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【書籍紹介】60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし 河野純子著

ビジネス書作家で「定年ひとり起業」の著者として有名な大杉潤さんがスタンドFMで激推しされているのを聞き、速攻で購入&読破しました。

大杉さんの放送は、こちら。

大杉さんが書かれた書評は、こちら。

著者の河野さんは、リクルートで「週刊住宅情報」(現SUMO)副編集長、「とらばーゆ」編集長を歴任後、住友商事に転身し新規事業開発に携わった後、53歳で独立。その後、ライフシフト・ジャパンの立ち上げに参画。

今回、60歳を迎えるにあたり、自身の試行錯誤が後進の女性たちの参考になればと本書を執筆されたとのことです。

現在はライフシフトジャパンのCMOとしても活躍されています。以前、ライフシフト実践者インタビュー企画で大杉さんを取材されたことがあり、本書籍にも大杉さんが登場します。

本書は、以下の5章構成。

1.60歳からの時間 人生100年時代のリアル。
2.私の60歳の迎え方 ジタバタした50代のその先に。
3.60歳からの仕事 「小さな仕事」を長く続ける。
4.60歳からの暮らし 健康、家族、住まい、つながり。
5.自分らしい60歳へ 「ライフシフトの法則」。

大杉さんの書籍紹介放送を聞いて、以下の2点が特に気になり購入しました。

  • 53歳で会社員卒業後、5年間にわたり自分探しの旅でジタバタした。

  • 33名のライフシフター(ライフシフト実践者)へのインタビューを通じて発見した4つの共通点である「ライフシフター4原則」を掲載。

自分探しの旅では、セブ島及び米ポートランドへの語学留学、慶応の大学院でソーシャルイノベーションを履修、個人事務所設立、ライフシフトジャパン設立を経験されたそうです。

まさに、後述の「5つのステージ」(心が騒ぐ、旅に出る、自分と出会う、学びつくす、主人公になる)を実践されたというところ。

■ライフシフト4原則

<第一法則>5つのステージを経てライフシフトが実践される。

①心が騒ぐ。
②旅に出る。
③自分と出会う。
④学びをつくす。
⑤主人公になる。

神話の基本構造である、①旅立ち、②試練、③帰還を彷彿させつつ、日本という国の文化特性、特に女性に課されたアンコンシャスバイアスが反映された整理と感じました。

世間体を過度に気にする文化背景。親世代の保守的な考え方(戦時のような苦労を子供にさせたくない)。高度経済成長期に形成された性役割分担。

これらにより、日本女性は「よき娘、よき妻、よき母であるべき」という考え方が無意識にインストールされ、自分軸で考えることや、世間の常識に反することを忌避する習慣に支配されていきます。

そんな生活を長年続けると、ステージ①の「心が騒ぐ。モヤモヤする」という感情を押し込めてしまう。更には、心のセンサーが反応しなくなってしまうという状態に陥ってしまいます。

著者は、「50代は第二の思春期」と提唱しています。心がざわついたら、まず、その感情を認める。思い切って、行動に出る(旅に出る)。旅先で起きる様々な出来事を受け入れる(自分と出会う)。そこで出会った新しい自分の心の声に忠実に学びを尽くす。結果、主人公マインドを獲得し、誰かのためではなく、自分のための人生を歩む一歩を踏み出す。

<第二法則>旅の仲間と交わる。

33人のライフシフターのインタビューを通じ、ライフシフトの物語には、共通して以下の7人のキャラクターが登場することが明らかになりました。

①使者:自分が大切にしたいものを気づかせてくれる。
②ともだち:目的地を目指して一緒に旅をしていく。
③支援者:前に進むために力を貸してくれる。
④師:ものの考え方やあるべき姿を説いてくれる。
⑤預言者:未来の社会や目指すべき生き方を唱える。
⑥寄贈者:目的地にたどり着くヒントやアイデアをもたらしてくれる。
⑦門番:前に進もうとするときに、その想いや意志の強さを問う。

実際にライフシフトの旅の途上の方は、「この人は使者だな」「この人は預言者だと」と答え合わせをしたり、「一緒に旅をするともだちを見つけねば」「このあたりで師が現れるはず」というガイドブックとしても使えそうです。

門番は、「夫ブロック」「嫁ブロック」「友人ブロック」が該当します。これは、主人公ロードを歩むには越えなければいけない関門。一方、本気度と覚悟が伝わり、理解を得られた後は、逆に支援者になってくれるケースも多いと著者は解説します。

<第三法則>自分の価値軸に気づく。

ライフシフトの核心は、ありたい自分に気づくこと。著者は、これまでライフシフター研究を通じて、「3つの視点、18の価値軸」という整理をされています。

■3つの視点

①社会価値:社会とどのように関わっていきたいのか、どんな分野で貢献したいのかという視点。
②個性価値:自身の価値観を大切にし、能力や個性を活かしたいという視点。
③生活価値:住む場所、時間の使い方、家族との関わり方という視点。

■18の価値軸

→ご興味ある方は、本書をお読みください。

<第四法則>変身資産を活かす。

変身資産とは、著者がライフシフトを志すきっかけとなった書籍「ライフシフト」リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著で提唱されている概念。

著者は、「変化の時代に必要な、変わるチカラ」と定義しています。

ライフシフト・ジャパンでは、人生に変化を起こす「心のアクセル10項目」というリストを作成。併せて、変化の歩みを止めてしまう「心のブレーキ10項目」も公開されています。

■心のアクセル10項目

①違和感センサー。
②社会へのまなざし。
③旅立つ勇気。
④スモールステップ。
⑤学びのひきだし。
⑥自己との対話。
⑦自分らしさの自覚。
⑧マルチリレーション。
⑨未来への期待。
⑩自己への信頼。

■心のブレーキ10項目

①年齢バイアス。
②ノットリリース。
③失敗する恐怖。
④対立からの逃避。
⑤過度な自己犠牲。
⑥集団への同調。
⑦完璧への執着。
⑧承認欲求の目的化。
⑨マニュアル依存。
⑩人生の委任。

→項目だけ見てもわかりにくいワードもあるかと思いますので、ご興味を持った方は、是非、本書をお読みください。

■動画版は、こちら。

■大杉潤さんの「定年ひとり起業」の紹介記事は、こちら。

■大杉潤さんの書評は、こちら。



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マルセロ| 事業プロデューサー
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