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Ace Hotel Kyotoに仕組まれた5つの「デザイン」

先日GoToトラベルを利用して「Ace Hotel Kyoto」へ行ってきました。GoToトラベルが無効になるギリギリでいくことができ、ほとんど半額で泊まることができました。

私は本当に「ああ、、いいなぁ」と終始感じていたのですが、何がそう思わせ、その感情を生み出した「デザイン」(設計)はなんだったのか、とても抽象的な「いいなぁ」という感情をできるだけ論理的に考察して、5つにまとめてみました。

1. ホテルなのに文化のタッチポイントに。

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私のnoteではおなじみの、"「体験」を売っている"という大前提のもとです。(もう今やホテルは当たり前のことかもしれませんが。。)
ここAce Hotelは、体験というより「文化」のタッチポイントになっていたかもしれません。
何がそう思わせたかというと、「宿泊」という目的には絶対に必要のない物が常備されていたからです。ギターレコードプライヤー(+5つくらい、ランダムなレコード)です。

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レコードプレイヤーとギターが家にある人は、なかなかの音楽通だと思います。一般的な家庭にはわざわざレコードで音楽を聞くこともなければ、ギターを置いてたまに弾くなんておしゃれなことはあまりないでしょう。
AceHotelがレコードプレイヤーとギターを置いている本当の目的はわかりませんが、「音楽」というカルチャーに少しでも触れて欲しいというメッセージを感じました。レコードで聞く音はどこかデジタル音とは違う生感を感じ、弾けはしないのだけれどギターをオモムロに触ってみる。「音楽」という文化に触れる瞬間だと思います。
そんな、「宿泊」という本来のホテルの目的を超え、「文化に触れる」という「体験」に僕はお金を払ったんだと感じました。


2. ホテルなのに自然を感じる。

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私が一番最初に感動した点が、この「自然」を感じたという事でした。それも、「私たちは自然を感じるを売りにしています」という具体的なメッセージはなく、そこはかとなくそこに自然があるのです。
例えば、部屋は「木目」と「黒」「白」を基調とし、丸みを帯びた優しい間取り、すべてが合間って心を落ち着かせてくれます。
「白」というのは、清潔と明るいさ、「黒」は特別なものを内包している印象につながり、高級感を感じさせます。そしてこの2色は、木目調をしっっっっかりと際立たせ、私たちに最短距離で自然観を感じさせてくれます。

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そして、随所に「生地」を利用し、自然由来の温もりを感じたことも挙げられます。例えば、ソファは、木でできた枠に生地を置いているだけです。「あ、これでいいんだ」と感じました。
また、フロアマップも完全い生地でできており、文字をプリントするだけでなく、フロアの階層を生地で表現しています。

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こうした細かな、そして論理的な「デザイン」が、私たちの「感情」を掴むのだなと再確認しました。


3. ホテルなのにアートを感じる。

「文化」「自然」ときて、やはり「アート」です。
そう、このホテルは少しだけアートギャラリーとしての役割も担っています。
1Fの階段側に、ギャラリーが飾られています。私ははじめ、ホテルの内装としてずっと同じアートを飾っているのかと思いました。しかしよくよく見てみると、それらのアートはこのコロナ下でポジティブに前向きに、というメッセージ提起をしていました。ここで驚いたことは

・時代に合わせアートを変えている点
・しっかりと展示を見て考えさせる(しっかりとアートとしての問題提起)

という2点でした。 
この2点を兼ね備え、私が一番胸売ったのが、この老夫婦が今っぽいの格好をしたこのアートです。

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もちろん、このコロナ渦でpositiveにいようというメッセージだけでなく、どれだけ歳置いても、新しいことをずっと吸収していよう、という強いメッージ性を感じました。
まさかホテルでしっかりと「アート」を魅せられるとは思いませんでした。


4. ホテル、レストラン、カフェに一貫性がある。

この日の夜、Ace Hotel内にあるレストラン「Mr. Maurices italian」へ行きました。料理のクオリティもさることながら、私がここで驚いたのは、「一貫性」です。Ace Hotelの部屋から、ホテル内を歩いてたどり着いたとき、ずっと「Ace Hotelでの宿泊体験中」であることを切らすことなくいれたのです。
普通、よくあるホテル内のレストランは、それ単体で店を出しているかのように佇み、どこか暗黙の了解でホテルはホテル、レストランはレストランと割り切ってしまいがちです。
しかし、ここMr. Maurices italianは、ホテルの内装の木目と黒を基調とし、ホテルの延長としてのレストランとして佇んでいました。

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また、次の日の朝に行った、1Fフロントの側にある「Stumptown Coffee」もまた同じくです。

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まるで、部屋の一部であるかのような内装です。
実は、各部屋にあるスツールと、このカフェにあるスツールは、大阪のあるデザイン企業が作成しています。

こうした、"Ace Hotel Kyoto"としてのブランド、体験、コンセプトにおける「一貫性」のデザインが非常に徹底されているなと感じました。


5. 「体験」を円滑にする適度な距離感。

そして、最後に「人」についてです。
ホテル、レストラン、カフェ、全てを通して一貫していたのが「適度な距離感」です。
ホテルのフロントは、24時間稼働で、iPhoneの充電器を忘れたので試しに借りてみると、最小限のコミュニケーション、迅速な対応でした。ホテルとしは当たり前なのかもしれませんが、気持ちのよいコミュニケーションでした。
レストランでも、終始親しすぎず、押し付けて来ず、かといって離れすぎず、「楽しんでますか?」「少し多かったですか?」とコミュニケーションをとっていただきました。「水ください」とこちらから言う事は一度もなく、スムーズな対応。こちらも当たり前なのかもしれませんが、気持ち良く料理を楽しめました。
翌朝のカフェも、メニューの説明を端的に、おしつけがましくなく説明していただき、フリースペースでコーヒーを飲んだ後も、(実は僕は気づいていたのですが、、、) 5分くらい前から僕らが飲み終わるのをスタンバッて、立ち上がった瞬間に、「置いといてください」という徹底ぶり。

これらから感じたことは、Ace Hotel Kyoto全体を通して、あくまで僕らの体験がスムーズに、僕らのペースで楽しめるように、近すぎず、遠すぎずの距離感でずっと見守ってくれていると感じました。

「体験」をデザインした上で、その「体験」がスムーズにいくための仕組みまでデザインしているな、と感じました。


いかがだったでしょうか。
あくまで、私個人の感想、考察でした。
ちなみに私が滞在した日、このコロナ渦にも関わらず、ホテルもレストランも満席だったそうで、いかにこの徹底された「体験デザイン」が重要かをまじまじと考えさされました。

そんな体験のデザインがなぜ今重要なのか、以前noteにまとめていますので、そちらもよければ読んでみてください!







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