『星の王子さま』を読む機会があったので、ずっと読みたいと思っていたテグジュペリの他の作品にやっと手を出しました。『夜間飛行』もこれから読む予定。
当時まだ飛行機という乗り物が命の危険と隣り合わせだった頃、常に死を感じながら、砂漠が広がる大地を、星の明かりだけを頼りに飛んでいくということの、その感情をまざまざと追体験させてくれる文章。
飛行機乗りとしての、作者本人の体験を書いた紀行文というか随筆というか冒険譚というか。
でも事実をありのまま書くというよりも、作者の思考や思想がが存分に含まれているので(むしろそれがメインなので)、随筆風の詩あるいは物語を読んでいるようなとにかく不思議な文章です。
正直、私にとってはけっして読みやすい文章ではなかったです。というかめちゃくちゃ読み辛い文章でした笑
芯は一本通ってるんだけど、語り口というか上辺の部分があっちこっちに行くもので、あれ?今なんの話してるんだっけ?となっちゃうこと多数…笑
相当集中しながら読まないと、言ってることが頭に入ってこない感じです。
でも不思議と嫌いにはなれない文章。
途中で耐えられなくなって、一つの章を口に出して音読してみると、それ以降はなんだか文章の流れのコツを掴んだというか、なんとか読み終えることができました。(喉はカラカラになったけど)
一貫して書かれているのは、広大な自然や大地を身をもって経験した作者が考える「生きる」とはどういうことか。
『星の王子さま』にも出てくるキツネも彷彿とさせる、砂漠に住むフェネックも登場します。
あととにかく名言の数々。以下いくつか引用。(新潮文庫、堀口大學訳)
ちなみにこの本を手に取ったのは、『星の王子さま』を再読したからという理由が一番大きいのですが、もうひとつ、伊坂幸太郎の『砂漠』を最近読んだから。
この『砂漠』、『人間の土地』の引用が随所に出てくるのです。それで気になったというのがもう一つの理由。
今思うとそもそもこの『砂漠』というタイトルは、完全にテグジュペリから影響を受けているタイトルですよね。