愛知室内オーケストラ第61回定期演奏会B
今日は愛知室内オーケストラの定期演奏会へ行きました。
しらかわホールです。しらかわホールもあと半年ですね。たくさんの演奏会でお世話になったしらかわホール、あと半年になりますが、思い出を作りたいと思います。
今日はロビーコンサートが演奏会前に行われました。
パーカッションの安江佐和子さんの演奏です。
パーカッションはハーモニーやメロディーは表現できないけど、いろいろなリズムや音の強弱などを表現することができます。
オーケストラでは縁の下の力持ち的な役割になることが多いですが、パーカッションだけでも楽しいですね。
ついでに宣伝します。安江佐和子さんのパーカッションリサイタルが9月2日に名古屋、9月6日に東京であります。
本日の演奏会の話に行きます。
指揮者は原田慶太楼さんで去年も何度か名古屋フィルなどで聴いています。今日は世界初演、日本初演など、これほど新曲ばかりのクラシック音楽演奏会はめずらしいです。
今日は原田ワールドになりそうで、楽しみです。
チェロ協奏曲の独奏チェロには遠藤真理さん。
NHKFMラジオのきらクラという番組でタレントのふかわりょうさんと共に約10年近く放送していました。遠藤真理さんの演奏はラジオでは何度も聴いたことがありますか、音楽ホールで聴くのは初めてで楽しみです。
今日はミヨーのチェロ協奏曲第1番を弾きます。
今日は予定と演奏順番が変わりました。
今日の曲目の作曲家の上田素生さんと平川加恵さんが会場に来て、トークをしてから演奏に入る形式になっています。
■ガブリエル・レーナ・フランク/アンデスのエレジー(日本初演)
アメリカ生まれの女性作曲家で母親がペルー人で、ペルーが舞台の音楽となっています。
2000年作曲だそうです。
楽器ウッドブロックの音が効果的で印象に残ります。途中でフルートのカデンツァがありますね。
エレジーという曲なので、哀しみの曲。心に刻み込まれました。
なかなかいい曲だったと思います。
■上田素生/空想追体験(世界初演)
作曲者の上田さんのトークで夢というキーワードが出てきて夢は現実の追体験。
抽象的な音楽で始まるが、目覚めるときの夢は記憶にあり、現実に近くなり、音楽も調性のある音楽になっていくというのが主旨みたいです。
最初はぼんやりした感じでつかみどころが無かったのが、つかめたりつかめなかったりという感じでした。
演奏が終わった後に上田さんが舞台に駆け上がり、拍手喝采でした。こういうのはいいですね。新曲ならではの演奏会の良さですね。
■平川加恵/Symfonic Drive
2020年作曲ですので、3年前作曲です。
作曲者の平川さんもありました。
作曲には突発的にひらめいて作曲するときとコツコツと計画的に作曲するときと両方あるという話が印象的でした。
この曲はかなり力作系で前述の2曲と比べると難解でした。前述の曲のように自分でつかみに行くという曲ではなくて、訴えるものがたくさんあり、それを受け身的に聴くという感じでした。
内容たっぷりで聴きごたえある曲でした。
演奏が終わった後に平川さんも舞台に上がって拍手喝采でした。新曲ならではですね。
こういう新曲を積極的にプログラムに入れる原田慶太楼さん、すばらしいです。
■アルトゥロ・マルケス/ダンソン第4番(日本初演)
メキシコの作曲家で1996年作曲です。
前半の3曲と比べたらメロディーになっていて聴きやすいです。
ラテンのメロディーですね。
今日の演奏会のテーマに1番ぴったりの曲ですね。
■ミヨー/チェロ協奏曲第1番
今日の曲目の中で唯一予習をした曲です。
過去の名チェリストが録音しているが、ほとんどが廃盤になっており、
ナデージュ・ロシャさんが最近に録音したCDが買えました。ラロのチェロ協奏曲とカップリングですので、ラテン系のチェロ協奏曲が2曲聴けます。
いきなりチェロのソロから入ってそのメロディーに呼応してオーケストラが入るという第1楽章の入りがいいですね。
この形式で有名なチェロ協奏曲はエルガーのチェロ協奏曲ですかね。
音楽はその後はジャズ風になっていきます。
第2楽章の哀しみの緩徐楽章から第3楽章はラテンの明るい音楽になります。
ラテン音楽、楽しい。
遠藤真理さんのチェロ、すばらしかったです。
■アンコール
上田素生さんがもう1回出てくるサプライズ。
なんと昨晩作曲したとか。
ピアノ三重奏曲の新曲。最後は新曲で閉めるという幕切れでした。
遠藤真理さんのチェロ、ヴァイオリンはコンサートマスターの大森潤子さん、ピアノがオーケストラのピアノパートの梅田朋子さんでした。
新曲づくし、ラテン音楽の魅力、内容の濃いプログラムに充実感のある演奏会でした。
原田慶太楼ワールドはさすがでした。
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