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【書籍紹介】「50歳からは、これしかやらない」 大塚寿 著

本書は、シリーズ28万部のベストセラーとなった「40代を後悔しない50のリスト」の著者である元リクルートの大塚寿さんによる50代以降のキャリア戦略本です。

50代には無限の可能性がある。だから、悩む。

本書で一番言いたいことを要約するとこうなります。と本書は始まります。

定年後再雇用か、別会社に就職するか、はたまた起業か。定年を待たずして転職や起業の道を選ぶ人も増えています。もちろん、リタイアして趣味に生きることも、ボランティアで社会貢献を目指すことも、本人の自由。その気になればまったくゼロから新しい仕事を始めることも可能ですし、新たな知識を身につけることも十分に可能な年齢です。 おそらく、これほどまでに将来に対する選択肢が与えられているのは、学生時代以来ではないでしょうか。

一方で、世間の50代に対する風当たりは非常に厳しいものがあります。 50代が今の時代にキャッチアップしていくのは無理、働かないおじさん、おばさんが会社をダメにしている、いまだにバブルが忘れられない時代遅れの人たち。このような言葉がメディアを賑わせています。

また、大企業での早期退職制度導入のニュースがしばしば世間を騒がせていますが、その多くはダブついた50代が対象とされています。 さらに企業によっては役職定年という壁が立ちはだかります。55歳になったら部長以下は皆出向と決められている会社もあります。そのような中、どうやってやる気を出せばいいというのか。やりがいを失い、モチベーションダウンに至る50代も増えているそうです。

50代で後悔していることトップ10

  1. 定年後の人生設計をしておくべきだった。

  2. 仕事のモチベーションが沸かなくなった。

  3. 組織の名前ではないアイデンティティを確立できなかった。

  4. 新しい趣味が暇つぶしにしかならなかった。

  5. 働かないおじさん、おばさんになってしまった。

  6. 充電してから考えようと思考停止になっていた。

  7. 退職金、年金をもっともらえると思っていた。

  8. 低条件の再雇用に甘んじてしまった。

  9. やりたいこと、やりたくないことのバランスをとれなかった。

  10. 自分の可能性を過小評価していた。

50代のうちにやっておくべきこと10選

  1. 出世競争から早めに降りて会社に対する滅私奉公をやめる。これまで、十分に会社に尽くして来たのだから、この先は自分を優先する。

  2. 自分のこれまでの仕事の棚卸をする。所属組織の為だけでなく、自身の強みの発見や自己肯定感にも繋がる。

  3. 活動の場所を広げて複数のコミュニティーに所属し、定年後の居場所を確保しておく。

  4. お手伝い程度ならできるという、何でも少しづつできるマルチタスク能力を身につける。子会社に出向や中小企業に転職の際、広い守備範囲が求められる。

  5. 貪欲に新しい知識を吸収し、勉強し続ける。学びをやめると一気に老け込む

  6. 定年後の顧問契約や起業時の顧客化を見据えて戦略的に人脈を広げておく。50代は定年後に向けた根回しの時期。

  7. 意識的に若い人とのネットワークを広げておく。同世代で傷の舐めあいをするのではなく、若い人から新しい知識を吸収する。

  8. ヒエラルキーに頼らない接し方や会社の名刺に頼らない自分のプレゼンテーションの仕方をみがいておく。

  9. アウトドア型の趣味とインドア型の趣味の両方を実践する。アウトドア型だけだと健康を害した際に継続できなくなるので。

  10. 有事の際に備え税理士、弁護士との関係を作っておく。

会社勤めが長いビジネスパーソンは、何事も会社優先という会社人間から脱却するという意識を持つべきです。

思えばサラリーマンの人生というのは、会社に振り回される人生でもあります。辞令一つで時には海外にまで転勤を命じられ、人事評価というあいまいなものに振り回され、いくら自分が頑張ったところで、会社の業績が悪化すればボーナスの減額を余儀なくされる。

そうした組織の酸いも甘いも経験しながら、50代になればある程度の地位に就き、定年になれば十分な退職金がもらえる。それが昭和の時代の会社人間のゴールでした。

しかし、今は違います。役職定年の名のもとに管理職から引きずりおろされ、出向で別の会社にやっかい払いされることもしばしば。退職金も年金も、今のままでは十分とは言えない時代になっています。ならばと定年後再雇用で働き続けても、給与は大幅ダウン。

つまり、いくら会社第一と忠誠を誓ったところで、会社はもうあなたを守ってくれないのです。それでも40代までは会社に尽くすことで出世の道もひらけていましたが、50代になればその芽もなくなります。にもかかわらず、会社に滅私奉公し続けても、それは悲しい片思いに終わるだけです。

50代というのは会社という巨大なコミュニティーの一角を担う組織人から、再び一個人に戻る為のリハビリ期間であり、準備期間と捉えなさいというのが本書を通じた著者の主張となります。

まさに、定年後に後悔しない様、私自身もきっちり準備していきたいと思います。

動画版は、こちら。

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