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セラピーの中での元型イメージの役割 ヒプノセラピー🥀episode9

前回の投稿では、真相心理学者ユングのいうところの元型イメージと元型体験、超越機能についてお話ししました。今回は、それらがいかにヒプノセラピーの中で機能しているかについてお話ししたいと思います。

今までも説明してきましたが、ヒプノセラピー個人セッションでは、生き生きとリアルに潜在意識の中にある記憶やイメージを『体験』することがメインとなっており、それが大きな特徴となっています。

しかし、心理療法としては、その体験を通して得た学びや気づきや癒しを、潜在意識から顕在意識へしっかりと移行し、今現在の人生にどう生かすか、具体的に何をどうしたら良いのかへと繋げていくことが、最も大切な作業と考えられます。

ヒプノセラピーには、その為の様々な技法がありますが、その一つに、自分よりも偉大な存在からアドバイスやメッセージをもらう、というものがあります。

マスター、ガイド、精霊、守護霊、天使、神仏、ハイアーセルフ、タオなど、様々な名前で呼ばれているかもしれないけれど、あなたをずっと見守ってくれている霊的な存在ですよ、と催眠中のクライエントに説明します。これはセッションの終わりに行うことが多いイメージワークです。

セラピストの誘導によって、クライエントさんは目の前にそのような、自分を超えた存在が現れるように感じます。人によってその姿形は違っていて、人の姿をしていたり、光だけであったり、象徴的な形を持っていたり、本当に様々です。それでも、年老いて白い髭を生やした賢そうな人物や、聖母マリアさまのような神聖な女性をイメージする方も少なくありません。このような時、潜在意識の奥深くにある『元型イメージ』が生き生きと働いているなぁ…と感じます。

クライエントはこの存在に質問をしたり、アドバイスやメッセージをもらったりします。その返答は、非常に意味深く、普遍的で、建設的、創造的な、知恵と愛情に満ちた言葉で溢れていることがとても多いです。セッションの前半部分で体験したことと照らし合わせながら、そのアドバイスやメッセージを聞くと、例え簡単な言葉を使ってシンプルな概念が語られていても、まさしくその時のその人に必要なこと、本当に大事なことが語られていると感じるために、非常に深い感動を覚えます。時には、畏怖の念を覚えるほどに、一度聞いただけでは理解し難い深遠な知恵を頂くこともあります。

私自身、セッションでのこのような経験を積み重ねるにつれ、本来人は、とても賢くて、どうすれば自分が癒されるのか、どのような道筋で気づき学び変われるのか、潜在意識ではちゃんと知っている、ということを思い知らされるようになりました。これは、ユングが言っているように、心は自ら全体的になろうとする機能を元々備えている、と言えるのではないかと思うのです。そのような自分の心、潜在意識の機能を信じて、道を見出していくことができたなら、こんなに良いことはないと感じます。

自分自身の人生を築き上げていくサポートや支えや導き、手助けやパワーや癒しが、自分という存在の深い深いところから得られるということ。

外部に求めなくても、純粋にオリジナルのユニークな生き方を実現できる、すべての人がそのような深遠な機能を持った『こころ』を生かす可能性を持っていること。

ヒプノセラピーのセッションを通して、そのようなことを、私自身、学び続けているところです。

深淵で複雑で神秘的な『こころ』に触れる機会を与えてくださった、すべてのクライエントさんに感謝を捧げたいと思います。

セラピールームアウロラ
渡邊真理乃
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