終わってしまったマガジン「かつめ」を振り返った個人的な感想
バトンズの一期生有志で書いていた、エッセイマガジン「かく、つなぐ、めぐる。」(通称「かつめ」)が10月いっぱいで終わってしまった。
今日は、その内容についての振り返りではなく、マガジンを始めてからの自分の変化を書いてみようと思う。
ひとつめ。
スタート時、私は大変よこしまな考えを持っており「バトンズ」と「古賀さん」の名前で、自分の文章が多くの人に読んでもらえるのではないか、これを足掛かりに仕事につながるのではないか、なんてことを夢想していた。
今思うと本当に甘すぎる。
これだけ、世の中にテキストコンテンツがあふれているのに、そんな「虎の威を借る狐」のような考えで、書いたものを読んでもらおうだなんて、とんでもなくチャラい発想だった。
1回目は「へえ、どんなもんかな?」と読んでもらえたとしても、2回目、3回目は初回の好印象がなければ、わざわざ個人をフォローしてまで読んだりしない。
つまり、3打数3安打の実力が無ければ、最後まで読まれることは無いのである。
実際、自分のことを振り返っても、「面白い記事」と「その記事を書いた人」がイコールでつながることは、かなり珍しい。
面白い記事と、ライターさんのお名前が「あ、あの人か!」とつながるのは、よほどその人の書くものが、立て続けに自分の心にヒットした場合だけだろう。
「バトンズの看板」を借りて何とかしようというのは間違いであり、継続して面白いお仕事をいただくには、読まれるに足る文章を書ける自分になることが、最短の道なのだ。
3か月やってみて1番よかったのは、そこが本当に腑に落ちたことだと思う。
地道にコツコツ、という基本を頑張るしかない。
宝くじは当たらないし、キツネはキツネなのだ。
ふたつめ。
私はこういう、お題のある文章がかなり好きだ、ということが分かった。
今回のマガジンには『①1500~2000文字以内 ②最初と最後の段落に指定の単語を入れる』という、2つの縛りがあった。
同期のみんなは、そこに苦戦していたようだ。
それはそうだろう。
最後の月なんて「宇宙人」と「憂鬱」が指定ワードだ。
自分の過去からそれらしい題材を引っ張ってきても、エッセイ全体のストーリーが破綻しないように気を遣わなければならないし、何より、無理に単語を当てはめても面白く見せられるかは別問題だ。
けれど、私は、何もないところから、好きに書いていいよ、と言われるより、縛りがある方が書きやすかったし、書いていて楽しかった。
単語がトリガーになって、場面が思い浮かぶ経験もした。
今後、余裕があれば、フォローしてくださっている方から「指定ワードを2ついただいて、書く」ということもやってみたいと思う。
みっつめ。
いっしょに書いていた人たちの「成り立ち」を味わえた。
同期のみんなは、毎日noteを書いている人が多い。
そこで書かれることは、だいたい日々の生活で感じたこと、つまり、現在にフォーカスしていることが大半だ。
けれど、今回のマガジンでは、ほとんどの人が過去に題材を求めていた。
おかげで、私は、彼ら彼女らが、どうやって今の彼ら彼女らになったのかを、ちらちらとのぞき見しているような楽しみがあった。
過去にこんな経験があって、今のこの人たちがいるのだなと知ることは、いとおしさを積み重ねることでもあった。
バトンズの学校での最終講義以来、会えていない人ばかりだけれど、なんだか身近に感じた3ヶ月だった。
以上の3点から、今回のマガジンはトライして本当によかったと思っている。
いつか何かまた企画が立ち上がったら、ぜひ参加してみたい。
**連続投稿275日目**