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コロンビア 産地旅行記②

8年前に「コロンビアマイルドコーヒー鑑定士」とよばれる資格取得のために、約3週間コロンビアに滞在したときのことを記載していきます。今回は第2段として「産地研修」に行った際の出来事を書きます。よければ①もご覧いただければと思います。


産地研修の開始

FNC(コロンビア国立コーヒー生産者連合会)による講義を首都ボゴタにて2日間受けたのち、ボゴタから北東に位置するコーヒー産地マニサレスに飛行機で移動。コロンビアの女性は美女が多く、この飛行機のCAさんが衝撃的なほど美人だったので、写真を撮ってもらったのはいい思い出。マニサレスはコロンビアの主要生産地カルダス県の中でも土壌が肥沃なため多くのコーヒー農園があり、急こう配の生産地が多いコロンビアの中でも特に顕著な場所。コロンビアは年間生産量が世界のベスト4に常時入るほどの大生産国ではありますが、その実は3ヘクタールに満たない小規模農家が約85%です。これらの農家のうち、FNCが推薦する「ドン・セグンド農園」にて実地研修を行いました。

収穫実習

訪問した時期がちょうどコーヒーの収穫時期なので、収穫実習を行うことに。ブラジルのような大生産国では広大な平坦な大地で栽培しているため、機械がコーヒーの木を揺らしながら実を収穫していくのですが、コロンビアの産地は急こう配で機械が入ることができないため、農家のほとんどが1粒ずつ実を収穫していくのです。裕福な農家だと、掃除機のような形態をした機械で木を1本ずつ揺らして収穫する機械を持っているのですが、ほとんどがそうではありません。農園主からコーヒーの収穫タイミングや、赤く完熟した果実のみを収穫するようにと指導を受け、カゴを背負い収穫作業を30分ほど行いました。今でも忘れませんが、私はそこで小学生ほどの農園主の娘さんに猛烈に注意をうけました。「Toma el rojo en serio!!(赤い実だけちゃんと取りなさい!!)」「No temes demasiado rojo!!(赤すぎるのは過完熟だからカゴにいれるな!!)」「No dejes caer la fruta!!(実を地面に落とすな!!)」とスペイン語のわかる私に鬼気迫る勢いで注意されました。もちろん真面目にしていたつもりでしたが、私含め研修にきて農園のコーヒーを収穫する日本人たちがどこかヘラヘラやっているように見えたのだと思います。彼女はこの年齢で「赤い実以外を収穫すると、品質が落ちてしまう事」、「赤すぎる(完熟しすぎた)実は発酵して風味を損なう可能性があること」、「地面に落ちた実は土壌菌におかされる可能性があるため使用できないこと」 、

そしてこれら全ての事がコーヒーの買い取り価格を下げ、農園の存続つまりは一家の暮らしを危うくすることを意識しているのです。

観光者気分で彼らの生活の一部に踏み込んだことを猛省しました。彼女に謝り、他の参加者たちにも内容を伝えてしばらく収穫を続けました。収穫が終わった休憩時間に彼女はニコっと微笑んでくれたので、日本で購入した成城石井の手巻き納豆をあげると「Bueno!(うまい!)」と喜んでくれました。その後彼女の弟に連れられ、記念植樹を行い「いつの日か収穫に来てね。」と言われて感動したのを鮮明に覚えています。私にとっては初めての農園訪問だったのですが、最初に来た農園がここで良かったと心から思いました。

弟姉

農園主にサヨナラを

研修も終わり、農園を去るときに農園主に日本のお土産をプレゼントしたかったのですが、リュックにはお菓子以外のお土産が他の人にプレゼントする予定の日本の漢字がプリントしたとっておきのTシャツしかなく、「どうしよう・・?」と迷った結果それをプレゼントすることにしました。農園主の方は「グラシアス!!」と非常に喜んでいました。帰国後、一緒にツアーに参加した方がこの農園のコーヒーを使用したいとのことで、買い付けをすることになったのでFNCを通じて農園主が娘たちと一緒撮った写真と感謝の文章が送られてきました。彼は満面の笑みで私がプレゼントしたTシャツを着ていました。











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いつか謝りたい。➡その③に続く・・・。

通販サイトやってます( ;∀;)

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