私が執筆窓口を開放している3つの理由
作品を発表していると、お仕事依頼がくる…という作家さんは多いと思います。
私も2020年に『先生、逃がしません!』の連載を始めてから、20社以上の編集さんにお声がけをいただきました。
(コピペ文章のみで、私の作品への感想が全くないメールは除きます。)
決して私への依頼が多いわけではなく、もっと依頼が殺到している作家さんもたくさんいらっしゃるでしょう。
それだけ、電子業界は漫画家さんが足りていないんですね。
作家さんが食いっぱぐれることのない、とても良い時代だなぁと思います…!✨
そのようなご時世ですので、『新規のお仕事は受け付けていません』と、SNSに明記していらっしゃる作家さんも多いですよね。
進行中の連載があれば、易々とお仕事を受けることはできませんから。
それも、作家さん・編集さんの双方の労力を減らす良い手段であると理解していますが、私は窓口をオープンにしております。
(もちろん大々的に「お仕事募集!」とかはしておらず、SNSのプロフ欄にアドレスを載せているだけです。)
ここ数年は、有難いことに進行中の連載が常時3~4本あり、新しくお仕事を受ける余力はないのですが、それでも窓口を開けている理由を書こうと思います。
セレンディピティを得られる
これが一番大きな理由です。
セレンディピティとは『思いもよらなかった偶然がもたらす幸運』のことで、私の大好きな越川慎司さんがよく使われている言葉です。
越川さんによると、『キャリアの8割は偶然の出会い』で決まるそうです。
(越川慎司さんのVoicy、本当に勉強になって、元気が出るのでおススメです~!!)
今までの経験から、これは本当に納得しかなくて…!!
しかし、それはただの『偶然』ではなく、自分が行動したことによって得られた『偶然』であるということが、鍵なのかなと思います。
私は、仕事の成功において、最も大切な要素は『運』であると考えていますが、『運』はその人の行動量に比例していると、よく言われますよね。
漫画家さんの場合、『いい担当さんにめぐりあえるかどうかは運である』とよく言われますが、
一社のみで仕事をして、担当替えの度にハラハラする状況と、
複数社に持ち込んで、自分に合う担当さんを探し続ける状況を比べると、
後者の方が自分に合う担当さんに出会える確率は高いと思います。
『運』が行動量に比例するとは、そういうことではないでしょうか?
私も、デビューした大手出版社で、なかなか長期連載が決まらないときに、
そこを出て持ち込みをするという選択をしました。
そのおかげで、今は心の底から信頼できる担当さんと、楽しくお仕事ができています。
現在はお仕事のお声がけを多くいただけるようになったので、持ち込みはしていませんが、セレンディピティを得るために、たくさんの編集さんに出会いたいと思っています。
なので、自分から窓口を閉じてしまうのは、もったいないなぁと思ってしまうのです。
進行中の仕事があるので、すぐにお仕事をできない旨をお伝えをして、
「それでも大丈夫です!」と言ってくださる編集さんとは、必ずお電話で話すようにしています。
(数年のスパンで待ってくださる編集さんは、意外に多くいらっしゃいます。)
それが、人生を変えるような出会いになることもあるのです。
私は昨年12月、お電話でお話した中で、実際に会ってみたいと思った編集さん3人に、東京でお会いしました。
本当に心の底から「一緒にお仕事したい!」と思える方ばかりで、今すごくワクワクしています。
お仕事に前向きに、ワクワクし続けられる人生ってとっても楽しいですよ(^^)
どんな仕事においても、人との出会いが何よりも財産になるのだなぁと、改めて思いました。
業界の情報が得られる
電子書籍ストアを主戦場にしている作家さんは多いと思いますが、
この業界は、本当に変化がめまぐるしいんですよね…!(笑)
トレンドの流れが本当に速いのです…!!
電子業界は、情報戦であると言っても過言ではありません。
電話で編集さんとお話をすると、電子業界の情報がたくさん得られます。
1社からの情報だけだと、情報が偏ってしまいますが、複数社の編集さんと話すことで、業界全体のトレンドが見えてくる…という感覚ですね。
なので、編集さんとお話する機会は本当に貴重です。
「作家同士で情報交換をすればいいじゃん」という方もいらっしゃると思いますが、作家から得られる情報は、その作家が編集さんから聞いた話なので、二次情報になりますよね。
二次情報は、間に入った方の解釈も過分に含まれるので、私は一次情報を大切にしたい派です。
自分の足で取りにいった一次情報は、本当に価値ある情報になることが多いです!
私は作家友達が少ない…という点にも、一応触れておきます(笑)
自分の強みがわかる
お仕事のお誘いをいただいた編集さんとお話するときに、私は必ず、
「私の漫画の良いところってどこですか?」と聞くようにしています。
もちろんメールでも書いていただいていますが、それでも聞きます(笑)
そうすると、自分が気づいていなかった自分の強みが見えてきます。
私がよく言っていただけることを挙げると、
・キャラが生き生きしている
・テンポがよくて読み心地がいい
・コミカルさ、ギャグシーンがおもしろい
・表紙のカラー絵と中身のギャップがすごい←new!
…などが多いです。
私、デビュー時は、自分のギャグがおもしろいなどと1ミリも思っておらず、ギャグには全然力を入れてなかったのですが、
ギャグがおもしろいと、どこの会社でも言ってもらえるので、
今はそれが強みなんだなぁ~と思って、ギャグをたくさん入れるようになりました(笑)
東京でお会いした編集さんの一人に、
「作風はコメディだけど、恋愛要素も押さえた作品を作れる希少な作家さんだと思います」
と言っていただけて、「そうか、私は希少種だったのか…!」と思いました(笑)
電子業界は作品数が多く、流行りの作風は、ほぼレッドオーシャンなので、
凡人は希少性が出せるブルーオーシャンを目指すのが、戦略的には正しいのかなと考えています。
生存戦略を立てるうえで、自分の良さを知るというのは一番大切なことだと思うので、それを教えてくれる編集さんは、本当にありがたい存在なのです…!!
以上3つが、私が執筆窓口をオープンにしている理由です。
悩める漫画家さんの思考のヒントになれば幸いです。
お知らせ
🌸コミックシーモアで連載中の『嘘つきは求愛のはじまり』の電子単行本1巻が発売されました!!
単話版の1~7話+おまけ漫画が収録されています。
二作連続で、単行本にナンバリングがついて本当に嬉しいです(゚∀゚人゚∀゚)
作品を読んで応援してくださる皆様のおかげです…!
本当にありがとうございます!!!
🌸最新第8話も配信されました
『ムギ』の正体がバレた状態で、第2章のスタートです…!!
この回では、連載が延びたら絶対にやろうと思っていたネタを描けたので、とても楽しかったです…!
1話は無料で読めますので、どうぞお見逃しなく(^^)
🌸レビューコメントが作品を応援する力になります…!
なにか一言でも、ご感想を書いていただけると、とても嬉しいです✨(レビューは上記のURLからどうぞ💛)
レビューは全て有難く拝見しております(^^)