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コロナ時代の受験生たち

はじめまして。ポンたろうと申します。

初めてのnote投稿なので、読みにくさは大目に見てやってください。かなりの長文になってしまったので、流し読み程度に読んでいただけたらと思います。


さて、昨日、新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が5月末まで延期されることが発表された。現状を鑑みると妥当だという意見が多いように思う。

そして今日は2020年5月5日、こどもの日である。

学校が休校延長を続々と発表する中で、今年の大学受験生たち(2021年度入試)は現状をどのように捉えているのであろうか。そして、今年の受験はどのような戦いになるのかを考察してみようと思う。

筆者は現役東大生であり、東進ハイスクール(大学受験塾)でチューターとして働いているため、現役高校生の声や浪人生の声を参考に、そして高校一年生の弟の話を参考にこの記事を書いている。

※浪人生とは、昨年の東進の生徒で、今年は駿台で浪人している子のことである。(東進ハイスクールでは基本的に、浪人生は在籍できないため)


受験生たちの現状。

まず、東進ハイスクールの現状について。ご存じの方もいると思うが、東進ハイスクールの授業形態は、ほぼ全て「映像による授業」である。

本来であれば、生徒たちは東進校舎の個人ブースで、自分に合ったレベルの講座をパソコンの画面で受講している。

現在はもちろん生徒は校舎に来てはいけないことになっているため、生徒たちは「自宅受講」という形で勉強を続けている。東進の映像は自宅のパソコンやスマホでも見られるようになっているのである。

この点においても映像授業の流れはこれからどんどん加速して行くと思っている。すでに東進だけでなく、スタディサプリ、Try IT(トライイット)、河合塾マナビスなどが映像授業を提供している。

自宅受講をしている生徒たちに電話で話を聞くと、勉強に不安を感じているというよりは、学校に行けないことで友達と会えないことを嘆く声の方が圧倒的に多い。

いくら受験生と言えど、高校三年生になる直前の春休み中に休校が決まり、気持ち的にフワフワしたまま受験学年になってしまったのだから、受験勉強をするというマインドに切り替えられていないのももっともだろう。

一方で、浪人生はというと、実は高校生と現状はあまり変わらない。4月から一学期として授業がスタートしたものの、すぐに中止となったため、今では講師が授業をしている様子を撮影し、オンラインで配信しているのだそうだ。


圧倒的な違い。

ただ、高校生と浪人生の間には圧倒的な違いが1つある。

それは、「大学受験」というものを経験しているか否か

当たり前のように思えて、これは決定的な差である。

何においても当てはまることだが、大学受験において「経験」とは合否に直結するものなのだ。

当然、浪人生はすでに、受験科目を曲がりなりにも一通り学習し、過去問を解き、実際の試験会場で問題を解くという緊張感を肌で感じている。この経験が圧倒的に有利なのだ。

一通り学習すると、その科目の全体像が見えるようになり、自分の中でゴールが分かるため、学習意欲が飛躍的に向上する。

マラソンでゴールが見えると頑張れるのと同じである。


また、過去問をある程度解くと、その大学がどのレベルの問題を出すのか、そして、どの分野の問題が好きなのか、どこまで深く聞かれるのかなど、その大学について詳しくなる。

つまり、傾向と対策を自分で把握できるようになるのだ。

これを把握した上で日々の学習をすると、「この問題はあの大学に出そう」だとか「この分野は重点的に復習しておこう」といったことを意識するため、学習効果が格段に上昇する。


さらに、見逃してはいけないのは本番の緊張感を経験している、ということである。模試で良い判定ばかり取っていた生徒が、本番では緊張のあまり実力が発揮できず不合格になってしまったという話は、悲しいことに毎年のように聞く。

緊張の原因は試験会場のあの異様な雰囲気に飲み込まれてしまうことである。浪人生は、その雰囲気を知っているし、その心理状態でも実力が発揮できるように準備することができるのだ。

このように、「受験を経験している」ということがいかに有利に働くかということがお分りいただけたと思う。


今年はどうなる?現役生。

そして、今年はさらに、追い討ちがかかっている。

高校の授業が始まらないことで、受験範囲が一通り終わらない可能性があるのだ。

これは現役生にとっては致命的だろう。

現役生は毎年、三学期(受験の直前の直前)になってやっと受験範囲、つまり高校で習う範囲が終了するのである。高校教育のカリキュラムとして当然と言えば当然なのだが、それでは問題演習の時間が絶望的に足りない。

ただでさえ、問題演習をする時間が足りないのに、そもそも授業が行われず受験範囲が終わらないとしたら、いよいよ現役生の不利は確実なものとなってしまうだろう。


今年はどうなる?浪人生。

そして、もちろん浪人生にとっても不利な状況が生まれている。

それはメンタル面のサポート不足である。

浪人生は、合格を勝ち取れなかったという悔しさや、親やその他応援してくれた人たちへの申し訳なさを抱えて勉強を続けており、次こそは合格を何としてももぎ取らなければいけないという、ものすごいプレッシャーを背負っている。

このプレッシャーと戦う上でもっとも重要なのは、人と話すということだろう。

筆者も現役時代、受験勉強の息抜きには友達や先生と話すことが一番だと感じていたし、知り合いの浪人生たちは、「少しでもいいから誰かと話すと楽になる」とよく言っている。

そして浪人生にとって、もっとも話しやすいのは同じ境遇の浪人生たちだろう。

普段なら、高校と同じように、塾で毎日のように顔を合わせ、同じ授業を受け、一緒にご飯を食べて、支え合うことができるはずなのだ。

それなのに、今年は仲良くなるどころか、顔見知りにすらなる前に自宅で一人で勉強することを強いられているのである。

これに耐えられる浪人生は相当メンタルが強いと思う。考えただけでも想像を絶するプレッシャーがかかっているはずなのに。


まとめ。

以上のように、今年は全ての受験生にとって相当厳しい受験になると予想される。

特に現役生は学力面で、浪人生は精神面で

どちらにとっても「合格」の二文字を勝ち取るのが最終目標であり、そのためにどれだけ目標を見失わず正しい方向に努力し続けられるかが鍵となるだろう。

ちなみに、高校一年生の弟はというと、授業がない代わりに出された課題が膨大すぎて完全にやる気を失い、締め切りが迫ってくることに慌て、不機嫌になる始末である。反抗期が絶賛活躍中のようだ。。。

高校三年生だけでなく全ての学年で、学習の遅れという課題は重くのしかかることになりそうだ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。既読感覚でスキッ!してくれると嬉しいです!

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