余地が生まれる
多様な意見を収集、共有、受け止め、不確実性を認める

 ・ わからないことを、素直にわからないと言える
 ・ わかった気になって、安心しない
 ・ 対話と問いを繰り返す
という観点も大切です

複雑性 (Complexity)

組織や、業務全体の相互関係を理解する
複雑に多様な要素が絡み合っている、
問題構造が簡単ではないからこそ、全体像を理解する

組織のカベ、現状維持のカベが立ちはだかる

解決するには、より本質的なテーマ設定、問い続けることが大事

現状に対して、異論を言える空気かどうか
不完全なアイデアでも受け止めて、議論の土俵に載せる余裕があるかどうか

部分最適ではなく、
長期的視点で、全体のバランスを考える
問題の背景や本質を捉える
そういう方向に、議論が進むといいのですが…

自発性 (Autonomy)

各メンバーが主体的に判断・行動できる環境を整備する
リーダーが指示するだけでなく、現場に裁量権を委譲する
失敗を許容し、学びを促進する文化を構築する

個人が自発的に行動し始めるには、なんらかのインセンティブが必要
もっとも有効なのが、内発的動機付け
やりたいからやる! やりたい気持ちになる!

そのための仕掛けは、画一的な仕組みではつくれない

ここが、一番の難題なんですよね~


ちょっとした、やる気を、大きく育てるには、
日々の声掛け、会話の言葉選びから

この本では、
簡単にできる挨拶から始め、習慣化していく
未来に向かうストーリーを語る
などが例示されています

危機感をあおるだけでは、変革は進まない、とも


かなりムズめの本で、解決の具体策より、課題提起を重視している感じ
本質的な話は、一般論では答えが出ません
個々に話し合う場が必要、ということかな


対話のキッカケ

私は、
個人の萌えポイント(勝手にやりたくなるテーマ、興味関心)と、
企業のビジョン、理念、価値観をつなぐ
ことがカギだと思っています

個人がやりたい気持ちは、あまりロジカルに説明できない
でも、やりたいことはある
個人の気持ちを大切に、企業の想いと、つなぎたいな、と思ってます


日本人は、みんないい人なので、
つながれば、みんなハッピーになるんですよね

狭い意味の仕事にこだわっているから、
効率化を意識しすぎるから、
全体が見えなくなってるんじゃないかな

ちょっと力を抜いて、全体を俯瞰する余裕を持ちたいものです


余裕と話し合う姿勢

ちゃんとやれば、なんとかなる!
みんな、いい人なので(笑)



この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
https://twitter.com/mousoubiz


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