冨山氏は、旧産業再生機構の最高執行責任者としてカネボウ再生に辣腕を奮った後、大手企業の社外取締役や政府の各種委員会の委員としてもご活躍されています。
数々の企業再生の現場での経験を通じ、現在の日本企業が抱える病理に関し、鋭い指摘をされています。1960年代に確立した日本型経営モデルは、既に時代遅れになっているにも関わらず、従来のモデルに固執し、現在の環境に相応しい形に対応できていないと指摘します。
冨山氏は、経営を担うリーダー層の脆弱化が一番の問題であると指摘します。問題が起きた際、真っ先に責任を取らなければならないのが経営者。残念ながら、自分の地位や立場、保身などを第一に考える最も経営に向いていない人たちが経営を担ってしまったことが問題であると産業再生機構での実体験から指摘します。
冨山氏は、個々の経営者を責め立てることに意味はない。むしろ問題は、なぜこういう人たちが経営をする国になってしまったのか。 なぜこういう人たちを起用することが許される企業統治システムになってしまったのか。この点を考えなければ、問題の本質的な解決にはならないと指摘します。
そして、問題の根源は日本独特の会社幕藩体制による人材登用システムにあると論を展開します。
冨山氏は、日本は個々の人材は優秀で強い現場力を有する為、経営人材の再生、そして日本型経営の刷新がカギを握ると説きます。
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