不必要な黄色いミモザ
それぞれに人生のかいもく見当もつかない
幸福と不幸と困難さと退屈さを生きる。
其れぞれにぴったりの名前がある。
たとえば、
『不必要な黄色いミモザ』
小ふりのリボンがついた行き場を失ったプレゼント
数日後にはメ⚪︎カリにて
【訳あり!格安】人にあげようとしてやっぱりやめたプレゼント⭐︎中見はけっこう高めなランチ程度の美品
として出品予定である。
タイトル文字数オーバーで引っかかるかもしれないが
幸福と不幸と困難さと退屈さを象徴するにはよき題名
はたまた、太郎と名前を付けるとする。
その子は太郎のサイズの人生の幸福と不幸と~
生きる。
ロシア風ならアンナやらエカテリーナやら
中国風ならチェンやらホーやらフーやらを。
みな人生の幸福と不幸と困難さと退屈さを生きる。
加えて愚かさとやらもあるのかしらぁ、ね?
メンヘラ女が大好きな芸術家気取りのチリチリ頭の坊やとナイフをいくつも持ってるみたいな死にたがりの猫オンナ。
タバコの匂いがする船場上のスタンド舞台に
酔いしれたとにかくダッサイ男女の話しよ。
そういった男女は、
光り輝く愚かさを選択しなければいけない。
かわいい本物の子猫やウサギには
みぃだのミケだのおはぎだの
とっておきの名前をつける。
彼女たちの困難さはいかに。
ちゅ~るをなかなか与えない飼い主に嫌気がさし
おはぎは未来に女の子として生まれ変わるため、
結果として脱走を計るのだ。
要はなんだっていい。
その子たちのサイズにジャストでフィットすれば。
十分に
人生の幸福と不幸と困難さと退屈さを生きているし
生きてきた。
遠くのお城から
火傷しそうに熱いホットドッグを頬張りながら
コーヒーを飲む『わたし』といえば、
さくらんぼ色の唇を退屈だと奪ったやつらに
発砲のお仕置きをする準備を整えている。
ったく、わたしを誰だと思ってんのよ。
『わたし』の人生の幸福と不幸と~
介入してくんじゃねーよ。
まぁ、ま、ま、
大切なのは『わたし』に
ジャストでフィットしていればいーか。
ほしいのは柔らかい空気、愛らしい仕草。
甘すぎる胡桃のケーキとあのこの瞳と温もり。
とってもいい匂いがする。
その匂いに誘われて発砲ちゅーし。
螺旋階段を駆け降りる準備をする。
髪を梳かす。
遠い昔昔、まだウサギだった頃に帰るため
長い髪の毛を切るのは先延ばしにしました。
飛び跳ねるために。
名前は、そうね、
ツインテールの可愛いミモザちゃん。
いってきまーす。
ぴょん!