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書籍「シン・コミュニティマーケティング」の発売前考察

現在、書籍「シン・コミュニティマーケティング」 by CNP出版部が予約販売中です。

私は、企画に携わっていないので、内容については、Amazonページに記載している内容しか把握していません。

Ninja DAOというweb3系ディスコードコミュニティに所属しているメンバーが手分けして執筆したとのことです。

組織(会社)の時代→個人の時代→コミュニティの時代という話は、随所で語られていますが、これは、抗うことのできない時代の流れと思います。

コミュニティ自体は、web3に特有なものではなく、オンラインサロン(これを広義のコミュニティと捉えるか、コミュニティとの対立概念で捉えるかは立場による)は従来より存在しています。

コミュニティのビジネス活用の成功事例としては、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)が日本進出の際、広告展開する代わりにユーザーコミュニティに着目し、コミュニティドリブンで市場浸透に成功した事例が有名です。

以下、Amazonページの本書に関する紹介文です。

この本を手に取ったあなたは、おそらく「シン・コミュニティマーケティング」という言葉に戸惑ったことだろう。

本書では、Web3コミュニティを通じたマーケティングを、そう呼んでいる。「シン」という語を冠したのは、新しい集団とともに創り上げる、新しい時代のコミュニティマーケティングだからだ。

Web3コミュニティはさまざまな側面から説明、理解されるべき多面的な集団だ。それゆえ一言で表現するのが難しい。しかし、あえて大胆に一文で説明するなら「時代の要請と技術が生み出した、新コミュニティ」だ。

続けて、以下3点を特徴として挙げています。

  1. Web3コミュニティは熱狂的だ。ある目標に向かって、メンバーが一致団結して強力に推進する力がある。

  2. Web3コミュニティは効率的だ。メンバーを疑う必要がほぼなく、全員が目標に向かって集中できる。

  3. Web3コミュニティを支えるのはブロックチェーンの技術とその思想だ。ブロックチェーンがなければ、これほどの熱狂も効率も生まれないだろう。

私自身、2022年以降、web3コミュニティに関わって来ました。NFTコミュニティと表現する方が適切かも知れません。

そして、2023年以降、NFTバブル崩壊を機に、NFTそのもではなく、ここに集まった人々、要するにコミュニティこそが最大の資産なのではとの考えで、コミュニティの事業化に取り組んで来ました。

主に、「ひと妻DAO」という既婚女性コミュニティをサポートする形で。詳細は、下記記事に整理していますので、興味ある方はご覧ください。

記事の中で解説していますが、web3コミュニティとは、ブロックチェーン以前に存在したティール組織に近く、ブロックチェーン技術と組み合わさることで生まれた、進化版ティール組織と定義するのが良い

という結論に至りました。

こちらの動画でも解説しているので、興味ある方はご覧ください。

ここで、先述のシン・コミュニティマーケティングで提唱されている3つの特徴に戻ります。

1点目の「熱狂的」、2点目の「効率的」に関しては、必ずしもweb3コミュニティの特徴ではないと考えます。

Ninja DAOに代表される「成功したコミュニティ」の特徴であり、必ずしもweb3だからではない。逆に言うと、ブロックチェーン以前の「成功したティール組織」においても、同じことが当てはまると思います。

そうすると、web3コミュニティたらしめている最大の特徴は、「ブロックチェーンの技術と思想」となります。

この中で、技術の部分は、コミュニティ自体がオンチェーン上にある訳でも、スマートコントラクトとトレジャリーウォレットですべてが自動実行される仕組みが実装されている訳でもありません。

ディスコードサーバー自体も、web2サービスです。トークン/NFT認証の仕組みを通じて、web3の世界と繋がっているというだけです。

そうなると、最も重要なのは「web3的思想を共有したメンバーが集い、活動している」という点ではないかと考えます。

web3コミュニティに集まった人々には、以下の共通する特徴がみられます。

  • 高い情報感度。

  • 好奇心が旺盛で新しいものを積極的に受容する姿勢(イノベーター気質/高いリスク許容度)。

  • 新しい文化を、先陣を切って定着させようとする気概。

  • 優れたコミュニケーション能力。

  • Give(他人の役に立ちたい)の精神に富む。

更に、実際に活動して、特に強く感じたのが、「能力・意欲はあるが、既存の実社会では、上手に適応できなかった人たち」が多いという印象。

実社会は、肩書、外見、出自、勤務時間、忠誠心といったものが重んじられ、それらを持たない人々は、そもそも土俵に登れない。あるいは、特に大きな組織では、規律や秩序が重んじられる為、リスクが許容されず、慎重なタイプが重宝される。

規則正しい生活が苦手なクリエイター気質の人、型にはまったタスクが苦手で常に新しいことをやりたがるイノベーター気質の人、良い人過ぎて世渡り上手な社内政治家に搾取される人。。

こういった人々にとって、web3コミュニティは、実に居心地が良いのです。「メンバーを疑う必要がほぼなく、全員が目標に向かって集中できる」というのは、同じような傷や痛みを抱えた人だからこそ、相手の痛みがわかり、無条件に信頼しあえるということ。

整理すると、
①仲間に対する絶対的な信頼。
②他人の欠点を指摘するのではなく長所を活かすという発想。
③そもそも似た価値観の人間が集まっているので居心地が良い。

ブロックチェーンというカウンターカルチャー的思想のフィルターを通して、上述の独特の文化が形成されたこと。

これこそが、「成功したweb3コミュニティの要諦である」と考えます。

本書の発売を機に、改めて思考の整理ができました。本書の到着が楽しみです。

■Ninja DAO創始者であるイケハヤ氏による解説記事

■DAOコミュニティの初期にメンバーの熱量・モチベーションを活性化させる方法

■ファンマーケティング関連のプレイリスト作成しました。


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マルセロ| 事業プロデューサー
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