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英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(46)
久しぶりに洋楽に戻りましょう。今日は軽快なテンポの曲です。イギリスのバンド、
プリテンダーズさん
のヒット曲、
Don’t get me wrong
この曲は、アルバム『ゲット・クロース』(1986年)からのシングル・ヒット曲で日本のテレビ番組『情報プレゼンター とくダネ!』でも使用されてました。またマイケル・キートンさん主演の映画「Gung ho」でも使われ一躍注目されました。
テレビのオープニングに使われるくらいなので、日本人好みの曲かと。さわやかなテンポで思わずのっちゃいますね。
で、今日はタイトルのDon't get me wrong.(誤解しないで)を深堀しましょう。特に動詞getは口語英語の王様と言えるくらい頻出で意味も多義に渡ります。以前、このnote記事でも何回かに渡ってご紹介しました。
getは「ある状態を得る、獲得する」ということに焦点が当たっています。そこには通常「変化」も感じています。このタイトルならDon't get [I am wrong]という情報構造です。「<私が間違っているという状態を>得ないで」、つまり「わたしのことを間違って取らないで」→「私を誤解しないで」ということです。
よく遅くなったので「家まで送っていくよ」とその場で決めた時にもI'll get you home.と言います。これもI'll get [you are (at) home].で「あなたが家にいる状態を獲得します」つまり「家にいない状態」から「家にいる状態」変化を引き起こすという構造です。
では、He got me into trouble.はどうでしょう?He got [I'm into toruble].ということで、「私が苦境に陥る」ことを彼が引き起こした。「苦境にいない状態」から「苦境に陥っていく状態」を引き起こした、つまり「彼のおかげでトラブルに巻き込まれた」ということです。
さらにI'll get you a flight next month.なら?これは「来月の飛行機予約してあげるよ」です。この場合はI'll get [you have a flight next month]というのが構造になります。「あなたが来月の飛行機を予約している」という状態を私が引き起こします、ということです。
このようにgetには、その後ろの目的語(人)と補語や前置詞句の関係が、be(存在)とhave(所有)のどちらかを使って表すことができます。「ある・いる」という関係のときはbe動詞で、それ以外の時はhaveになります。ちょっと難しくなってきたのでこの辺にしておきます。
ちなみにこのDon't get me wrong.は、会話では前に自分が言った発言に対して、「そういう意味で言ったんじゃないから、勘違いしないでね」と発言を誤って取られないよう防波線を張るような時にもよく使われます。
さてさて私、この曲を聴くといつも映画「Gung ho」を思い出しちゃうんですよね。お約束のような日本と日本人のステレオタイプが出てきて、最後は、これまたお約束のように日米が力を合わせてサクセスストーリーという展開です。
この映画は80年代のバブル期の日本を取り上げ、日米貿易摩擦をテーマにしたコメディ映画です。
当時、アメリカでヒットしましたが、日本人や日本文化に対する誤解や偏見が極端すぎたため賛否両論がありました。よくある日本の間違ったイメージを意図的に取り込んだ映画と言われ、作品の大筋は「労働者 vs 管理職」、「地元 vs よそ者」の対立というお約束の展開で、エンディングはみんな和解して仲良くお互い頑張ったね、で締めているものです。
ハリウッド映画では変な東洋人(日本人)役であちこち引っ張りだこだったKaz役の日系人ゲディ・ワタナベも出演しています。映画では、怪しい英語をしゃべってますが、本当はアメリカユタ州出身のネィティヴスピーカーなんですけどね。
※ gung ho(ガン・ホー)とは、元々は中国語の「工合」(gōnghé)から来た言葉で、「協力」や「協同」を意味します。この言葉が英語に取り入れられ、「やる気満々な」「意気込んでいる」という意味で使われるようになりました。物事に対して非常に積極的または熱心な態度を示す時に使われます。
My wife is gung ho about going out this weekend, but I’m too tired.
妻は今週末遊びに行くことにすごく乗り気だけど、俺はちょっと疲れたな。
I wasn’t sure about joining the drinking party, but after talking to Ken,
I’m totally gung ho about it.
飲み会に行くかどうか迷ってたけど、ケンと話したらすっかり乗り気に
なっちゃった。