中部フィル第88回定期演奏会
今日は中部フィルハーモニー交響楽団定期演奏会を聴きに行きました。
今日の注目は北川千紗さんのヴァイオリンと中部フィルとの共演です。3年前の日本音楽コンクール1位でそのときの曲がシベリウスのヴァイオリン協奏曲でした。ラジオで聴きましたが、非常に力強さがあり、表現力豊かなシベリウスのヴァイオリン協奏曲に圧倒されました。
2年前に宗次ホールのスイーツタイムコンサートでも北川さんのヴァイオリンリサイタルを聴いており、ブロッホとフランクのヴァイオリンソナタ、すばらしい演奏でした。トークではブロッホという作曲家への思いを語っていただいてブロッホという作曲家の音楽の魅力がすごく理解できました。
そんなことで今日のシベリウスプログラムは今年の注目の演奏会として考えていました。
今日のプログラムは北欧音楽プログラム第2弾です。スヴェンセンとシベリウス2本。ノルウェーとフィンランドです。
北欧は森と湖、オーロラ、行ったことはありませんが、憧れです。
シベリウスはそんな憧れを増幅させるようなすばらしい北欧の自然の音楽を描いています。今日の交響曲第3番はシベリウスが都会から田舎に引っ越してから初めての交響曲作品になり、シベリウスの個性の始まりという作品になっています。
今日はなんと完売です。
中部フィルのオーケストラの魅力と今までの活動の努力の賜物だと思います。今後の活動にますます期待です。
関係者にはおめでたいことです。
今日はロビーコンサートが演奏会の前に行われました。グリエールの弦楽八重奏曲です。ウクライナ出身の作曲家です。魅力的なメロディーが次々と出てくるメロディーの宝庫です。
メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲と同じ編成ですが、メンデルスゾーンとグリエールのセットで2曲やってもおもしろいと思いました。
■スヴェンセン/ノルウェー狂詩曲第3番
初めて聴きました。
管楽器がチャーミングで弦楽器がシリアス。
対比するような感じで始まります。
演奏会のオードブルとして聴くにはなかなかいい曲ですね。
■シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
お目当ての北川千紗さんのヴァイオリンソロです。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲は古今のヴァイオリン協奏曲で3本に入れるぐらいに大好きな曲で、特に第1楽章のカデンツァ後のところがとても好きです。
今日の演奏はさらにこの曲が好きになるぐらいのすばらしい演奏でした。北川千紗さんのヴァイオリンは想像以上でした。
この曲はヴァイオリンソロだけでなく、オーケストラも魅力です。お互いに引き立て合って音楽は完成します。
この曲を音楽ホールで聴いたのは5回めぐらいですが、最高のシベリウスのヴァイオリン協奏曲でした。
■シベリウス/交響曲第3番
シベリウスのヴァイオリン協奏曲の同時期に作曲されたのが交響曲第3番です。
実は音楽ホールでこの曲を聴くのは初めてです。
シベリウスの交響曲で演奏会に取り上げられる曲は第2番、第5番、第7番が多いですかね。
第1楽章の冒頭のリズムなんかはヴァイオリン協奏曲の第3楽章の冒頭の民俗音楽のリズムを思い起こす感じがあります。
第2楽章がすごく美しいです。
有名なチェロのパートのソロのところは特に美しいですね。
注目は第3楽章になります。
音楽は情熱的に進んでいきますが、
途中で低弦楽器がコラールを歌い始めてそしてオーケストラ全体がコラール。シベリウスの娘さんのレクイエムという話を聞いたことがあります。
コラールで祈りの音楽となってしんみり終わるかと思ったらそのコラールの旋律が高揚してクライマックスとなりエンディングするという斬新なエンディングですね。
交響曲第5番の和音の連続するのも斬新だと思いますが、ここがシベリウスの音楽がミステリアスな部分でもあるなと思います。
交響曲第3番、いろいろな思いがある曲ですね。
今日の中部フィルの定期演奏会、充実度の高い演奏会でした。