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大学入学③ 学生相談室その2 相談室での出会い

学生相談室の扉を開いてから、私はその後の人生で、今に至るまでおそらく良い意味でも悪い意味でも大きな影響を受けることになる、カウンセリング、カウンセラー、心理学というものにで会う。

それまでの私は上記のカウンセリング、カウンセラー、心理学というものに対して、知識として言葉や存在は知っていたものの、興味もなく縁はなかった。

ただ単純に現状になんだか違和感を感じる、このまま漠然とどこかのサークルに所属したりして学生生活をそのまま送るよりは、留学でもしたほうがいいのかもしれない?と悩み始めたまたま目にした学生相談室の扉を叩いただけだった。

しかし、それはいろんな意味でその後の自分の学生生活や、その後の人生に影響を及ぼすとは、その時は知る由もなかった。

相談室に入ると、中年より少し若いくらい(その時はずいぶんと歳上に見えたが、もしかして30代前半くらいの割と若年のカウンセラーだったのかもしれない)の歳のころあいの男性が話を聞いてくれた。

そこで私は感じていること、思っていることを口にした。

今考えると、これは当時の、その時の自分のそれまでの人生経験ではなかった、

誰かに、思っていること、感じていることを、気兼ねしたり気を使うことなく本音で話す…

ということをした、幼児期を除けば初めての経験だったかもしれない。

それまでは、友人にも、親にも、本当のこと、本音、思っていることや感じていることを率直に話したり、ましてや悩み事なんて口にしたことはなかった。

そして、相談室にいた相談員はカウンセラーという職業であり、カウンセリング(正確には来談者中心療法という技法に準じたカウンセリングで、相談者が自由に語ることを中心に進めていく)という手法を使い相談に乗る相談員であり、その職業やカウンセリングの背景には、心理学という人間の心を扱う学問に根差した土台がある場での、それに基づくやり取りがなされる場であった。

この出会いは、自分の人生、大学生活にとって、大きな影響を与えた、出会いだった。

いわば、はじめて人に心を開いた、胸の内を晒したと言える経験だったように思う。

そして、この相談員、カウンセリングとの出会い、は、先にも書いた通り、今考えるといい面と悪い面、また、この出会いとこの場でのやり取りやこのカウンセラーとの間で起こったことは、その後の人生に後を引いていくことになること、またそこまでら自分に大きな影響を与え続けることになるとは、その時は思いもよらなかった。

もし、自分がはじめて心を開いて話をしたり、悩みを打ち明けて、それを聞いてくれた、否定せず聞いてくれた、自分を受け入れてくれたのが、カウンセラーではなくて、

例えば、

両親、であったり、

友人、であったり、

恋人や異性であったり、

学校の先生、であったり、

したら、自分の人生は、違った道を辿っていたのかもしれない。

今になるとそんなことをふと思う。そんなふうに感じられる。

学生相談室その3につづく

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