水曜日に彼女は死んだ。
水曜日を待つ。
少しずつ待つ。
木曜日の大根はまぁ苦かった。
ひとりの男の子に返事をすることをやめた。
気づくでしょう?
金曜日の牛乳には膜がはり続けていた。
仕事だけをずっとしていることもある。
分かるでしょう?
まだまだ遠い水曜日。
「水曜日に彼女は死んだ」
そう願ってはいないのだ。
土曜日の宇宙から届くメッセージ。
送り返した言葉に嫌気がさしてサリンジャー。
いいでしょう?
日曜日の足元には何匹もの白蛇が巻き付いていた。
こちらをじっと見上げて乳房を狙っていた。
全てを手離さなければ吸い取られてしまうかもしれない。唯一褒められたであろうこの乳房を守らなければ。わたしは、彼らの一般的な幸せとやらの本質に向かうため、少しずつ手離すというより捨てた。乳房を狙うのならば誰だっていいはずなのだから。
そうでしょ?!
すれば、
月曜日にはゆっくりと彼だけが残っていた。
ゆっくりと進みながら気付けば数ヶ月のゆっくりを迎えていた。マイペースというのだろうか、彼は乳房にはりついていた。ミルクの膜よりは薄く、
知らぬうちに網戸の隙間から白蛇は
「にょろろ」と言い去った。
あぁ、あれはB型の水瓶座daと思った。
「にょろろ」というのはそういうものだった。
近いよで遠い水曜日まで。
生きるか死ぬか。
続くか続かないか。
彼はひっそりと自分の「朗読会」があることを知らせた。誘わないから行きたいと言った。「朗読会」それはそれは「朗読会」どころか、、素敵なもてなし。
彼の姿は柱と同化し見えやしなかったが、老紳士役だと分かったし、ブラックボックスのリーダーということも分かった。
なんというすてきな火曜日だろう。
楽しむことを置き去りにしてきたわたしは
じわじわ舞い上がる心の、その感じに、
そろそろ何かを信用して心を躍らせていいのかもしれないと思うように願った。
水曜日、彼女は生きていた。
手のひらには小さな白蛇が眠っていた。
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