モトタキ

サブカルな物書き。

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    気になる映画を初見でテキトーに語る!

  • モトタキ的妖怪談義

    怪異の民俗学愛好家のモトタキが穿った視点で物事の怪異を抽出する。

  • ツイッターランド探検記

    ツイッターでバズった話題のコラムをまとめます。

  • この世が生きづらいぼくの「処世術」

    生きづらい人たちの助けとなればいいなと書き綴ります。

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映画『来る』は「怪異の民俗学」を知る人ほどハマる

ツイッターランドで「心霊版シン・ゴジラ」と囁かれる中島哲也監督による映画『来る』。怪異をこよなく愛するモトタキが映画初見感想をネタバレ上等で書き殴る。なお原作未読。 『来る』はよくある日常が壊れる物語地方出身者の田原秀樹と妻・香奈の結婚目前にした法事、そして結婚式、そこからはじまる幸せそうな結婚生活がじっくりと描かれる。 娘・知紗の誕生を機にイクメンパパを目指す秀樹。そんなありふれた日常が徐々に壊れていく。主な原因は、怪異による超常現象。人が垣間見せる闇も見どころだ。

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    • 沙石談話「ばっふぁろー」

      「なあ、ばっふぁろーを知ってるか」  学食で素うどんを共に啜っていた山岸が深刻そうな顔つきで訊いてきた。ぼくはごくりと健康に影響もなさそうなほど薄い汁を飲みながら笑った。 「山岸ぃ、さすがにバカにしてるんだろう。バッファローぐらい知っているとも。あの毛深い牛のようなアレだろう。アメリカの荒野を駆け巡っているとも聞く。動物園なんぞで実物を見た気もするが、花形でもないあんなものを見たかどうかは覚えちゃいないが……「違うんだよッ!」  山岸がいつからか俯いたまま思い詰めた声で

      • 沙石談話「狗尾草」

         学生食堂でぼくはもくもくと水気の多いカレーを食べていた。スープカレーなんてことはなく、ただ安さの追求のために水増しされたカレーだ。食えないことはない。ここ数日はとても静かな昼食の時間が続く。ふと、そういえば山岸はどうしたのだろうと気になった。  ぼくは山岸との共通の友人である小暮に電話した。彼は明るくヒトをおちょくって生きている愉快なやつだ。 「珍しいじゃないの。君から電話なんて」  小暮は心底不思議そうな声だった。ぼくは山岸を最近見ていないことに気づいた件について聞

        • スタンミとトコロバと夏の陽炎

          「あっちぃ〜な〜」  スタンミが太陽がご機嫌なほど照りつけて、陽炎で揺れる街を歩く。自販機で缶ジュースひとつを買うと、ふと思い出が蘇る。 (……そういや、トコロバが美味そうにこれを飲んでたな)  信号待ち、日陰に佇みながら横断歩道を眺める。スタンミの後ろからボールが横断歩道へと跳ねていった。その後ろに幼児が追いかけていく。信号は赤。車道には勢いよく走ってくるトラックが見えた。 「いや、マズイだろそれは!!」  スタンミは考えるより先に駆け出していた。タンッタンッとアスファルト

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        記事

          川遊び、せせらぎの音。

          夏に涼を楽しむ川遊び。 #夏の1コマ

          川遊び、せせらぎの音。

          大盛りの鉄板焼き蕎麦

          夏の味。バーベキューの締め。 #夏の1コマ

          大盛りの鉄板焼き蕎麦

          夏、花火。

          火薬焼ける匂いが鼻をくすぐる。 #夏の1コマ

          夏、花火。

          映画「#ボーはおそれている」はドグラ・マグラの味がする

          エンタメを食って生きてるライターのモトタキです。 『#ボーはおそれている  』のキャッチコピー「ママ、きがへんになりそうです。」に惹かれた。 『ジョーカー』のホアキンは好きだし、アリ・アスター監督の『ミッドサマー』や『へレディタリー/継承』もイケる口だ。 なので映画『#ボーはおそれている 』鑑賞してきた。味わいは『ドグラ・マグラ』を読んだ時のあれだった。 面白いかどうかでいえば、まあ面白かった。けど、他人に勧めたくなるタイプでは決してない。イケるタイプ同士で行って、あ

          映画「#ボーはおそれている」はドグラ・マグラの味がする

          聖ニコラウスの日に考える「サンタクロースの白い袋の中身」

          12月6日は聖ニコラウスの日、つまり日本ではサンタクロースとして慣れ親しまれる聖人の命日が本日である。 聖ニコラウスは子供、商売、恋人の守護を司る聖人。日本のクリスマスは原点に近い祝祭だとモノの本で読んだことがある。 しかし日本ではクリスマスは12月24日、或いはその周辺の土日になる。 仏教ですら受け入れて独自変化させたのが日本である。そうした性質を考えれば、クリスマスを祝い、年越しに鐘を鳴らし、年明け元旦は神社に参るのも当然なのだ。 ゆえにクリスマスのサンタクロースは日本

          聖ニコラウスの日に考える「サンタクロースの白い袋の中身」

          天開司主催「#Vtuberバトルロワイヤル4」を基本ピーナッツくん視点で感想殴り書き

          Vtuberバトルロワイヤル4をピーナッツくん視点で見てるけど、絡み多めでやっていく発言にワクワクしちゃう。因幡はねるとの協力プレイで物資漁りしてるけど、位置特定はこのゲームでなかなか強そう。 初手から脱出ルートを見つける歌衣メイカとの合流は熱いな。しかし6人のメンバー集め展開はどうなるんだろ。 個別に分かれて探しにいくの、相手が二人組で殺しに来たら即負けだから、実際三人でいく方がよかった説。 でも禁止エリアがあるから、どうしてもこの戦法になるか。 一人で喋ってるとどんど

          天開司主催「#Vtuberバトルロワイヤル4」を基本ピーナッツくん視点で感想殴り書き

          「サンクチュアリ聖域」は呪いのような家族愛に絡まった二人の力士のスポ根

          Netflixドラマ「サンクチュアリ聖域」全8話を鑑賞。その感想を書きなぐる。 相撲の話なんだけど、めちゃくちゃヤンキーとヤクザとスポ根と陰湿なイジメを混ぜ合わせたような演出が多くって見応えがあった。 主人公の猿桜が、力士になりたてのヤンキー力士の猿桜が、生意気なのもあって相撲部屋でボコボコにかわいがりを受けながら成り上がっていく物語。キレイなスポ根じゃなくて、ちゃんと陰湿。 そこに政治部でやりすぎて飛ばされて相撲番になった女記者もいて、この女記者が色恋じゃなくて戦友み

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          「ひき肉の夢小説」「呪いの木札炎上」をみて感じる実在事象のエンタメ化とその難しさ

          ふと思ったことを書き殴っておく。 いわゆるナマモノと呼ばれるジャンルが二次創作にはあって、それは「現実の世界に存在する人物」を取り扱うことを意味する。 「YouTuberひき肉の夢小説」はこれに当たるもので、炎上したのは、”当人がそれを読んだらどう感じるのか”的な配慮が求められるジャンルだから。 「クラスメイトの男子同士を使って腐ったマンガを描く」「男性アイドルの腐った漫画を書く」みたいな文化は一昔からあり、ぼくは腐女子の恋人が所蔵していたジャニーズの某グループのBLマン

          「ひき肉の夢小説」「呪いの木札炎上」をみて感じる実在事象のエンタメ化とその難しさ

          ぽんぽこちゃんねるを見始めて1ヶ月半で投稿動画全視聴制覇した話

           ぽんぽこちゃんねるを視聴しはじめて、1ヶ月半。ぽんぽこ24なる24時間ぶっ通し企画の日までに全視聴制覇を成功させた記念に書きなぐる。そんな物書きモトタキです。  ぽんぽこちゃんねるとは、ぽんぽことピーナッツくんの二人のVTuberが運営するYouTubeチャンネルである。個人VTuberと呼ばれる存在で、VTuberでありながら甲賀流CG(実写映像)もふんだんに使うスタイルであり、二人とも着ぐるみの姿でゆるキャラグランプリ王者に輝いた経歴がある。  2018年2月2日に

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          鋸挽とネットリンチ

          江戸のもっとも残虐な刑罰に「鋸挽」(のこぎりびき)と呼ばれるものがある。 峠に罪人を埋めて道行く人に「こいつこんな悪いことしました。鋸で挽いてやってください」みたいなことが書かれた紙と鋸が置かれるんだけど。 さすがにえげつなすぎて、なかなか挽くヒトが現れなかった、みたいな話。 鋸で挽くのはやっぱり手に感触が残るし、傷つける実感があって、心苦しい。さすがにそこまでいくとストレスを感じるのが人情。 でもネットリンチは、そうしたことから考えると、実際に手で殴るのと違う、キー

          鋸挽とネットリンチ

          『君たちはどう生きるか』で気になる「君生きバードの正体」

           サブカルライター・モトタキが、前情報一才出さないスタジオジブリ制作の映画『君たちはどう生きるか』を鑑賞。初見感想をネタバレごめんで書き殴る。てかネタバレなしで観てほしいから、観てないヒトは読まずに帰っていいよ。 結論「楽しかったけど物足りない」 ネタバレ無し、事前情報無しだからこそワクワク感は本当に良かった。初っ端からたっぷり割とリアルな疎開がはじまるので「うお、そっち系なの」みたいになったが、継母が異界入りして、それを追いかけてからは、ずっと冒険。  なんなら『不思議

          『君たちはどう生きるか』で気になる「君生きバードの正体」

          劇場版『オッドタクシー』のトゥルーエンド感の正体

          どうも、サブカルライターのモトタキです。2021年4月に放送され、いまもアマプラ限定配信されてる『オッドタクシー』。一部好事家の間で絶賛される作品の劇場版を観てきたのて、ネタバレ上等の映画語りでも書き殴っていく。 そもそもオッドタクシーってどんなん?タクシー運転手が、練馬女子高生失踪事件に巻き込まれていく、サスペンスとでもいうべきか。ミステリーに分類すべきか。 見た目は『ビースターズ』のような動物人間たちのお話なのだが、あの作品のように動物的特徴が特にあるわけでもなく、た

          劇場版『オッドタクシー』のトゥルーエンド感の正体