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手芸用品として「さをり織りの布」を販売します@コースタ814

久しぶりに肩こりと闘いながら、地味な作業に没頭していました。

そうなんです。しばらく前からネットショップを立ち上げようとあれこれいしていたのは、このためだったのです。

ついに完成、さをり織りショップ「コースタ814」です。

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この一風変わった名前は、不思議なメモから頂きました。
私が販売しているのは、敦賀の北の方に住んでいるSさんという女性が織っているさをり布です。Sさんは出来上がった布をキッチンペーパーやメモ帳で丁寧に梱包すると「コースタ」という文字と、あとは二桁以下の数字を三つくらい組み合わせて表書きしているのです。

実物はこんな感じ。これが60個くらい届いたのですが、一つとして同じ数字はなかったので、何か意味があると思ったのですが。

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「なんの暗号ですか?」
Sさんが生まれてから45年間、毎日一緒にいるお母さまに訊いてみましたが
「多分、数字には意味とかないんちゃうかなあ」
とのことでした。
「コースタ」というのは、もちろん「コースター」のことで、Sさんはご自身が織っているものを、すべて「コースター」という名前のものだと認識されているようです。

「じゃあ、この数字は、そのコースターにつけた値札のつもりなんでしょうか?」
「そしたら、こんなちっさい布が10万円超えてるてことやないの。うちはすっごいお金持ちやねえ」
お母さまはニコニコ笑っていらっしゃいます。

Sさんは知的障害を併発した18トリソミー。
成人してから作業所で機織りを覚え、そのうちそれを家でもやりたがったので機織り機を購入したら、それがSさんの唯一の趣味になりました。

Sさんは家にいる間、日がな一日機織りをしています。
終わりがよくわからないので、やりだすと明け方までぶっ通しで作業しているそうです。

「疲れないんですかねえ?」
「疲れるほど脳を使ってないんやと思うよ」
「こんな難しそうなことしているのに?」
「もう体が覚えてるんとちゃうかな。自転車に乗るのと同じよ」

飽きずに何十年も同じ作業を続けられるってすごい才能だと思いますが、Sさんにとっては、さをり織りって何なんだろう?
趣味? 仕事? 暇つぶし? 惰性? 同一性保持のために、やりたくなくてもやってしまうのかしら?
本当のことはわかりません。Sさんに聞いても答えてくれないので。

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お母さまは、20歳まで生きられないと言われたSさんが無事に「おばちゃん」になれたことが嬉しいから、それ以上のことは望まないとおっしゃいます。

「ちょっと困るのはSちゃんが毎日布を織りよるから、家が布だらけになることやねえ。でも、たくさんたまった布は、もらってくれる人にさしあげたらいいし、さをりの糸は高いけど、Sちゃんは年金があるから、そんなには困ってないのよ」

私は考え込んでしまいました。
こんなにきれいな布を織れたら仕事にできるのに。でも、Sさんは布は生み出せてもネットショップは作れない。

じゃあ、私が買い取って、糸代とSさんの工賃とBASEの手間賃と消費税分くらいで販売して、売れたら工賃を還元できるような仕組みを作ったらいいんじゃない?

そこで立ち上げたのが、この「コースタ814」です。

商売なんてやったことがない私ですが、何となくわかるのは、欲しい人に届けば物は売れるということ。

さをり織り作家さんというのは、世の中にたくさんいらっしゃってそういう方が作る作品は高額で販売されているのだと思います。でも、私が目指すのはそこではありません。
私はSさんを作家にしたいわけではない。作品の完成度を求められたら困ることも出てくると思うし。無理もさせられないし。これまで通り、好きな時に好きなように織った布を、欲しい人に売れるようにしたいのです。

じゃあ、そんな作品を欲しがる人ってどこにいるんだろう?と考えた時に浮かんだのが、ハンドメイド作家さんと呼ばれる人たちのことでした。かわいいものを生み出すあの方々は、さをり織りに興味を持ってくれないかな?自分の作品にさをり織りを使ってみたいと思わないかな?

仮に、使いたいと思ったとして。

さをりの機械はそこそこ高い。糸も高価です。それに機械は大きいので置き場所にも困るでしょう。さをり作家になりたいわけじゃなければ、わざわざ布から織りたいとは思わないはずです。さをり作家さんが作った高価な服飾品をわざわざ買ってほどいて使うって言うのも絶対しないと思うし、だとしたら手ごろなお値段で買えるさをり布を試しに買ってみたい人はいるはずだ。

そこで、ターゲットは「モノ作りが好きな人」と「ハンドメイド作家さん」に決めました。

さてでは、どこに行けば、ハンドメイド作家さんに会えるのでしょう?Sさんと私のためにも、何とか布を売っていきたいものだと思っています。


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はんだあゆみ
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