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factory visit 渡航記 インドネシアで出会ったジュエリーの向こう側の世界

マザーハウスの海外研修制度「factory visit」。2024年は日本と台湾から15人のスタッフがスリランカ、インドネシア、ネパールの3か国に渡航しました。今回はインドネシアに渡航した吉澤より、渡航レポートをお送りします。


金融営業からモノを届ける仕事へ

こんにちは!コレド室町店の吉澤です。私は2024年2月に中途でマザーハウスに入社しました。前職は金融営業の仕事をしていたのですが、もともと作り手の想いがこもったモノにとても惹かれて大切にしていました。営業のお仕事で誰かに「伝わること」の喜びを感じていたのですが、せっかくなら「心から良いと思うモノを自分の言葉で誰かに伝えたい」という思いが重なり、マザーハウスに転職しました。

お店に立つようになり、誰かを想いながら、または自分を労いながら真剣に選んでいただけるジュエリーに、私は日に日に魅力を感じるようになったのです。ジュエリーは身に付けなくても生きていけるかもしれません。けれど、その方にとって心の支えになるようなアイテムを一緒に選べることに、とてもやりがいを感じていました。

そして入社前から絶対に応募したいと思っていたファクトリービジット。今年はジュエリー生産国にも応募できると発表があり、「心が動くジュエリーをつくる職人に会いたい!」と思い、2024年7月出発のインドネシアに応募しました。

いざ、インドネシア・ジョグジャカルタ!

訪れたのはジュエリーの職人が住むジョグジャカルタ。職人たちがジュエリーを作るのはそれぞれのご自宅で、街中であったり、山の方面であったり、様々です。私たちは滞在中、職人のご自宅を訪問してみんなで食事を囲んだり、また職人たちが集まれるように作られた古民家工房でジュエリー作り体験をしたりしました。

熟練の職人・ワリヨさんにジュエリーづくりを教えていただきました

いつもお店で見ていたジュエリーはなかなか思うような形にならず、苦戦。。。教えてくださったワリヨさんはとっても明るく、翻訳アプリを使いながら色々な質問をしてくれました。

ひとえに職人といっても、にぎやかな方、すこしシャイな方など、職人1人1人もキャラクターは人それぞれ。リング製作を主に担当するエンドラさんはとても寡黙で、仕事熱心な方でした。

わたしが初めて買ったマザーハウスのジュエリーが「風薫」というリングなのですが、風薫リングをつくっているのがエンドラさんです。艶やかなピンクゴールドで作られた、ひねりのきいたデザインが特徴の風薫リング。実際にご自宅で製作過程を見せていただいたのですが、リングが円になった瞬間の感動は、まだうまく言葉にできていないのですが鳥肌が立ちました。職人の手仕事によって爽やかな風のようなリングが生まれる瞬間に立ち会うことができました。

素材からリングになった瞬間。ここから丁寧に磨き上げていきます。

職人技とチームワークがつくるもの

私は心が動く、繊細なジュエリーをつくる職人に会いたい、そしてお客様に伝えていきたいという思いでファクトリービジットに参加しましたが、訪れて実感したのが、インドネシアのみんなが「チーム」としてモノづくりを行っていることです。

例えば、日本のジュエリー事業部と協力してデザイン開発や生産管理をするのは、現地パートナーの笠原さん・エカさんご夫婦。笠原さんは東京藝術大学で彫金を専攻され、縁あって訪れたインドネシアのゆっくり時間が流れる空気感やに惹かれて、インドネシアに移住されています。

来日された際にスタッフ向けに研修をしてくださった笠原さん

笠原さんは職人それぞれの得意な技術だけでなく、工具のこだわりや性格まで理解をして、同じ技術でも「この職人さんにはこうやって伝えよう」と工夫をされていていました。1人1人とコミュニケーションをとることで、初めてやってみるデザインに「こうしてみるのはどう?」と職人から提案があることも。

また日本に出荷する前の磨き上げ検品を担当する事務スタッフのみなさんも、発売に間に合うよう、お店にジュエリーが当たり前に並ぶよう、細やかなところまで気を配りつつテキパキとお仕事をされている様子を知ることができました。

みんなでコピ(インドネシア語でコーヒー)で一休み

お届けするジュエリーの向こう側には、チームインドネシアみんなの仕事がある。それを肌で感じられたことで、より一層届ける責任があることに背筋が伸びました。

旅のこぼれ話

ファクトリービジットは決められた工程はなく、自分たちが何をして、何を持ち帰りたいかをメンバーで話し合い、滞在スケジュール、事前リサーチといった渡航準備もメンバーみんなで行います。わたしはフライトスケジュールの検討と手配を担当。よし、準備万端!という気持ちで出国しました。

しかし、実際には「荷物が届かない!」「飛行機の遅延で乗り換え便を急遽取り直し!?」など、想定外のことが起こり移動だけでクタクタに。。

それもまたファクトリービジット。その時々でメンバーと協力しながら、臨機応変に考えながら行動し、無事終えることができました。

対話から生まれる、温かで小さな美しさ

インドネシアジュエリーは1センチほどの大きさで、それらをかたどるのはゴールドでできた数ミリの金線。素材の特徴や手仕事だから表現できる艶やかさや繊細な輝きがあります。

そして指先ほどの大きさのジュエリーは、人が関わり合い、バトンを繋ぎながらお店に届いていました。作る人それぞれの良さをいかすプロセスがあるから、身につける人の喜ぶ顔を想像した仕事があるから、どこか温かさを感じる美しさがあるのだと、今回の渡航で感じることができました。

それをお客様にお伝えするのは、お店に立つ私たち一人一人です。お客様が「大事にしたい」と思えるモノとの出会いをつくる仕事に誇りを持って、これからもお店に立ちたいと思います。

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途上国から世界に通用するブランドを「つくる人」に。

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を体現するために、目の前の先入観や常識にとらわれず、常に本質的なことは何かを考え、
生産国、販売国の垣根を超えた仲間と共に、前例のない挑戦を続けてきました。世界に通用するブランドになるために共にマザーハウスで挑戦する仲間を募集しています。