私流『SPY×FAMILY』の楽しみ方
最近、『SPY×FAMILY』のアニメを観ています。
マンガアニメは偏ったものにしか触れていなくて、本屋さんとかで見て「流行ってるなー」というのは知りつつもスルーしていたんですが、帝劇でミュージカルするっていうので、どんなもんなんだ?という興味から観始めました。
簡単に説明すると、
スパイが任務のために疑似家族を作り、子供を使って接触相手に近づくという物語としての外枠がありつつ。
実はスパイの父。(イケメン)
実は殺し屋の母。(美人)
実は超能力者の娘。(かわいい)
という各々隠している事情がある疑似家族が、一体どうなっていくのか?という物語です。
これ、面白いかどうかは一旦置いておいて、
完全に「世間に受けるとこを狙って作られた構成だなあ」と、とにかく感心しながら観ています。
まずこのストーリー構造が、ありがちですが面白いです。それぞれに隠し事がありながらこれをどう対処していくのか、という受け取り手の楽しみ方がはっきり提示されているので、するっと入っていける。
スパイ物ということで、東西対立がモチーフに描かれていて、今緊迫しているロシア情勢を思うとすこし興味深いです。2019年から連載が始まってるそうなので時期が被ったのはたまたまだと思いますが、でも上手いことハマったなあと。
とは言えそんな堅苦しい話でもなく、オシャレな雰囲気をまといつつ、実は子供が学校で好成績を上げていくことが任務の一環だったりもするので、そこのとこのゆるさも間口を広げている理由のひとつなのかなと。絵も綺麗な絵で見やすいです。
私は、当初もっと緊迫した話なのかなとそういう姿勢で見始めたので、途中まではゆるい場面が中だるみのようにも感じられたのですが、1期の終わりで一度大きな緊迫を迎えて、緊迫ムードはそこそこ楽しんだので、
2期が始まった頃には「むしろこのゆるさを楽しむエンタメなんだな」と分かってきて、そうなるとのほほんと観られるようになりました。
ただゆるく楽しみ始めてしまうと「彼らは最後一体どうなるの?!」という切迫感がなくなってきたので、最後まで見届けるエネルギーを私自身が保ってられるかな、という心配はあります(笑)
ゆるい部分が自分の中で楽しい限りは観続けると思うのですが、あまり長くなってきて、そこに飽きてくると一体どうなるかなーというところです。
でもこの、緊迫系なのかゆるい系なのかが、パッケージとして見たときに、絶妙にわからない雰囲気になってるのも巧妙だなあと思います。
ロゴやモスグリーンのテーマカラーからちょっとぴりっとした格好良い雰囲がもあるので、そこに惹かれて見始める人もいるだろうし、
でも真ん中にいるピンクの髪の女の子は、どう見てもゆるい感じなので「可愛いー」って思って見始める人もいるだろうし。
とにかくいろんな人の知恵が詰め込まれて、綿密に練られて作られている感じがしてそれが楽しい。なるほどこれが今の世の中に受けてるんだな、こういう風に打ち出すと盛り上がるんだな、というのをひしひしと感じます。
『SPY×FAMILY』が連載されている少年ジャンプ+についてのnote記事も読みました。
マーケティングとか全然分からないけど、とにかくすごいんだなあということは分かる(笑)
これをきっかけに、今流行ってるアニメを色々観ているのですが、アニメというものは絶妙に時代に合わせて売れるところを狙っていってる感じが面白いです。
ひとつ間違えると全く世間には刺さらなかったかもしれない、というか、そういう作品もたくさんあるんだろうけど、じゃあ刺さった作品っていうのは、どういう特徴があるんだろうか、となんとなく分析思考で楽しんでしまいます。
実は、私が『鬼滅の刃』に全くと言っていいほどハマれなかった口でして、未だにあれの楽しみ方を分かることができない自分が悔しいです(笑) もう一度ちゃんと観てみようかな。
ちなみに『SPY×FAMILY』について、帝劇ミュージカル化っていうのも、なんとも痛いところを突いてくるなあと思います。
正直、原作ファンの方にはそこまで刺さらない気はしてます。別に実写化しなくていいよと。
ただ、私みたいに舞台、ことミュージカルが好きな層が、じゃあアニメも観てみようか、マンガ読んでみようかとなる感じが、たしかにこの作品のまとってる雰囲気とはマッチする気がするんです。
で、改めてアニメを観てから思うのは、たしかにこれはミュージカルにしやすいとも思う。(そしてそんなにお金もかからないと思う…ぼそっ)
こてこてのアニメ感も少なく、比較的スタイリッシュな雰囲気が、2.5次元ミュージカルじゃなくて、帝劇ミュージカルっていうところも「ああ、たしかに」となる。
きっと普通におもしろい舞台になるんだと思います。2〜3時間くらいにまとめやすい題材だし、原作の設定を借りて多少原作と違うことをしても受け入れらる余白のある原作だと思います。
子役のオーディションもプロモーションの一環として使えるというのがいいですよね。
ただ「必要なのか」と言われるとよく分かりません。売れるとは思うけど。なんか手っ取り早いところで済ませてる印象も受けます。
なんでも実写化や舞台化する流れがひとつの手法になっているのでなんとも言い難いですが、そこがゴールじゃないからなあというのは、一読者、一観客としていつも思います。
反面エンタメ色の強い分かりやすい舞台のほうが、私自身好きだったりするので、なおさらなんとも言えません。
公式のWEBページを見に行くと、これ↓がどーんと出てきます。
「待望」・・・多分「待望」はどの層からもされてない気がする・・・たぶん。
機会が合えば観に行きますが、どうしてもという気分にはならないので保留です。
でもとにかく、いろいろ面白いなあと思って『SPY×FAMILY』は観ています!