#note園芸部 秋の植物観察
ミドリ、足りてますか?
殺伐とした夏の日差しがようやくひと段落してきて、絶好の園芸シーズンですよ。
秋の植物たちの様子をお届けします。
それについてはこちらで言い訳しておりますので、余力がある方はご査収くださいませ。
一応前回の記録はこちら。
亀甲竜
いきなりいかがわしい名前から始まりましたが。
この子は冬型塊根植物で、最近目が覚めてモリモリにツタを伸ばしている。あらぬ方向に伸ばして色んなものに絡む当たり屋…いやいや、植物(人)懐っこいヤツなのだ。
だからこうやって針金を這わせてあげるのです。もちろん自分から巻いてなんてくれないので全手動よ。手がかかってかわいいね。
まだツタが成長途中なので葉っぱはない。
葉っぱはツヤツヤしてハートの形に見えたり見えなかったりする。ここから想像出来ないくらい葉っぱがモリモリになるので、葉っぱの形がハートなんて悠長なこと言ってられないんだけれども。
冬型なんです、で紹介しておいて何だけども、この子の見頃は個人的には春夏だと思っている。
ツタとか葉っぱとかも生き生きしてて良いんだけど、やっぱり塊根植物ですから、塊根を愛でたいよね。
この丸くて無骨な塊感、ゴツゴツとした肌感、亀の甲羅のように入ったひび割れ、これぞ塊根の真骨頂では?
ちなみに、私はこうやって土から半分出しているけれど、埋めて育てると塊根が大きくなりやすく、出すとヒビが入りやすくなるらしい。不思議だね。
ちなみにちなみに、うちに来たばかりの頃はこれ。
比較的普及種だし、成長は遅いけど冬に植物を育てられる楽しみが欲しい方にはオススメ!
チレコドン ノルティ
ノルテーイとも呼ぶみたいだけど、私はノルティ派。あなたは何派?
この子も冬型塊根植物なんだけど、見てくれよ、この小ささを。多分これでも3〜5歳くらいなのではないかと。いやぁ小さい。
これも私の趣味だけど、いわゆる矮性種(大きくなってもちいさいやつ…あれ?ちいかわ…?)って凄く好きなんだよねー。
あんなに小さな身体でも葉を展開させ、光合成をして、根を張り…という生命のダイナミクスが詰まってる感じがして愛しくて仕方ない。伝わるだろうかこれ。
小さい変化に気付いた時の喜びもひとしお。このプリップリの緑、たまらないよね、ね?(圧)
この葉っぱが凄く肉厚になるのと、ちょっと毛が生えるのと、まだらなブツブツ模様が入ります。集合体恐怖症の人は苦手かもしれない。
ちなみに私は集合体が大好きで…(以下エンドレス)
マンガベ ラベンダーレディ(ブツブツ注意)
マンフレダ×アガベの交配種がマンガベ。
アガベほどゴツゴツ・トゲトゲしてなくて、それでいて屈強で育てやすい。そしてブツブツ。オトマノペだらけ。
ヤフオク!で買って届いた時はただの真緑で、「あれ、偽物掴まされた?」と気落ちしてたんだけど、根を張って安定した辺りからブツブツが出てきました。
そして分かりにくいかもしれないけど、ちょっとラベンダー色がかかっていて、紫と緑と青の中間みたいな不思議な色味なんだよね。さっきのノルティの葉っぱと比べたらわかりやすいかも。いやぁ美しい。名前も素敵だよね。
ちなみにブツブツは好きなんだけど、草間彌生はちょっと苦手だったり。あれは精神とか魂にダイレクトアタックしてくるよね。植物のブツブツにも感じるけど、もう少しマイルドで程よいアタックなような。
ビカクシダ リドレイ
紅茶さん産。
一年に一回、#note植物部の活動として植物(赤ちゃん)交換をしており、これは昨年いただいたもの。
初めてのリドレイでこっちがとても神経質になって最初は随分拗らせてしまったのだけど、何とかV字回復を果たしました。
紅茶さんは胞子からリドレイを育成し、本当にマニアック丁寧に育てられていたので、そもそも日本の気候に適応していたのかも、とのこと。
話を戻すけど、このリドレイ、良くない?
私の中でキングオブビカクシダはリドレイだと思ってて、この鹿の角みたいな葉(胞子葉)は芸術的だと思っている。
太陽目掛けて手を伸ばしている感じや、葉脈の走り方、鹿の角の様な繊細さと力強さ。(と愛しさと切なさと糸井重里)
毎朝霧吹きしては恍惚とした表情で眺めております…尊い…。
次の課題は貯水葉。
この根本の方のレタスみたいな葉が綺麗に苔を包んでくれると、それはそれは美しくてねぇ…。
冷静に考えて、同じ植物で全く違う形状の葉っぱを展開させ、そのどちらもが自分の性癖を的確に突き刺してくるやつなんて他にいるだろうか?(いやない。)
ビカクシダ ヴィーチー(三兄弟)
比較用に一般的?なビカクシダを。かなり普及種で、園芸店だけではなく、雑貨屋に並んでたりもする。
この人たちは元々一つだったのだけど、私がメリメリに分解し、比較的大きいものを2つ(写真の1〜2枚目)とその他大勢の群生マン(3〜4枚目)の3つ分けてやった。
結果みんな大きくなった。
困る。
特に群生マンは大人しかったのを良いことに結構乱暴に育て、年中屋外にほっぽり出していた。夏の暑さも冬の寒さも耐え切った結果、変な育成スイッチが入ったようで、バスケットの隙間という隙間から子株を出しまくっている。強い。
まぁこれはこれで面白いのでこのまま行こうと思う。
ヴィーチーはこの細長く分岐して伸びる胞子葉が特徴的なのと、ものすごく毛深い。葉の裏にびっしり星状毛(だっけ?)が付いている。
強い日差しを遮断する機能があるらしいが、結果的に葉っぱを白くお化粧させた様になり、美しいのよね。
貯水葉はなかなか出てこないんだけども、最近お目覚めの模様。ヴィーチーの貯水葉は秋から冬前まで成長するので、私の中で「そろそろ秋ですよー」って知らせてくれる人だなって思っている。
パキポディウム ビスピノーサム
こちらも紅茶さん産。今年やってきた人。
やっぱり最初は拗れまして、葉っぱをほぼ全部落としててっぺんの一枚だけになった時から「ピクミン」と名前を付けました。
そこから水遣りに注意を払って良い感じに葉っぱを付けてくれました。もうすでにビスピノーサム感出てるよね?出てない?
パキポディウムこそ塊根植物の王様だという人が多いのだけど、私はいわゆる『これ、王道だぜ?いいだろ?』みたいにされると素直になれないタイプなの。
更にパキポはそもそも人気が高いせいもあって価格もなかなか。
1番王道なグラキリスという品種なら、あなたの右手の握り拳を塊根部と見立てるなら5〜8万で、両手の握り拳を合わせたならば10万は下らないと思う。そうやってお高くとまられると、
「いーし、そっちがそうくるならいーし、買ってやんね!どうせ塊根が腐るし!」
と言いたくなる。そう、酸っぱい葡萄ならぬ腐った塊根なのである。
そんな矢先、紅茶さんが「パキポディウムあるけど、どう?」なんて言ってくれるじゃないですか。
もう文面の「パキ」まで見て「え?マジで?パキポディウムあるん?」と反応している私がいるわけですよ。しかもビスピノーサムですよ。
これ、マジで声に出た。
植物わからない人からしたら何言っとるんって話だと思う。
例えるなら、紅茶さんと大富豪をしているとする。お互いの良いカードを交換しようとなり、僕はスペードの2とダイヤの2を出す。内心「2を2枚よ。なかなか引きいいでしょ」なんて思ってたら、紅茶さんからジョーカー2枚来る感じだ。「えぇ!マジで!?良いんですか?」みたいな。
…いやなんか違うな。たとえ下手か?
まぁそれくらい興奮したってこと!が伝われば良いや!
そんなわけで大事にしてます。
来年くらいに植え替えようかな。
ケラリア ピグマエア(実生)
最後、種蒔き繋がりで、今年の実生さんたち。
芽が出た時の写真は初夏の記録を見てみてね。
元々ピグマエアは持っていたのだけれど、昨年末にまさかのお腐りになり失意のどん底に…すごく好きなのよピグマエア…。
買おうかと思ったけどやっぱり良い値段なのである。
だったらタネから育てちゃおう!(園芸脳)
6粒蒔いてまさかの全て発芽し、今日まで元気に生きている。右下の1人が成長が止まって赤くなってて随分怪しいのだけど、なんとか枯れないのでどこかで動かないかなと…。
葉っぱのぷりぷり感がかわいいよねぇー。
ちなみに、種を買ったのですがそれもなかなか良いお値段。6粒で片手の指×北里柴三郎さん…いや、もうちょい安かったかな?でも体感それくらいの相場なような。(コイツまた金の話しとるぞ)
というのもピグマエアは銀杏みたいに一株ごとに雄と雌に別れていて、両方の株がないと受精しないという一手間かかる子たち。
そこで私はひそかに、老後の年金の足しとして、彼らを育て、おそらく雄雌いるだろうことを期待し、大きくなった暁には種を作りまくり、ヤフオクでせっせこ売ってお小遣いにしようという野望を抱いている。
そこまで植物ブームが続いていることと、この子たちがすくすくと育ってくれればなぁと願っている。
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