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【読書メモ】高血圧と運動(血管を強くして突然死を防ぐ)

突然死したくなければ魚を生で食べよう。

現代人の食生活はとにかく高カロリー・高脂質・高ナトリウムなので普通に意識せず暮らしていると動脈硬化からは逃れならないんじゃないかなと思う。

発売日:2013/10/19



血管についてあなたはどれぐらい知識がありますか?

クライアントに高血圧ならヨガやめておこう、トレーニングやめておこう。なんて伝えていませんか?

その高血圧ってなんでしょうか?
なぜやめておいたほうがいいのか?説明できますか?


血管の基礎知識

本当に誰でも知っているところからまとめていきます。

血管には、動脈・静脈・毛細血管の3つがあります。

【血管の種類と特徴】
 動脈:心臓から全身に酸素豊富な血液を運ぶ血管。壁が厚く、弾力性があります。
 静脈:全身から心臓に戻る血液を運ぶ血管。壁が薄く、弁があり、逆流を防ぎます。
 毛細血管:動脈と静脈をつなぐ非常に細い血管。酸素や栄養素の交換が行われます。

血管の構造は3層構造になっています。

【血管の構造】
 内膜:血管の内側を覆う薄い層。血液と直接接触します。
 中膜:平滑筋と弾性繊維からなる層。血管の収縮と拡張を調節します。
 外膜:結合組織からなる層。血管を保護し、周囲の組織と結びつけます。


血圧について

血圧とは、血液が血管の壁に対して押し付ける力のことを指します。
心臓が血液を送り出すときに生じる圧力です。

【血圧の種類】
 収縮期血圧:心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力。
 拡張期血圧:心臓が拡張して血液を受け入れるときの圧力。

【血圧の正常範囲】
 正常血圧:収縮期血圧が120 mmHg未満、拡張期血圧が80 mmHg未満。
 高血圧 :収縮期血圧が140 mmHg以上、または拡張期血圧が90 mmHg以上。

個人的にいろいろな本を読んでいますが、高血圧を一律140mmHgとするのはどうなのかと考えています。

主な高血圧のリスクは以下の通りです。

【高血圧のリスク】
 心臓病:心筋梗塞・心不全
 脳卒中:脳梗塞・脳出血
 腎臓病:腎機能の低下・腎不全
 動脈硬化:高血圧は動脈の壁を硬くし、動脈硬化を進行させる
 視力障害:視力障害

血圧というのは、血管を通る血液の摩擦のことなので、勢いが強い高血圧では血管に負担をかけます。


では運動はどうなのでしょうか?
高血圧の方は有酸素運動は血管の弾力性を改善させ血圧を低下させる効果があります。
※ただし、Ⅲ度高血圧の場合は、負担が大きすぎるため医者の支持に従ってください。

Ⅲ度高血圧?? 血圧には重症度で3つあります。


【Ⅰ度高血圧】
 診察室血圧:140~159かつ/または90~99 mmHg
 家庭血圧 :135~144かつ/または85~89 mmHg

【Ⅱ度高血圧】
 診察室血圧:160~179かつ/または100~109 mmHg
 家庭血圧 :145~159かつ/または90~99 mmHg

【Ⅲ度高血圧】
 診察室血圧:≧180かつ/または≧110 mmHg
 家庭血圧 :≧160かつ/または≧100 mmHg

参考:https://e-medicaljapan.co.jp

上記を加味すると、クライアントに「わたし、高血圧なんだけど、ヨガ(トレーニング)して大丈夫?」と言われたときに、「いつも家庭で測ったときはどれぐらいですか?」と質問するのが大切です。


なぜ運動が血管によいのか?

運動によって筋肉細胞からブラジキニン(生理活性物質)という物質が放出されます。

このブラジキニンが「なんやかんや(詳しくは本書読んで…)」してくれて、一酸化窒素を分泌します。

この一酸化窒素は血管を広げる作用があります。
医療系の国家試験にも度々出題がある有名な現象です。

このブラジキニンは無酸素運動ではあまり放出されないため、血管を強くするためには有酸素運動がおすすめというわけです。
とりあえず、ヨガしてたらええねん。


【糖油送担体(GLUT4)】
 
血液中の糖分を細胞膜から細胞内へ吸収しやすくする作用をもつ

筋肉細胞が脂肪を燃焼させるときには、十分な酸素が必要であること。短い時間で一気に負荷がかかる無酸素運動では、脂肪の燃焼が起こりにくいことなどがその理由。

引用:血管を強くして突然死を防ぐ!


以下は本書に書かれている内容で一般的にはあまり聞き慣れない単語や健康に関するキーワードをまとめていきます。


エピジェネティクスとは?

 従来、遺伝子の働きは生涯変わることはないと考えられていた。
 最近ではその人の生活習慣等、繰り返される経験によって、遺伝子の働きが後天的に変わってくる可能性が指摘

引用:血管を強くして突然死を防ぐ

【エピジェネティクス】
 別:後成学・後成遺伝学
 英:Epigenetics
 DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域

引用:エピジェネティクス - Wikipedia

現在は、遺伝的に糖尿病になりやすい体質というのが、遺伝子を見て判断しています。
ですが、エピジェネティクスの学問では環境によって後天的に変化する可能性があると言われ始めている。

これは、抗がん剤の開発やADHDなどの波立障害の治療に役に立つと考えられています。


マッスルメモリーならぬスイートメモリー

【スイートメモリー】
 若いうちに甘いものばかり食べ、血糖値が高い状態が長年続くと、血糖を代謝する作用を担う遺伝子の働きが弱まり、10年以上経ったとき、生まれつきの体質よりも糖尿病になったり、重い血管の病気になったりする危険性が高まる

慶應義塾大学医学部 伊藤裕

松田聖子?となったあなたは、Z世代の人と話が合わないと少し困りだした年齢かもしれません。

ただこの「スイートメモリー」は詳しい情報がインターネット上にないためこれ以上詳しい審議をすることができません。


ビーマルワン(BMAL1)

【ビーマルワン】
 ヒトの体内には、脂肪の分解を抑える働きを持つ「ビーマル1」というタンパク質がある。
 これは口にした食物から脂肪(厳密には脂肪酸)の分解をおさえ、脂肪をよりため込みやすくするタンパク質といえる。

引用:血管を強くして突然死を防ぐ

【BMAL1の特徴】
 体内時計の調整:BMAL1は、私たちの体内時計に大きく関与しており、生活リズムを整える役割を果たす。
 脂肪の蓄積:BMAL1の量は時間帯によって変動し、午後3時ごろに最も少なく、午後10時から午前2時ごろに最も多くなる。

上記のことから、脂肪が溜め込みにくい時間帯に食事をするという方法でダイエットをすることができます。

【ダイエットへの応用】
ビーマルワンはサーカディアンリズム(概日リズム)をもち、14時ごろにほぼ0になる
 例:午後3時ごろにおやつを食べると脂肪が蓄積されにくい
   逆に夜中の2時に最も高くなるため夜食には注意が必要。


動脈硬化

アテローム硬化の概要

【アテローム硬化】
 血管壁の内部に酸化した脂質(LDLコレステロール)がコブ状の隆起となって血管の壁を厚くし、血液の通り道を狭くする

アテローム硬化の危険因子

英:Atherosclerosis Risk Factor

【アテローム硬化の危険因子】
 ▶喫煙
 ▶高血圧
 ▶脂質代謝異常
 ▶高血糖
 ▶肥満

危険因子1つにつき危険度は3倍になると言われている、5つそろうと243倍も何もない人に比べて発症リスクが上昇する

上記から喫煙を除いた4つがそろうと「死の四重奏」と呼ばれている。

【喫煙】
 狭心症・心筋梗塞のリスク
  ▶男性:2.9倍
  ▶女性:3.1倍
 死亡率:1.7倍
 ※タバコを吸う人は吸わない人に比べて

【喫煙習慣】
 全身の細胞を酸化、要するに「老化」させる作用も非常に強い。
 動脈硬化を大いに助長させる。

【中性脂肪】
 中性脂肪の量が血液中に増えることで善玉のHDLコレステロールが減ると同時に、悪玉のLDLコレステロールが小型化し、「超悪玉」と呼ばれる状態に変化してしまう

【AGEs(終末糖化産物)】
 血液中の糖が体内のタンパク質と結びついた状態。
 活性酸素によって血管を傷つける。
 AGEsは血管壁の内部にも侵入、アテローム性動脈硬化のコブの内部でLDLコレステロールを酸化する
 →動脈硬化が促進


血管によい食べ物

n-3系脂肪酸の接種は冠動脈疾患の発症を減少させる
(平均1日0.3gと1日2.1g)
 冠動脈疾患:-42%
 心筋梗塞 :-65%

【n‐3系脂肪酸】
 EPA:動脈硬化や血管の大きな病気を防ぐ効果があることがわかってきている
 魚に多い。

できるだけ魚は生で食べる、フライは厳禁。

【n-6系脂肪酸】
 飽和脂肪酸・n‐6系脂肪酸には、動脈硬化を促進する作用が強い。
 n‐6系脂肪酸が体内でn‐3系脂肪酸と逆の働きをし、血栓をつくりやすくしたり、動脈硬化のコブを不安定にしたりする作用があることも判明してきている。

【水溶性食物繊維】
 ▶血圧低下
 ▶肥満予防:脂肪を分解する酵素の働きを高める
 ▶コレステロール値低下
 カロリーゼロ

【水溶性食物繊維が多い食べ物】
 ▶エシャロット
 ▶ごぼう
 ▶オクラ
 ▶海藻類(ヒジキ・ワカメ)
 ▶果物類

【ポリフェノール】
 
血液中のコレステロールの酸化を防止し、動脈硬化を予防して間接的に心筋梗塞や狭心症を防ぐ可能性が期待される。
[チョコレートの原材料のカカオ豆]

 ▶カカオポリフェノール
 ▶カテキン
 ▶アントシアニン
 といった各種のポリフェノールが含まれている。


歯周病と動脈硬化の関係

【歯周病】
 血管に入り込んだ歯周病菌が内膜の炎症を引き起こし、動脈硬化を引き起こす直接の要因になっているのではないかという指摘が、近年盛んに言われている

血管中の動脈硬化のコブのなかからは歯周病菌が発見されたという報告もあります。

【口腔ケア】
 少なくとも1日に1回は、歯間ブラシやデンタルフロスを利用
 歯ブラシだけでは落としきれない歯間や歯周ポケットの歯垢を掃除
 ※殺菌作用がある唾液の分泌量も減る睡眠時間の前
 3か月~半年に1回程度は、歯医者で歯石のクリーニング


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