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ファンタスティック・プラネットの話

先日主人が気味の悪いアニメ映画を
録画し視聴していた。
あまりのインパクトに
怖い怖いと大騒ぎをし、
今日自分も録画を視聴する事にした。
ファンタスティック・プラネットという作品である。
例によってあらすじを書くことはせず、
感想のみ述べる事とする。

50年前、1970年代に制作された
アニメであるにも関わらず、
この写実的なタッチである。
さぞ作画に時間が掛かったろうと感じたが、
調べてみるとセル画ではなく
切り絵で構成されているらしい。
それはそれで大変そうでもある。
なんとなく動きがチャージマン研を
思い起こさせられるが、
同年代のアニメであるからだろうか。

古めかしくレトロな未来観だが
どこか退廃的であるのが印象深い。
ドラーグ人のプロダクト及び
インダストリアルデザイナーのセンスに
疑問を抱かずにはいられないが
見ていて飽きることがなかった。
BGMもサイケデリックで独特な世界観を
よく演出していると思う。
シューゲイザーのような浮遊感に
不思議と心地良さすら覚えてしまう。

冒頭のシーンにて
人間がドラーグ人によっていたぶられ
呆気なく殺されてしまうシーンでは、
最近の沢蟹と自分とを彷彿とさせられ
つい失笑してしまった。
しかしながら誰もが
このような幼稚な残酷さに
身に覚えがあるだろうし、
高度な精神性や技術を持ってしてもなお
そういった残虐さに心を囚われがちなのは
生き物の性であろうか。
不思議と人間を俯瞰で見るような気分にさせられる。

ラストでは瞑想によって
ドラーグ人が生命エネルギーを
得ているということが明かされた。
ドラーグ人が一日の大半を費やし
最大の弱点となる瞑想が
一体なんのメタファーであったのか、
それがもし生殖であるならば
なぜ別の肉体でそれをする必要があるのか。
何か意味深に感じられたのだが
うまく言葉にして思いつかない。

個人的には主人公テールを飼うこととし
瞑想に目覚めるまで彼を可愛がった
ドラーグ人の少女(?)、ティバの
その後が気になる。
人間のテールの真似をして
アイラインを引いてみたり
肌に白粉をはたいたりと、
お茶目なキャラクターであった。



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あややま
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