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英語で意図が正しく伝わらない?よくある表現の落とし穴
自分が使う英語がひょっとしてその場に合ったものではないかも。あるいは自分が意図したようには伝わってないかも。こんなこと思ったことありませんか?
今日は日本人がよくやる落とし穴をあげますので、チェックしてみてはいかがでしょう。
●「私もです」
A: I like listening to rock and roll music.
(ロックを聴くのが好きです)
B: 1. Me too. 2. So do I.
解説:「私も」という時、 1.のMe too!は頻繁に使うと子供っぽく聞こえますので、公的な場では何回も使わないほうが無難です。代わりに2.のような、So……I.の倒置形を使うとぐっと大人っぽくなります。
相手の発言の動詞、助動詞にあわせて、例えば、
A: I've been to New York.
B: So have I.
A: I can sing well.
B: So can I.
といった具合になるので、相手の言う動詞や助動詞に注意を払っておく必要があります。その分、認知的な負荷がかかるので、大人ぽっく響くわけです。
●「(別れ際の)では、また」
1. See you again. 2. Catch you later. 3. Nice talking to you.
解説:別れ際に日本人がよく使う1. See you again.は「これ以降、しばらく会えない。ひょっとしたらもう二度と会えないかもしれない」というニュアンス。「いつかまたお会いできれば」ということです。
別れの定番あいさつはSee you.ですが、I’ll をつけてI’ll see you.とするとフォーマル度があがります。 2. は親しい人との別れ時に使うすごくくだけた表現。3. 相手と楽しく話せたというのも別れのセリフとして使えます。It’sをつけてIt’s been nice talking to you.とするとさらにフォーマル度がアップします。
●「頑張ります」
1. I'll do my best. 2. I’ll give it my best shot. 3. I won’t let you down.
解説:「頑張ります」と言いたい時、1.のI’ll do my best.は「やるだけはやってみますが、結果をだせるかどうかは約束できません」のようにどちらかと言えば「とりあえずやる」のような後ろ向きのニュアンス。日本語の「全力を尽くして頑張ります」とは微妙に異なるので使うときは注意しましょう。
2. shotは口語で「試み」という意味があり、give it my best shot「それに最高の試みを与える」ということで「結果はどうなるかわからないが全力で頑張る」という意味に。かなり口語的です。
3. 非常に前向きな英語的な言い回しです。ビジネスの場で使えばやる気が伝わり好印象を与えることができます。ただし、こう言っておいて失敗したときは目も当てられませんが。無難なのはI'll work hard.です。私の好きな言い方にI'll give it all I've got.というのがあります。「自分が持てるすべてを出します」というもの。語調もリズムがあっていいですね。
●「今夜は遠慮しておきます」
A: Do you want to join us for dinner tonight?
(今夜、夕食一緒はどう?)
B: 1. No, not tonight. 2. I wish I could, but…
解説:1.だとストレートすぎます。よほど気心が知れてないとだめですね。2.はbutの後に理由を述べるのが普通です。I have other plans.(他に予定があるんです)など。そしてMaybe next time.(また次ね)という流れが定番です。Thank you for asking but....(誘ってくれてありがとう、でも)とまず言ってからのほうが、大人の対応です。
●「今、ちょっと時間いい」
1. You got a minute? 2. Is it a good time to talk? 3. Can we talk now?
解説:今、話しても大丈夫かを聞きたいときの定番フレーズ。主語がyou→itと変わり直接性が抜ける分、丁寧度が上がります。
1. くだけた言い方でHave you got a minute?のhaveが省略された形。もっと短くしたGot a minute?という言い方もあります。「1分だけ時間ある?」のa minuteは短い時間というニュアンスです。気心の知れた人に。
2. 「今、話しても大丈夫」と相手を気遣った表現。思いやりが感じられ、日本人好みと言えます。3. Can we talk now?は、Can we….?とすることで、聞き手も巻き込み心理的距離感を減らし一体感や連帯感を作り上げる効果があります。その分相手にはやさしく響きます。
●様子がおかしい相手に「どうかしたの?」
1. What’s the matter with you?
2. What’s the matter?
3. Is everything all right?
1.のWhat’s the matter with you?は、with youをつけて言うと、口調によって「いったいどうしたって言うの?」「何かえらいことでもしでかしたの?」のように驚きや、相手を非難する意味があります。思いやりとは限らないので要注意です。普通はつけません。そのため2.なら大丈夫。
3. 相手を気遣い「大丈夫ですか?」「何か問題はないですか?」という時に使えます。なおレストランで担当テーブルのお客に向ってウエイトレスやウエイターが「何か御用はありませんか」と尋ねる決まり文句でもあります。How's everything?と同じ。
このように会話のテキストで覚えた表現も微妙なニュアンスの違いがあります。意図とは違う風に伝わるのだけは避けたいものです。