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ビジネスで成功する上で欠かせないメンターとスポンサーについて

先日、ご紹介した書籍「リーンイン」シェリル・サンドバーグ著の解説記事の中で、シェリルがメンターとスポンサーについて解説している部分を取り上げました。

ビジネスで成功する上でメンターとスポンサーの存在が重要と言われています。ちなみに、サンドバーグ氏は、下記の通りメンターとスポンサーの違いを簡潔に説明しています。

メンターはアドバイスをしてくれる人、スポンサーは影響力を行使して紹介や推薦をしてくれる人。

私なりに調べて、もう少し詳しく解説すると以下の通り。

■メンター

メンターは経験豊富な個人が、キャリアの初期段階にある人に対してアドバイスや指導を行う役割を担います。彼らは、キャリアの選択肢やスキルの開発に関する知識を共有し、メンティが自分自身の道を切り開く手助けをします。メンターは、主に対話を通じてサポートを提供します。

■スポンサー

スポンサーは、メンティのキャリアを積極的に支援し、昇進や新しい機会を提供する役割を果たします。スポンサーは、組織内でのメンティの知名度を高め、重要な決定者に対してメンティの成果を推薦することで、キャリアの成長を促進します。スポンサーは、メンティのために部屋の外で話す存在であり、具体的な機会を提供することが特徴です。

先述のサンドバーグ氏は、著書の中で初対面の人に安易にメンターになってくださいと頼むべきでないと警鐘を鳴らしています。

私の例で言えば、講演をしたり会議に出席したりすると、必ず大勢の女性が自己紹介し、異口同音に私にメンターになってほしいと言う。

また、私の知っている女性役職者は、軒並みこの質問攻めに遭ったことがあり、その反応もみな同じだった。知らない人からメンターになってほしいと頼まれても、どう答えたらいいのか、困ってしまうというのである。若い聴衆と交流するのはうれしいことだが、この質問には当惑させられる。

メディア界に君臨し、あらゆる世代に教えを授けてきたと言ってよいオプラ・ウィンフリーでさえ、メンターになってほしいと頼まれるのは気持ちのよいものではないと語っている。私がメンターになるのは、誰かに目を留め、あの子が成長するのを見届けたいと思ったときだけ

考えてみれば、メンター熱を引き起こしたのは私たち自身だとも言える。この10年というもの、女性のキャリアセミナーといった催しではメンターやスポンサーが最大のテーマだったし、ブログ、新聞記事、調査報告といったものでもさかんに取り上げられた。

若い女性の多くは、出世の階段を上りたいならメンターとスポンサーの両方を見つける必要があると教えられてきたのである。

以下は「ビジョナリーカンパニーゼロ」ジムコリンズ著の中で、恩師であるビルラジアー氏のメンター感に触れた記述です。

人生は取引の連続と見ることもできるし、人間関係を構築するプロセスと見ることもできる。取引によって成功を手にすることはできるが、すばらしい人生をもたらすのは人間関係だけだ。

あるときビルにこんなことを言われた。すばらしい人間関係を見分ける方法はあるのですか?と私は尋ねた。ビルはしばし考えて、こう答えた。2人にこの関係でどちらのほうが得をしているのかと聞いて、両方が自分と答えるかどうかだ。

困惑した私は尋ねた。それはちょっと利己的では?

そんなことはない。それぞれが多くを与え合うので、どちらも豊かになった気がするんだとビルは説明した。ではジム、聞くがね、私たちの関係でどちらのほうが得をしていると思うかい?

それは言うまでもない、もちろん僕だ。あなたから本当に多くを受け取っているのだから。

そうだろう。私が言わんとしたのはそういうことだよ。私も同じ質問に対して、私だと答えるだろう。

そう言ってビルは微笑んだ。ビルのやり方がうまくいくのは、両方が私が言わんとしたのはそういうことだと言って何かを得るためではなく、与えるために、その関係に力を注ぐときだけだ。

ビルはまれにみる寛大なメンターだった。人生の最後の4分の1を、ビルは数百人の若者のメンターとして過ごした。ビルがメンターとなる相手や、メンタリングを続ける相手をどう選ぶのか、私は興味を持って見ていた。

ビルが手塩にかけたのは、メンタリングは人脈をつくる、ネットワーキングをするあるいはメンターに扉を開いてもらうためではないと理解している者だった。メンターあるいはメンティとなることは関係性であって取引ではない

ビルは私との長年にわたる友情から多くを得たと言ってくれたが、私はいつもビルのメンタリングから得るものが多すぎて、とても返しきれないと感じていた。

ビルの他のメンティーからも、同じような言葉を聞いた。ただ口には出さなかったが、ビルが私たち全員に求めていたことがある。自分のメンティーには、次の世代のメンターになるという好循環を生み出すことを期待していた。そうすることでメンター関係はメンターとメンティという2人の関係にとどまらず、両者が亡くなった後もずっと続いていくような広がりのある関係性のネットワークになる。

どちらの事例も、とても心に響きました。私自身も、長い会社人生の中でメンターやスポンサーとして(当時はスポンサーという言葉は知りませんでしたが)ふるまって来ました。対象は、社内に限らず。

それは、まさに取引ではなく関係性という説明が、もの凄くしっくり来ました。何か見返りを期待している訳ではない。その対象者に可能性を感じ、自分にはサポートを提供できる知識やネットワークがある。その対象者が成長し、成功することが純粋に嬉しい。

そして、まさに頼まれたからやるのではなく、こちらから見染めてやる。ある意味、頼まれてもいないのに。

そう考えると、成功にはメンターやスポンサーが必要であるが、それは自ら求めて獲得するものではない。発掘される必要がある。その、発掘される力こそが成功の大きな要件の1つではないかと思いを巡らせています。

■動画版は、こちら。


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マルセロ| 事業プロデューサー
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