「Discord」の認知率と利用率とユーザ数はどれくらいか?〜国内ゲーマーのSNS、コミュニティサービスの利用調査2023〜
最近コミュニケーションサービスの「Discord(ディスコード)」が日本でもじわじわと広がっている気配を感じている方が増えていると思います。
「Discord」は主に匿名のハンドルネームを前提としたコミュニケーションを行う「ゲーム」「エンタメ」「ライブ配信」「クリエイター」のコミュニティを中心に活用されてきました。それは結果的に「若年層」の文化との相性が良く、10代から20代前半を中心とした若年層から広がっているサービスです。
実際に東京工科大学が実施した新入生への調査によると、男子学生の約60%が「Discord」を利用している結果でした(一方で女子は27%)。コミュニティサービスの中心は男子は「Discord」、女子は「Instagram」になってきている傾向がわかります。
このように「Discord」は「特定ジャンル」×「若年層」を中心に広がってきており、今後はゲームやエンタメの業界はもちろん、その他の多様な業種でも活用が検討されていくと思います。一方で、日本国内の利用動向のデータは公式からも第三者からもあまり公開されていないため、「Discord」の実態やポテンシャルが掴みにくいと感じている方も多いと思います。
そこで今回のnoteでは、主にゲームマーケティングの視点で「日本国内でのDiscordの認知と利用の実態」を調査と深掘りをしましたので、その結果を共有できればと思います。
主要コミュニティサービスの認知率と利用率調査
▼日本の主要コミュニティサービス認知率と利用率
まずは対象者を絞らない日本国内の13〜59歳の男女全体に聞いた「主要コミュニティサービスの認知率と利用率」の結果を紹介します。
まずは「YouTube」と「LINE」は、現役利用率約80%で、大多数が利用しているコミュニティとインフォメーションのインフラサービスです。そして「Instagram」と「X(Twitter)」の現役利用率は約50%、続いて現在も成長中の「TikTok」が現役利用率約30%、「Facebook」は少し離れた現役利用率約20%となっています。「YouTube」「LINE」「Instagram」「X(Twitter)」「TikTok」「Facebook」の6つのサービスが、認知率90%前後でほぼ全員が知っている「日本の6大コミュニティサービス」と言えます。
2023年7月にリリースされたばかりのMeta社の「Threads」は、認知率42%、現役利用率8.7%となっていました。リリース後3ヶ月でのこの認知率は非常に浸透が早いです。今後さらに現役利用ユーザを増やせるがポイントになりそうです。
そして注目の「Discord」は認知率約40%、利用経験率約20%、現役利用率約10%でした。「Discord」は「Facebook」の約半分の規模感と捉えるとイメージしやすいかもしれません。
▼日本のゲーマーの主要コミュニティサービス認知率と利用率
ここからは、ゲームマーケティングの観点から調査結果をさらに掘り下げていきます。まずはゲーマーだけ、つまり月に1回以上、家庭用ゲーム機、PC、スマートフォン、またはパソコンでゲームをプレイしている人に絞って調査結果を見ていきます。
ゲーマーはネットリテラシーが相対的にノンゲーマーよりも高いため、全体的にコミュニティサービスの認知率、利用率は高い傾向にあります。しかし、注目は「Discord」の認知率、利用率がゲーマーの方が約10%程度、全体に比べて大幅に増加していることです。やはり「Discord」はゲーマーを中心に広がっていると捉えて間違いありません。
▼ゲームプレイデバイス別のDiscordの認知率と利用率
ここからはゲーマーによる「Discord」の利用動向をさらに深掘りしていきます。「ゲームをプレイするデバイス別のゲーマーのDiscordの認知率と利用率」の結果はこちらです。
「Discord」は「ファイナルファンタジーXIV」や「League of Legends」などのパソコンゲームでのニーズから始まっています。現在も「Discord」の認知度と利用率はパソコンゲームユーザーの中で最も高く、現役利用率は26%に達しています。次に、PlayStation、Switch、スマートフォンの順に利用が広がっています。スマートフォンゲームの認知度と利用率は現在は低いですが、最近ではパソコンやコンソールゲームとのユーザ体験の垣根がなくなりつつあるため、今後の利用率は増加すると思います。
▼日本国内のDiscordの現役利用人口推計
ゲームプレイデバイス別のDiscord現役利用率と日本のゲーム人口データを基に推計すると、日本国内のゲーマーのDiscordの現役利用者は、500万から1000万人規模と推定することができます。すでに大きな規模感であることがわかります。
「Discord」はこれまでは主に「対戦ゲーム」「チームゲーム」「MMORPG」など、直接的なユーザ同士の交流や協力がある「マルチプレイ型ゲーム」を中心に使われてきました。しかし、最近では「ソロプレイ型RPG」に置いても、ゲーム攻略情報の交換や進捗を共有する仲間探しなどでも間接的なユーザ同士の交流のニーズが高まっています。
▼ゲームプレイデバイス別のDiscordの認知率と利用率
最後にさらにもう一歩踏み込んで、コアゲーマーの「Discord」の認知率と利用率の結果を見ていければと思います。
ゲームに対してお金を使っている人 = ゲームプレイの優先順位が高い人の方が「Discord」の利用率が大幅に高い結果となっており、特に熱心なゲーマーは現役利用率が30%から50%になっています。「コアユーザほどDiscordを使っている」、そして「コミュニティを求めている」ということです。これは同時に「若年層だけがDiscordを使っているわけではない」ということです。
現在はデバイスを問わずほぼ全てのゲームがオンライン化されている状況です。ゲームがオンライン化する理由は「コミュニケーション」でしょう。「コミュニケーション」がゲームプレイをもっと楽しくする要素として欠かせないものになっています。そのコミュニケーションの場として「Discord」が使われるようになってきています。
「Discord」の認知率、利用率調査結果のまとめ
「Discord」は全体の認知率は約40%、利用経験率は約20%、現役利用率は約10%。「Facebook」の約半分の規模感と言える
日本国内のゲーマーのDiscordの現役利用者は、500万から1000万人規模と推定。すでに大きな規模感のサービスになっている
「Discord」はゲーマーほど認知率も利用率も高く、お金も情熱も使ってゲームを熱心に遊ぶコアゲーマーほど利用率が高い
今後の「Discord」の活用はゲームマーケティングのテーマの一つになる
最近は「Discord」をゲーム公式として積極的に活用する事例が増えてきています。Discordの運営についてのご相談やご支援もしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
以上、「Discord」の認知率と利用率についての調査結果を共有しました。参考になったという方はぜひスキや共有をお願いします。また今後もゲームやエンタメのマーケティングに役立つ情報を書いていければと思いますので、ぜひフォローもお願いいたします。
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