見出し画像

クソマナー客が映画館を殺す

「映画館のエンドロールでスマホを弄るのは辞めてほしい」映画鑑賞を好む人のあるあるに、「緊急要件でスマホを弄らなければいけない人もいる」と反論した男性が炎上した。

ツイッターランドの動向を見つめ続けるサブカルライター・モトタキが、学術的では決してない戯言で、この事象をそれっぽく語る。

炎上したのは謙虚さの欠如が原因か

「そんな緊急が入る役職であれば映画をゆっくり観るべきではないのでは」とのキツいお言葉から「そういう可能性があるのなら出口にすぐ行ける席で鑑賞すべきでは」とのアドバイスまで飛び交った。

いろいろと感じることはあるが、百歩譲って仕事で緊急案件がある立場なためバイブ通知でわかるようにしておくのは許せる。緊急案件が入る仕事を選んだからといって、映画を楽しめなくなるのは哀しいことだ。だが、席ではなく、すぐさま外に出て連絡すべきである。緊急ならなおさらだ。

言動が矛盾しているように見える要素があるのは筋がよろしくない。彼自身の発言には謙虚さが欠片もなかった。ゆえに炎上してしまったのだろう。

ここからは憶測の域を出ないが「仕事と趣味では仕事が優先されるべき」の感覚で、趣味人の世界に土足で入ってきたようにみえた。なぜ、個人の都合で周りの人たちに迷惑をかけて許されると思ってしまったのか。心の中で蔑みがあるのではないか。

郷に入っては郷に従え、である。もし喧嘩が勃発したのなら、相手がどんな立場で、どんな思惑を持った人間であるかは吟味すべきである。その上で柔軟に対応すれば炎上することはなかったはずだ。

そもそもクソマナー客に人権は必要なのか

過激なことを言えば、他人に迷惑をかける人間の意見に聞く耳を持つ必要なんてあるのだろうか。そんな考えを持つ人は少なくないのでは。ここまでストレートに表現しなくとも、心の奥底でふつふつと燃やしている人は少なくないように感じる。

自分の楽しい現場を無遠慮な人達が荒らす。それに対して配慮したところで、コンテンツを楽しんでいる人からすれば、ノイズでしかない。いま醸成されたマナーが気に食わないのであれば、not for me…、つまり自分向けではないと立ち去るのが、お互いのためではなかろうか。

あり得ない話だが、もし公的にクソマナーを認める流れになったなら、映画好きは映画館へと足を運ばなくなる。その娯楽に金を落として支えてきた人間が退場を余儀なくされるのは健全ではない。

没入感を阻害するクソマナー客との遭遇

これはあくまで私見であるが、映画館で声を上げる観客の存在を嫌悪する人は少ないだろう。映画を観ての反応であれば、むしろそれを共感するのが楽しくて映画館に訪れる人もいるはずだ。

問題なのは、映画の視聴を阻害するクソマナー客たちの存在である。

心に残る怨嗟の渦巻く記憶を取り出してみよう。とある映画を観ていた時であるが、後ろの席に座った男女が映画をそっちのけでずーっと話し込んでいることがあった。

男性は外国語を操る若輩のアジア人であり、女性は壮年の日本人だった。ボソボソどころではなく、はっきりと聞こえてくる。男性にとって、邦画の内容がわからないのは百歩譲ろう。しかし、何故にそこまで声高に妨害してくるのか。

手元にあったコップを投げつけてやろうかと思うほどには苛立った。隣なら「お静かに」と声をかけられようものだが、少しばかり遠い。なのに声は耳につくほど聞こえてくる。地獄でしかない。

他にもクソマナー客との遭遇はある。

隣の席が空席で、すこし嫌な予感がしていた。案の定、遅れてきた大学生にも見える男二人組。席に座るなり、劇場の外で購入してきたのであろうビニール袋をグシャグシャと鳴らて取り出したスナック袋をまたも五月蝿く開けようとしていた。

あまりの耳障りさに一睨みすると、こちらの不快感を察したのか静かに開けていた。これで映画に集中できると思われたが、今度はパリパリポリとスナックを噛み砕く音がうるさい。しかも、にんにくチップスでプゥーンと嫌な臭いまで漂う。

ここでまた一睨みだ。極力、声を出して注意はしたくない。だが映画を楽しむ上で、クソマナー客は黙らせておかねばならない。そこまで自由に振る舞いたいのなら、それこそ円盤を借りて自宅で愉しむべきだ。

しかし映画館で共感をする楽しさは他には代えがたい

応援上映まで行かずとも、思わず笑ってしまう声や劇場内で浸透する涙。そうした映画に対するリアクションを肌で感じれば、よりこちらの感情も増幅する。

そうした楽しさが映画館には確実にある。もちろん、円盤にならないかもしれない作品を楽しみたい人もいる。ネタバレされる前に観ておきたい人もいる。大画面や爆音を楽しみたい人もいる。他にも楽しさはあるかもしれない。

だがクソマナー客は、そうしたすべての人の楽しみを水を差す存在だ。ファミレスにいって机の上にクソを垂れ流したら怒られるのと同じである。自由奔放に振る舞いたいのであれば、映画館の貸し切りサービスが存在する。

クソマナー客同士で金を出し合い、心ゆくまで映画を楽しんでほしい。そうした棲み分けがされれば、映画館もにっこり。映画ファンもにっこり。クソマナー客もにっこりになれるはず。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?