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読書の記録(22)『骨灰』 冲方丁
手にしたきっかけ
年末年始のお休みに、ちょっと長めの本が読みたいなあと探していて見つけました。冲方丁さんの本は『天地明察』『はなとゆめ』などを読んでいたのですが、ホラー系は初めてです。
心に残ったところ
読みだしたら怖くて止まりません。寝っ転がってうつぶせで読んでいたら、長時間集中して読んでしまって肘や背中が痛くなりました。でも、途中でやめることができません。夕食、お風呂、と何回か中断しながらも、最後まで一気に読んでしまいました。次の日まで持ち越すことができませんでした。
こんなに集中して一息に読んだ本は久しぶりです。学生の時に読んだ鈴木光司『リング』以来かもしれません。
想像力を無限に刺激してくるところが、本の面白さでしょう。描写からいろいろなものが見えてくるし、熱さも、のどの渇きも、リアルに感じることができました。
この本で私が印象に残ったのは臭いの描写。私はこの臭いに馴染みがないはずなのに、知っている気がする。どこかでこの臭いに触れたときに、きっと「あの臭いだ…」と気づくだろうと思います。
今ままでの人生を振り返っても、これからの人生を考えても、実際には体験することがない、起こり得ない体験をこの本は疑似体験させてくれました。それも相当なリアル感を持って。いやあ、怖かった。
まとめ
時間もかかるし、手軽なエンタメではない、と本を読まない人もいるかもしれないけど、本ならではのよさって確かにあるよね~、と年の瀬にしみじみ思わせてくれた1冊でした。