妄想彼女:「サクラ」という思い出に残る彼女
【はじめに】
サクラ(仮名)は実在したかなり気になる人だ。
付き合いたいのに付き合えない。お互い微妙な関係に終わった。
かなり妄想を付け加え、ここ記します。
【出会い】
俺は学生のころから付き合っている彼女がいた。
就職先の研修で地方に行くことになり、現在は遠距離恋愛中だ。
新入社員の全員は地方にある工場での研修が通例である。
工場の各部署にも職場体験をさせて、今後の配属先を決めるらしい。
そんな中に気になる同期が・・・「サクラ」だ。
はっきり言って、好みだ!。
スリムで背は俺より7,8センチくらい小さいかな?
小顔で目がクリっとしている。きれいな瞳に吸い込まれる。
当然、彼女がいることは伝えてあるので、変な関係にはならない。
が、どうしよう~。
【なぜか素直に会話できる】
サクラとはすぐに仲良しになれた。
同期達は「好きだけの関係」を維持していると思っているようだ。
変に騒いだり、からかったりはしてこない。
いわゆる「友達以上、彼氏扱い、でも関係はなし」が明白なのである。
なので、微妙なこの関係がいつまで続くか、見ものでもあるのだろう。
でも、当の本人たちは素直に接して楽しんでいる、
自分でも彼女より気楽に本心や悩みを打ち明けているのがわかる。
サクラはどう思っているのだろう。
サクラも自身の深い部分の話をしてくる。なので、こっちも素直に答える。
喜怒哀楽はあるが「怒」の深味は浅く、すぐに「喜」へ転換できる。
肩に力が入らずに、隣に座って会話するだけで、研修のストレスも消え失せる。
着なくなった服をサクラへ渡す。
次の日にそれを着てくる。大き目だが、まあ似合うもんだなと会話する。
そんな幸せな毎日が続いてゆく。
【サクラに夢中】
最近はサクラを抱きしめたくてウズウズしてしまう。
スリムな体形なのに大き目な胸をのぞかせてくる。目線に困る毎日だ。
足も細く、キュッとしまった足首はスポーツ選手と思うほど。
更に「ね~。○○君!。」ってかわいい声にやられてしまう。
あーどうしよう。どうにもできないー。
サクラもちょっと誘惑気味ではないか?!
露出が増えたのでは?春先に比べ暖かくなったから仕方ないけど・・・。
日々の会話は相変わらずストレスフリーなので、それがそう思わせるだけか?
彼女って何を基準に彼女になるのだろう?
あれっ。変なことを考え始めてしまった。
【サクラも同じ気持ち?】
サクラに彼氏がいるかは聞いていない。
なんとなくいる方かな?と思っている。
サクラは同期だが、俺は浪人してたので実際はサクラの方が年が1つ下だ。
ちょっと妹みたいでかわいい。
サクラからすると俺が年上というのが、いいらしい。
だから、素直に話せると言っていた。
そんなサクラも本心を伝えたいと言ってきた。
「彼女がいなければ付き合いたい」と。
それは俺も同じと答えた。素直に。
お互い言ったら、なんか気が楽になったみたい。
前より更にギリギリ超えない微妙な関係になっていく。
【研修も終わり配属先も決定】
そんな研修も終わり、本社へ戻ってきた。
もう、夏も終わり9月だ。
配属先が決定し、下旬には新しい職場で勤務を開始する。
俺は工場勤務、サクラは本社勤務だ。
さてどうする?
そう。答えは決まっている。
この関係は「終わり」なのである。
きっとサクラは俺の配属先を聞いて冷めきっているだろう。
一緒の時間を過ごせることを前提に会っていたのだから。
終わりのあることが前提の「付き合い」なんて理解ができないけどね。
【あれから】
サクラとは本社で「またね。」と言ったきり、その関係は終了した。
たまにの同期会では普通に同期として会っている程度だ。
あの頃のことはお互いの心にしまっている。
口には出さなくても「楽しかった日々」は変わらない。
こんなに心が通じ合う人はいただろうか?
いや、もう二度とそんな人には会えないと思う。
ギリギリを超えなかったから、成立した微妙な関係だ。
もう、こんな関係が成り立つ相手もいないし自信もない。
本当は付き合いたかったな。
いい思い出をありがとう「サクラ」。
おわり