読書の記録(29)『ようこそ!富士山測候所へ 日本のてっぺんで科学の最前線に挑む』 長谷川敦 旬報社
手にしたきっかけ
タイトルに引かれてカラーページを見たら、私ここに行ったことがあるかも!?知ってる!?と思いました。
中学2年の行事で富士登山をする学校に勤めていたときのことです。2回経験しているのですが、登りきって、最後にみんなで集合したのが、この測候所の3号庁舎の奥の部分だった気がします。
心に残ったところ
まるで、プロジェクトXの世界。野中至さんと千代子さん夫婦のエピソードはまるでドラマ。もっと早くに知っていたら、道徳の授業に使いたかったと思いました。気になって検索してみたら、『芙蓉の人』という本がありました。NHKでドラマ化もされていました。こちらも読んでみたいです。
厳しい自然環境の中で、強い信念を持って観測に挑んだ人たちの地道な努力が心にしみました。殉職者も出るほどの危険を伴う環境の中、富士山での測量を諦めなかった方々のご尽力に頭が下がります。
富士山が世界に例をみない唯一無二の形であること、富士山頂だからこそできる研究があるということ。簡単に行けるところではないけれど、やっぱり人をひきつける不思議な魅力があるのだなあと感じます。万葉の昔からその雄大さを詠まれてきただけでなく、科学の最前線でもあることに驚きました。
まとめ
この本は、これから富士山に登る生徒への課題図書にしたいです。課題図書だと強制感があるから、推薦図書かな。もしくは学級文庫にそっと置いておきたい。
山登りのガイドや体験記も興味深いのですが、ちょっと違った視点から富士山をより知ることができました。こうした事実を知ってから登ると、山頂から見える景色もまた違ってくるような気がします。
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