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「Voicy辞めます」宣言が相次ぐ中、これを打開する打ち手を考えてみた(前編)
きっかけは、イケハヤさんのこちらの放送。
以下の3点を課題として指摘し、Voicyのサービス終了も視野に入れ、他のプラットフォームへの移行を検討中とのこと。
機能面での使い勝手の悪さ:特に音声ファイルのアップロードができないこと。現在、主流のクロスポストができない。この不便さとVoicyで配信するメリットを天秤にかけてパーソナリティーが離れていく(例:まなみさん)。
プラットフォームとして集客力が弱い:自身のチャンネルに限らず、各チャンネルの再生数が明らかに減っている。最盛期の半分近くに。
マネタイズできない:上述の集客力とも関連して、かけた工数に見合うマネタイズができない。Voicyで発信を継続する意義が見いだせない。
それを受けて、キングコングの西野さんが、こちらを発信。
プレミアム放送なので、詳細は控えますが、簡単に言うと、
工数に見合ったマネタイズができないことに関し、多くのパーソナリティはかねてより不満を持っていた。一方で、「挑戦しているスタートアップを応援しよう」という気持ちから、発信を継続してきた。
ところが、Voicyフェスに代表される近年の施策・打ち手がテイカー(搾取)と解釈されても仕方のない内容で、「このまま一生還元されないのでは」と不安が高まり、いつまでも応援し続けられないと、痺れを切らし始めた。
中でも、フェスには、これまでの歴史の淘汰で出来上がった型があるが、Voicyフェスは、それをガン無視しているので上手くいかない。その具体的な解説がとても勉強になるので、ご興味ある方は、是非、お聞きください。
フリーランスの学校代表のしゅうへいさんも、「パーソナリティーファースト」が掛け声だけで、形骸化しているのではと問題提起しています。
その放送に、このような辛辣なコメントも。
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私自身も、Voicyを熱心に聴いていたのは、2022年下半期、NFT市場が活況だった頃です。当時、NFTは情報戦で、新たにローンチされるコレクションの優先購入権(アローリスト)をいかに入手するかで勝負が決まるという特性があります。最新情報を聞き逃すまいと、イケハヤさんを始め、ファウンダーと呼ばれるコレクションオーナーの発信を軒並みフォローしていました。
私自身も、とあるコレクションの運営メンバーをしていたのですが、イケハヤさんとVoicyでコラボ放送を実施し、そこでプッシュしてもらった翌日に、ディスコードサーバーへの参加者が一挙に4,000人増えたことを経験しています。
しかも、内、3,000人がナイジェリア人というオチがつきます。NFTはグローバルで売買され、当時、日本のコレクションが世界でも注目されていました。恐らく、ナイジェリアのNFTコミュニティにイケハヤウォッチャーが居て、「今回は、このプロジェクトを推していたぞ」と情報共有していたものと思われます。国境を飛び越え、ナイジェリアにまで届いていたVoicy。
私は、この1年くらいVoicyを聴く頻度がめっきり減り、「市井の人の音声日記」が集積し、ライブやコメントを通じて活発に交流がなされているスタンドFMにシフトしました。
話をVoicyに戻します。前述の3名の方に共通するのが、みなさん、Voicyに恩義を感じていて、応援している。だからこそ、過去に様々な要望や提案をして来たが、それらが聞き入れられることはなかったという点。
西野さんは、「緒方さんは、頑固だから」(そこが魅力でもあるのだけれど)とはっきり言っています。
私は、ここが一番の問題なのでと感じています。ヘビーユーザーからの愛ある提案や苦言を受け入れないこと。もちろん、Voicy社としての戦略、優先順位があるので、すべてを受け入れることはできないし、その必要もない。
ただ、最低限でも、それらの提案・要望に対し「本件は対応検討中であるが、いつ頃になる予定」「本件はこのような理由で対応の予定はありません」と丁寧に対応すべきではないでしょうか?
この一連の騒動を受け、緒方さんが発信されている内容を改めて確認しました。
「誰でも気軽に音声発信できる世界を作りたい」という創業の志には、物凄く共感します。それをポッドキャストが普及する以前、2016年から事業化されていた先見の明も素晴らしいです。
一方で、現在、突きつけられている課題は、「発信者が十分な見返りが得られ、魅力的な発信者が集まり、そこに多くのリスナーが引き寄せられ、プラットフォームとしても十分な利益が得られ、事業をサステナブルにするエコシステムの構築」です。
それを実現する財源は、結局、①受益者(利用者)負担、②広告収入、③行政からの補助金の3つしかありません。これらに対し、どの様にインセンティブ設計を行い、どう原資を引っ張ってくるか。
※出資は、将来のリターンを期待して、当座の資金を提供しているという役割であり、実質的な財源ではない。逆に、ここが途絶えると、即、存続不能となるので、超重要なファクターではありますが。
長くなってしまったので、具体的な提案は、後編で書かせて頂きます。
<後編は、こちら>
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<追記>
ユーザーからのフィードバックについて、まさに、前述のまなみさんが全く同じことを書かれていました。これは、想像以上にまずいですね。毎月アンケート実施していながら要望が取り入れられることもなければ、フィードバックも一切なし。聞く気がないなら、最初から、「我々は信念に基づいて運営しているので一切の要望は受けつけません」と宣言した方が良い。これの、どこがパーソナリティファーストなのかと突っ込まれても仕方のない状況と思います。
「アンケートの結果はこうでした、これを参考にしますね」とか、「アンケートの結果がこうだったということは、これがいいのかな?と思いました」みたいに、アンケートに答えてくださった方に何らかの形で反応を示すのが礼儀というか、普通だと思っているんです。
で、つまり。
voicyも毎月アンケートを取るなら、例えば「こういう意見があって、これについては検討していきたい」とか、「これに関しては、大変満足と答えた人が多かったです」みたいな結果をシェアするとか何らかのアクションがほしかったなと思います。
アンケートを取る→それに対して答える人がいるわけで、その答えた人に対して、アンケートを実施した側が何を返すか・・・というのは結構大事だと思うんです。
アンケートに答える人たち(回答者側)は、自分の意見が反映されるかな?とある程度期待を持ってアンケートに答えるわけですからね。
アンケートとったあともノータッチなら、そもそも実施しないほうがいいかな、と思ったりします。
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