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懐かしのラジオ英語番組! 『百万人の英語』を振り返る

50代より上の方には、馴染みがあると思いますが、昔、ラジオで
百万人の英語」(English for millions)という番組をやっていました。

日本英語教育協会がスポンサーで、小林克也氏、ハイディ矢野氏、早見優さんと講師もバラエティ豊かで毎日変わるという当時としては珍しい番組でした。

NHKのラジオ英語講座のような堅くるしさがなく、カジュアルでとっつきやすいコンテンツだったのが魅力でした。この番組で英語を勉強したという人もいるでしょう。何を隠そうって隠す必要もないんですが、私もその一人。

今日はその番組で講師の一人を務めていた

            國弘正雄氏

を取り上げます。

「百万人の英語」では、國弘氏の講座は敷居が高く、内容もかなり知的で高度だったので、当時の私では歯が立たずどちらかというとfaithful listenerではありませんでした。むしろ敬遠していたくらいです。

ですが、のちに数十年が経ち、今、英語と深くかかわる様になって氏の英語でのインタビューを耳にした時、なんて格調の高い英語なんだろうと思いました。文字として書かれたような書き言葉体で、時に漢文調の歯ごたえを感じさせるような高貴な英語です。出るところに出た時、こんな英語が話せたら、逆に今の時代だからこそ一目置かれるだろうなと。

ここに今は亡き第22代駐日アメリカ大使のマイク・マンスフィールド氏との対談インタビュー(The "Era of the Pacific" is now coming)があります。ぜひ、そのやり取りを聞いてみてください。


出だしで、國弘氏は日本を含むアジアのことをthis part of the worldと表現していますね。まだまだアメリカ大国時代で、日本を含むアジアは極東地域というFar Eastの感覚だったのでしょうか。ちょうどJapan as No.1と日本の台頭が叫ばれる少し前の時代だったのですが。

2:37~
I believe this is my 37th year on a leave-of-absence status after teaching there for 10 years.

これには國弘氏同様、私も笑ってしまいました。休職許可を37年ももらってるって。しかもいつでも戻れる場があるというのは羨ましい限りです。

2:53~
Seriously, as a result of your acquaintance with this part of the world of long years standing,

この辺り話し言葉というよりまさに書き言葉です。

5:17~
You have advocated all along that the "Era of the Pacific" is upon us. And in fact recently in your Hawaii speech, you dwelt upon this theme also.

onの代わりにuponを使う辺りもフォーマルさを感じます。

5:41~
Allow me for my candor and frankness in asking you this question.
(このぶしつけな質問をお許しいただきたいのですが)

これはぜひ私も真似てみたいと思った表現でした。こういった表現を使うインタビュアーを見たことがありません。堅いと言えば堅いですが、相手に敬意を表していることがよく伝わる英語です。

とまーこんな感じで、いぶし銀のインタビューが続きます。

この記事の写真として挙げた著作で「ぼくは、チイチイパッパ英語からいち早く足抜けし、成人としての内容を伴った英語に触れることの大切さを訴え続けてきた」と述べています。

今は巷にあふれる英語教材や動画など、学習教材は多様で数も増えてはいるものの、未だにこの時代の「チイチイパッパ英語」とそう変わっていないような気がするのは私だけでしょうか。

こういった骨太で歯ごたえのある英語番組や教材が本当はもっと必要なのに...............。なんだかなー。


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