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【書評】おいしい仕事術 SHIORI著

出版コンサルタント土井英司さんが運営されている書籍紹介メルマガ「ビジネスブックマラソン」。こちらで料理家のSHIORIさんの書籍が紹介されていました。

最初、土井さんのメルマガと料理家SHIORIさんが結びつかなかったのですが、今回は料理本ではなく、ビジネス書ということで納得。

22歳でベストセラーを生み、現在はインスタグラムで16.5万フォロワー、YouTubeで10万フォロワー、オンライン料理教室に約1万人の生徒を持つSHIORIさんが、そのビジネスの秘訣を公開。

そして、土井さんがプロデュースされたこんまりさんの『人生がときめく片づけの魔法』の大ヒットも、SHIORIさんの成功に一部、ヒントを得ているとのこと。

はっきり言って、女性で起業したい方は全員読むべき。そう言っても過言ではないほど、ビジネスの本質を突いた本でした。小難しい話は一切ないけれども、コンテンツ作り、集客の本質を書いた本ということで、著者や編集者にとっても、一読の価値があると思います。

と大絶賛です。

これはご本人にお知らせせねばと連絡したところ、逆にサイン入りの献本を頂いてしまいました。

SHIORIさんと言えば22歳の時に発売した「作ってあげたい彼ごはん」が大ヒット。シリーズ累計4百万部突破というシンデレラストーリーの持ち主。

当時は芸能事務所に所属し、タレントとしても大活躍。

ここだけ聞くと苦労知らずの成功者と思ってしまいそうですが、さにあらず。本書の中でも、22歳でレシピ本を出版すると決意して直前の2年間は、友達と遊ぶ時間も惜しんで料理の習得に全集中したことが語られています。

こちらの記述にもひたむきに努力を重ねるSHIORIさんの本質が見て取れます。

想像して実践して、相手の喜ぶ姿が嬉しくてまた想像して。そんなことを繰り返し、小さな成功体験を積み重ねることで、想像はより細部にわたるようになり、その感覚は研ぎ澄まされる。そうして想像力は鍛えられるのです。

自分の経験や価値観が想像力の支えとなるので、本を読んだり、旅をしたり、積極的に自分と異なる意見を持つ人と触れ合ったり。自分と違う世界や考え方を知り、受け入れ、日頃から意識的にその幅を広げることが大切です。

オンラインレッスンで最も要望の多かったハヤシライスは、紹介するまでなんと1年半も準備したとのこと。シチュー、グラタン、蟹クリームコロッケというソースの基本となるレッスンを先に組み込み足慣らし。

じっくり時間を掛けて飴色玉ねぎを作り、トマトのほのかな酸味とうま味を重ね、薄力粉とバターを焦がして作るブラウンソース。初期の頃からリクエストの多かったハヤシライスですが、いきなり紹介するにはハードルの高いメニューでした。そのため、1年半も前からその計画は密かに始動していたのです。

こちらの「長生きカルボナーラ」も母親としての自分の悩み・不満が活かされた事例。

息子が生まれ、自分の食べたいタイミングで食事がとれないことを思い知った私にとって、時間が経つと麺とソースがくっついてしまうカルボナーラの短命問題は深刻でした。時間差で食べ始めることの多いお母さんが最後までおいしく食べられるカルボナーラを作りたい。試作を重ね、カルボナーラの濃厚さは諦めずに10分経ってもおいしさが続く「長生きカルボナーラ」のレシピとネーミングは誕生しました。

そんなSHIORIさんの実践を通じて磨き上げられた集客の必勝法は説得力があります。

集客に必勝法があるとしたら、まずは体験した人が周りに勧めたくなる圧倒的な商品を用意すること。そして、その商品を最初に購入してくれたお客様を大切にすること。目の前のお客様に満足してもらうことがその商品の価値を高めてくれるのです。集客というと、まだ見ぬ遠くのお客様に目を向けがちですが、自分に近いところからじわじわと遠くへ広げていくイメージに切り替えてみてください。

本書には、

  • ビジネスパートナーに求める要素5選

  • オンライン料理教室のクレド10点

  • 運営スタッフ向けのクレド10点

等、実践的なノウハウも掲載されています。

「自分という軸を大切にしよう」(人と比べるのではなく、小さな一歩でも自分らしい成長を重ねていこう)。

「まず自分が最前列でこのコミュニティを楽しみ尽くす」

「自分にだからできるこのコミュニティへの関わり方を考え、実践する」

等、いくつか抜粋して紹介させて頂きました。

単にレシピが知りたいなら、無料で手に入るCookpadや短尺料理動画で十分。月額2,970円のオンライン料理教室に求める価値は、SHIORIさんの料理に込めた想いであったり、生き様であったり。これらの価値に共感する仲間達のコミュニティに所属する料金なのだと思います。

もちろん、こちらの記事に書かれている「わたしが長年大切にしている料理教室では、全工程を流れで見てもらい、ひとつひとつの作業の意味を説明する。レシピ本や差し替えだらけの料理番組ではカバーしきれない細かなあれこれが知れて、レシピの行間を読み解く力に繋がる」という実用的な価値もあります。

と夢中で読み進めていたら、いきなり私の同僚が登場してびっくり。しかも、SHIORIさんのコミュニケーション力を開花させた師匠として。

本質的で核心をついたことはズバズバ言う「ゆり姉」は、敵も作りやすいのですが、SHIORIさんには「吉」と出た様です。

「出会った頃のSHIORIちゃんは幾重もの鎧をまとっていた。メディア越に見るかわいらしさとは裏腹に、表情が乏しく笑顔もほとんど見せない。こちらに心を開いていないようで会話はごく表面的。深く噛み合うこともなかった」

当時、メディアに引っ張りだこの著名な料理家さんに、こんなド直球を投げ込んでいたとは(笑)。(←そもそも、ゆり姉にSHIORIさんを紹介したのは私なので、もしSHIORIさんが機嫌を損ねたりしたら連帯責任になっていたところ💦)。

「ゆり姉」をもっと知りたい方の為にご紹介まで。

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