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にんじん収穫祭 〜 世界一美味しいオレゴンの青空レストラン 6

グラスルーツガーデンの冬の恒例は人参収穫祭。「キャロット・プル Carrot Pull」と呼ばれている大イベントで、霜が降りる12月上旬、人参を収穫するために大勢の人がガーデンに集まってくる。

人参柄エプロン姿のメリーがイベントを盛り上げる。「Pull 抜いて!」という彼女の掛け声を皮切りに皆んな人参を次々と抜いていく。収穫された人参たちはバスタブで洗われ、泥まみれだった人参が水中で鮮やかなオレンジ色に輝く。水はとても冷たいが、子どもたちは楽しそうに人参を洗う。

ただ抜くだけでおわらないのがオレゴン流、ユニークな形の人参をコンテストにエントリーするのだ。審査は厳粛に行われる。審査委員長のメリーと審査会メンバーがエントリーされた人参たちをじっくり観察して上位5位まで表彰する。どれもスーパーの野菜売り場では決して出合うことのできない個性あふれる人参たちだ。娘のミンモがエントリーした人参は3位に入賞した。賞品は人参柄のキッチンクロスと人参型チョコレート、ユーモアのあるアイテムにミンモはご満悦だった。ミンモは、この日の収穫に向けて、人参の苗を植えて育てる過程にも関わったので喜びも人一倍だ。

人参柄エプロン姿の審査委員長
バスタブの水はとても冷たい

アメリカも日本同様で、いびつな形の人参はなかなか売れない。コンテストでは、売れなくても、唯一無二の個性を持った人参たちがスポットライトをあびる機会でもある。エントリーした子どもたちにとっては、規格外の野菜の面白さや美しさを見つける感性を育む良い経験になるだろう。

個性溢れる人参たち

ランチはもちろん人参づくし。キャロットスープ、人参サラダ、人参ピラフ、デザートにはキャロットケーキ、どれも美味しくて色が綺麗なので誰もが人参料理のファンになる。下の写真にあるようなスティック状に切った人参に、濃厚なフムスのディップを添えた一品は、シンプルながらも栄養たっぷりのヘルシースナックだ。アメリカの人参は生で食べるとセロリのような風味が強いと思うが、なぜか生のスティックキャロットは子どもたちのランチバッグに入る人気アイテムだった。

ランチは人参づくし
Hummus Dip フムスディップ

人参はなんといっても色がいい。元気が出る。冬の畑がパッと明るくなる。ワクワクするようなアイデア満載の人参祭り、五感で人参を満喫できる素晴らしいイベントだ。思い出は今もオレンジ色に輝いている

人参収穫祭のルール

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