ふと、思い出したはなし。
昔を振り返って書いていると、記憶と連動して思い出す話もある。
なにか、どこかに記録として残しておきたいと思ったはなし。
2008年の湘南国際マラソンの写真である。
場所は、芸能人水泳大会で有名なあの、
大磯ロングビーチ
2005年に日本縦断を走り終えた友人ポップは、実家の仕事をしながら、マラソン大会に出る決意をした。
久しぶりに走りたくなったらしい。
一種の閉塞感だったのかも知れない。
私の企画で日本を縦断してからだいぶ月日が経過しているので、自信は全くないらしい。
もう一人の男。ヨーヘー。彼はアメリカに留学していた男、スポーツメーカー勤務。
二人共親友である。
当時、東京から神奈川に戻って来ていた私は、東京での最高と挫折の日々から、人と関わるのではなく、自然相手の仕事をしていた。
東京で色んな事を感じ、仕事をして人に対して関わる恐怖感があったのだと感じる。
一週間山で仕事をし、下界へ降りてくる感じだ。
とりあえず、私は二人が走るというから見に行った。会場へ着いた時には、ちょうどヨーヘーがゴールした直後だった。
久しぶりにヨーヘーとは会うので話ながらポップのゴールを待った。
到着予定時刻にもゴールしないので沿道まで見に行った。参加人数は一万人くらいかな。わからないけど、そうそう見つかる訳ないくらいの人数だった。
そこにポップは、現れた。
沿道からコースを見た瞬間である。彼は残り少しの距離を顔を下げ、足を引きずり気味に歩いていた。
何だかわからないけど私は叫んだ。
気づいたポップは、手を振りながら再び走った。
ゴールしたポップは、私達に伝えた。
「俺のマラソン人生のスタートに立ち会ってくれてありがとう」
別に記録が凄い訳でも、何かした訳でもないのだが、ただ昔から三人で約束している事がある。
「自分達なりのエンターテイメント人生を全うする」
お互いが面白いと思ったものは最大限の協力をするという暗黙のルールが出来ている。ちなみに三人で写っている写真は学生時代を見てもこれだけだった。
本来なら、私達は2020年の東京オリンピックで再会する予定だった。ヨーヘーの目は輝いていたし自国開催に携わることが出来るという感動も伝わっていた。
年末に毎年会っていたのも無くなった。
2021年東京オリンピックは開催され、きっと連日感動をくれる。願わくば会場で会いたかった。
形を変えても私達それぞれが目指す場所を面白くやれればいいと思う。
楽しいか、楽しくないかだ。
まだまだやりたい事がある。私達にも一本ぶれない物があるから大丈夫かな。
ちなみにマラソンのその日、三人で車で帰りながら車内でいろいろな話をして、久しぶりに時間を忘れて盛り上がった。
そして次の日、ポップから電話がかかる。
「悪いんだけど、もう一回会場行ってくんない?」
「どうした?」
「じつは、バイクで来てたの忘れてて帰っちゃった」
ポップとは天然である。
なんのはなしですか
写真は、一番イケメンが私。当時26歳。
今は40歳だ。好きなことを楽しむのみ。
馴れ合うよりも刺激しあうのが一番だと感じている。
自分に何が書けるか、何を求めているか、探している途中ですが、サポートいただいたお気持ちは、忘れずに活かしたいと思っています。