霊峰望む台地で古に思いを馳せる
2週間ほど前に神奈川県相模原市のJR相模線下溝駅周辺の神社巡りと散策をしてきました。神奈川県の山というと僕は真っ先に霊峰の大山を思い浮かべ、地元の八王子からも角度は違いますが見ることが出来ます。そんな大山を望む台地の散歩写真を投稿したいと思います。
■JR相模線下溝駅から石楯尾神社へ
鳩川と道保川合流付近で遠くには大山が見えています。どんど焼きの準備中の様子でした。
JR相模線下溝駅近くの道保川いこいの場にて
石楯尾神社鳥居
石楯尾神社拝殿
石楯尾神社境内にて
石楯尾神社参道の階段
石楯尾神社御神木
石楯尾神社鳥居。奥に大山が見えました。
JR相模線下溝駅を降り散策しながら磯部勝坂地区の石楯尾神社(いわたておじんじゃ)に向かいました。下溝駅からは約1.6km徒歩20分程の場所になります。
羽黒山と呼ばれる木々に覆われた小高い山の頂に鎮座し、創建年代は不詳でかつては羽黒山大権現と呼ばれていたそうです。明治に入ってから石楯尾神社と改称されご祭神は大己貴命です。
長い参道の階段を登りつめると拝殿に到着します。誰もいない静かな境内でしたが後から一人の方が参拝に見えました。やはり地元の方の参拝している姿を見ると大切にされているんだなと安心しますね。
参拝を終え鳥居の前まで戻ると後方には大山が姿を見せていました。
■勝坂遺跡と有鹿神社本宮
勝坂遺跡(縄文時代)の復元住居
住居跡の復元敷石
有鹿神社本宮
有鹿神社本宮向かって左手の斜面からは水が湧きだしています。
有鹿神社本宮湧水の流れ
勝坂遺跡公園の遊歩道
石楯尾神社の次に向かったのは勝坂遺跡公園です。石楯尾神社とは谷を挟んだ向かいの台地上に約5000年前の縄文集落があった場所です。現在は史跡公園として綺麗に整備され、2基の住居と敷石跡などが復元されています。
2基の住居のうち1基は住居内に入れないように入り口が塞がれていましたがもう1基は内部も見学することが出来ました。
縄文集落の台地から斜面を下って行くと有鹿神社(あるかじんじゃ)本宮が鎮座し、神社脇からは幾筋もの水が湧き出ています。この場所に神社が出来る遥か以前には縄文人の生活用水として利用されていたのでしょうね。また祈りの場でもあったかもしれません。
有鹿神社(あるかじんじゃ)とは変わった名前ですが、この辺りから海老名市辺りにかけてかつて有鹿郷と呼ばれていたそうで、奈良時代には相模國国分寺が置かれるなど大変長い歴史のある地域です。
有鹿神社本宮のご祭神は有鹿比女命という古事記や日本書紀には登場しない神様がお祀りされていますが、調べてみると水に関係する神様のようですね。
現在でも幾筋もの水が湧き出ていることや現在でも周囲には広大な田園風景が見られることなど、水の神様がお祀りされているのも納得です。
■磯部八幡宮から相模川へ
磯部八幡宮拝殿
磯部八幡宮鳥居の先に遠く大山や丹沢の山並みを望む
磯部八幡宮鳥居
磯部八幡宮から西へ500mほど歩き相模川に出る
相模川に浮かぶ小舟
相模川の風景
三段の滝展望広場からの相模川と大山の眺め
勝坂遺跡公園の次は磯部八幡宮へ訪れました。遺跡公園からはJR相模線を渡って5分程だったと思います。台地の端に当たる高台に鎮座し鳥居の先には家並みの向こうに大山や丹沢の山々がよく見えました。
創建年代は不詳ですが境内には多くの境内社や樹齢500年と云われる大銀杏などがあり、この地域の鎮守神社として愛されてきたのだろうと想像されます。
また境内社の三社神社には大山阿夫利神社も祀られており遠い昔から大山は祈りのお山であったのでしょうね。
磯部八幡宮から西へ500mほど行くと相模川に出ます。富士五湖の山中湖から流れ出し、相模湖や津久井湖そして相模の台地を流れ相模湾へ注ぐとても大きな川です。
川沿いには遊歩道があり美しい冬の川景色を眺めながら散策を楽しみました。ところどころで小舟が係留されていて、その様子を見ると縄文時代の人もここまで鮎などの川魚を獲りに来ていたのかもと想像が膨らみます。
その後、下溝駅から近い三段の滝展望広場で相模川と大山の雄大な風景を眺めこの日の散策を終えました。