大河ドラマ「どうする家康」2回 感想 〜角田さん、今回も素敵です〜
いやあ、もう、矢作川の名前が出てきた時から、テンション上がりっぱなしであった。
西三河の民の心の故郷、一級河川矢作川。
私の実家からは、この川を越えないと高校に通えなかった。
小学校の遠足で、この広い川の河川敷に遊びに行ったこともある。
暇な時には、よく歩いてこの川を見に行った。
当時から、水が好きな子どもだったのだ。
大変個人的なことになるが、今回の舞台、矢作川、大樹寺、岡崎城(ついでに、我が母校・岡崎北高校)の位置関係を載せておく。
①画面北から南へ蛇行しながら流れるのが、矢作川。今回、松平昌久に待ち伏せされて騙し討ちされた設定の場となるのは、位置的にこの辺りかな?と想像する。
②落ち延びた元康君と家臣団が立てこもった大樹寺。たぶん、襲われた河川敷から1キロちょっとではないかと思う。
③元康君が帰還した岡崎城。毎年、8月にはこの城の前を流れる「乙川」で、大花火大会が開かれている。城は、乙川と矢作川の合流地点近くに建っている。大樹寺〜岡崎城間は約3.5km。普通に歩けば1時間ほどの距離である。
④愛知県立岡崎北高校。(今回、全く関係無し)
つまり、今回の話は、大高城から岡崎城までの逃避行、邪魔がなければ、1日で終わるはずの物語なのである。
実際には、どこに敵が潜んでいるわからない中、斥候を飛ばして安全確認しながらの逃避行だったと思うので、「普通に歩けば一日もかからないよ」とは言えない行程だったのだろうけれど。
ドラマの中では、この距離の退却ストーリーに、数日が費やされており、記録でも「今川義元討死」の報を聞いてから、岡崎城に引き上げるまでに、4日かかっているようである。
あの有名な「捨て城なら拾っておこう」のセリフは聞けなかったが、そりゃそうだろう。
今回の元康君は徹底的に、神の君などではなく、人の上に立つ器なんてかけらもない、情け無い弱虫なのだ。
そんな「余裕たっぷり」な発言は似合わない。
そして今回の肝は、やっぱりこの人、東京03の角田晃広さん。
こういう日和見のコウモリ役をやらせたら、ハマりすぎるほどハマる。
どう頑張っても出世しない人感が溢れていて、さすがである。
そういう印象を世間に与えながら、それを逆手に大河俳優にまで登り詰めたのだ。
角田さん、すごい!
どんな方向にせよ、極めるって大事だなぁと思わせてくれる、小物界のヒーローである。
実際には、大高城から岡崎までの間に、勝った織田方による落武者狩りはあったようだが、松平昌久による騙し討ちの史実は、調べた限り見つけられなかった。
敢えて、印象的なフィクションを挟み込んだということは、角田さん演じる松平昌久が、今後のストーリーに絡んでくる場面がまだ見られるということだろう。
楽しみだ。
それと、初回で元康君が氏真君を倒した時に使った体術が、実は信長仕込みであったことが分かったのも面白かった。
信長様は、元康君にとって、思い出すだけで震え上がる恐怖の大王でありながらも、実は戦乱の世を生きるベースを作ってくれた人だった、ということだ。
きっと、元康くんがどこかでそれに気づいて、信長様に帰順する時が来るのだろう。
最終回までずっと、弱虫で情け無い家康公でいた方が面白いとは思うけれど、そうはいかないのだろうな。
**連続投稿349日目**