まとめⅪ「伝えられない」
「伝える」ということ
人は、目と目を合わせ、話し、触れ合い、さらには文章、絵、歌、写真、と出来うる限りの方法を駆使して、意思を伝達しようとする。
しかし、それを明確に伝えるには、それだけのエネルギーや技術を要する。
執着と拒絶の狭間に
aikoにとって14枚目となるアルバム『どうしたって伝えられないから』のプロモーションに合わせて、Quick Japanの最新号では、インタビューに加えて、aikoと縁のあるアーティストとの対談や、著名人からのコメントが寄せられていた。
後半は、アルバムのセルフライナーノーツが綴られている。現時点で、アルバム曲は「磁石」と「メロンソーダ」しか聴くことができないため、泣く泣く飛ばした。(発売後に実際に聴きながら楽しみたい……。)
アルバムのタイトルの『どうしたって伝えられないから』は、リード曲の「磁石」に象徴される、執着と拒絶の狭間で愛に悶える心の揺れ動きを感じさせる。
aikoはタイトルの由来として、言いたかったことを言えなかったフラストレーションが曲に表れていたから、と自評している。
伝えることと承認欲求と自己実現
自分が伝えるうえで、どの方法が一番等身大に近いのか。aikoは、その方法が「詩」であり、「音楽」であるようだ。そのうえで必要以上の情報を入れないようにしていると彼女は述べている。
先述したように、伝えるためには、言葉/言語だけでなく、非言語のコミュニケーション、絵や音楽などの芸術など、方法やそれらを使いこなす比重は人によって異なる。
一方的に伝えるだけでは、周りを疲弊させる場合もある。
目に見える「いいね」や再生数で承認欲求を満たすためだけでは、自分がすり減る可能性もある。
どのような方法で伝え、コミュニケーションをとると、自身も周りもより理想の自己に近づくことができるのか。
多くのツールが(必要以上に)用意されている現代社会において、一番考えたい事なのかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?