週末、間借り本屋「KAZENONE BOOK」を始めます
突然ですが、2ヶ月間の期間限定で、本屋をすることになりました。
名前は「KAZENONE BOOK(カゼノネブック)」。
WEBショップをオープンしました。(2024.8追記)
https://kazenonebook.base.shop/
どんな本を取り扱っているか気になる方はぜひ覗いてみてください。
オープンの時期は3月中旬ころ3月23日(土)に決まりました(3月14日追記)!新刊・古本を取り扱う予定です。場所は東京の荒川区西尾久。自宅から徒歩15分ほどの距離にある、知人が器屋をしているスペースを間借りしての運営となります。
普段はWEBライターの仕事をしていますが、心のどこかではいつも「いつか本屋をやりたい、本に携わる仕事がしたい」と思ってきた私。
でもその答えがリアルな本屋を運営することなのか、本をつくる仕事なのか……。明確にビジョンが見えていませんでした。だから同じような悩みを持つ人が集まる講座を受けてみたり、地元のイベントで小さく本屋を出店してみたりと、細々と活動を続けて早数年。
今回運命的なきっかけがあったものですから「こんなチャンスは二度とないかもしれない!」と、勇気を出して始めることにしました。
なぜ本屋をやりたいのか、どんなお店にしたいのか。そんな自分が目指すべき「一番星」を忘れないように、ここに記しておきたいと思います。
「何かやってみない?」のお誘い
まず今回、わざわざ固定の場所を借りて本屋を運営するに至ったのは、場所を貸してくださる器屋のオーナーから、声をかけてもらったことがきっかけでした。
オーナーとは器屋がオープンしたときに、取材をさせていただいてからのご縁。ちょうど10歳上の、憧れのお姉さん的存在です。
最近はオーナーが幅広く活動されていることもあり、なかなかお店を開けることができていなかったのですが、店の隣の店舗の方と協力し、週に何度かお店を開けることを決めたそう。
せっかくだったら面白いことをしたいと、本屋をやりたいと言いつつ一歩を踏み出せずにいた私に声をかけてくださったのです。
こんなチャンス、もう二度とないかもしれない。
二つ返事で「やってみたい」とこぼしたのが、2023年の年末でした。
暮らしに足りないと思うものは、自分たちの手でつくりたい
本屋をやってみたいと思う目的はいろいろあります。
まず一つ目は「自分たちが欲しいと思う店・ものは、自分たちの手でつくる暮らしがしたい」と、夫と常々話していたから。
今住んでいる場所は、夫の地元周辺。夫が地元で商売をしていることもあり、この街から離れて、より自分たちの暮らしに合った街へ住み替える選択肢は、私たち家族にとって現実的ではありません。
この街が大好きで、ほとんど違和感なく暮らしてはいるものの「もっとこんなお店があったらいいのにな」「もっとこんなイベントがあったら面白そうなのに」と思う気持ちは、正直ゼロではありません。
だからと言って、文句や憧ればかりを口にだしているだけでは、なんだか違う。
夫はタバタバーという立ち飲み屋を運営し、近所の方々の憩いの店をつくっています。私にもなにかできないか……。ずっと悶々としていました。
そんな私でも、唯一ずっと好きだと言えることは、「本屋」「本」でした。
本はいつでも、疑問や悩み、迷い、不安な気持ちに応えてくれます。元気がないときほど、本屋へ行ってタイトルを眺めながらいろんなヒントをもらうのが好きです。反対に心が元気な時は、本屋へ行っても何にも面白くないから不思議。
そんな本好きの私が、自分が「こんな本屋があったらうれしい!」と、心から思える、そんな本屋をこの街につくろう。みんながフラッと立ち寄れる、散歩の目的地になるような本屋をつくろう。そんなコンセプトが見えてきました。
また、いつか自分で実店舗を持つ日がくるかもしれないことを見据え、どんな本屋だったら、この街の人たちに喜んでもらえるような場所・空間になるのか。
そんな「本屋の在り方」を実験する場にさせてもらおう、と決めたのです。
この街を知ってもらうきっかけづくりがしたい
私が住んでいる荒川区尾久エリアは、都心へ出やすく利便性が高いながら、大きな公園が多く、商店街が元気で活気があるなど、とても暮らしやすい場所です。
ですが他所の人に「尾久に住んでいる」といっても、たいていの人は「そこ、どこ?」と聞き返します。実は東京に出てきて10年以上経っていた私も、住むまでほとんど知らないエリアでした(笑)。
本屋だったら、わざわざ他所から足を運ぶきっかけになるかもしれない。だって私もこれまで新しい本屋ができたら、東京中を駆け巡ってきたから。
目立った観光地にしたいわけではない。ただこの街の魅力が、この街の雰囲気に合う人に届いたらいいなあ。そして住み替えの際の、候補街になったら、とてもうれしいなあと思っています。
自分と興味関心の近い方と出会いたい
三つ目は個人的に、友達をつくりたい、という淡い願いです。
今でも街で挨拶する人が増える度に、なんと豊かな暮らしが送れているのだろうと、幸せな気持ちになります。そんな人が一人でも増えたら、お互いにハッピーだし、きっと心強いはず。
本というのは、人の好みや興味関心が露骨に出るアイテムです。であれば私の本屋を好きだと言ってくださる方と出会えたら、もうほとんど友達になったようなものと言っても過言ではないのでは……?(笑)
それは冗談ですが、来店してくださった方と世間話をするなかで、今後子育てをサポートし合えるような関係性の方だったり、道ですれ違ったら挨拶ができるような関係性の方だったり。そんな出会いがあったら、ますますこの街での暮らしが楽しくなりそうです。
さらに今後自分の活動を広げていくときに、仲間となるような人が周りに増えたらうれしいなあと願っています。
自分の夢を、小さく叶えたい
最後はもっと個人的なこと。ただシンプルに、「本屋をやらずに死んだら、後悔する」と思ったのです。
ずっと「本屋をやりたい」といいつつ、理由をつけてくすぶっていた自分から、一歩抜け出したかった。ただそれだけです。
小規模で、かつ期間限定。本屋での仕事の経験値ゼロ。こんな私が「本屋」と名乗ったら、だれかにぶっ倒されそうだけどごめんなさい、でもどうしても本屋がやってみたかった。
踏み出す怖さ、はじめる怖さは日に日に強くなっていくけれど、それでもまずは何事も、はじめなければ分からない。やって分かることもある。だったらやろう。わがままかもしれないけれど、そんな気持ちで今準備を進めています。
夫が言ってくれた「はじめられる人は、強い」
営業日は今のところ、木曜~日曜の週4日間の、12時~17時を想定しています。
1歳半の小さな娘を抱えながら、週末の大半を自分の夢を叶えるために使うのは、初めはずいぶん悩みました。週末出るのは月に2回ほどで十分かな、と。
けれど夫が言ってくれました。「大半の人が週末に来てくださるだろうから、そんなんじゃ本気だと思われないよ。やるなら全部の週末出るくらいじゃないと。その間子どもを見るのは、俺がやるから」と。
この街で長年商売をやってきた夫からの意見は、私の胸をグサリと刺しました。期間限定だけど、本気でやりたい気持ちを見せたいと、気づかせてもらいました。
と同時に、こんなことも話してくれました。
「みんなやりたいことがあっても、いろんな事情があってできなかったり、いろんな理由をつけてやらなかったり。そんな人が多いなかで、はじめる決断ができたのは、えらい。今の時代、『はじめられる人』は、強いよ」と。
この言葉は、今も不安で苦しくなった時の、お守りになっています。
最初の特集は「はじまり」
そんなこんなで始まった、私の新たな大冒険。
本のジャンルは主に、暮らし、働きかた、生きかた、子育てにまつわるエッセイ、絵本などを多くそろえています。
仕事や育児で疲れた合間にサラッと読める本がいいなあと思い、あまり小難しい本は置いていません。この街で忙しく暮らす人たちが、お店に来たことでひと時癒しの時間となったり、前向きになったり、発見や気づきがあったり。そんな本との出会いがあればうれしいです。
最初はテーマを設けて本を見せるコーナーを作ろうと思います。テーマは「はじまり」としました。
春が近づき、はじまり、はじめる人が多いこの季節。そして私自身も、大きな決断をし、はじめようと動いています。
誰しもがもつ「はじまり」の気持ちを、そっと支えたり、包み込んだりするような本を選書しました。ぜひ散歩がてら覗きに来てください。
最後になりますが、応援がてらぜひInstagramのフォローをお願いいたします!新しく仕入れた本の情報なども、随時更新予定です。この屋号に決めた理由、終わった後には売上などの裏側のことなんかもnoteで発信していきたいな。
それでは街の皆さま。ふつつかものですが、温かく見守ってくださればうれしいです。よろしくおねがいします!
KAZENONE BOOK
住所:東京都荒川区西尾久4丁目12-34 コーポ庄子101(ヘゼリヒ内)
※旧小台通り沿い、「梅の湯」の隣です。
オープン日:2024年3月中旬予定
営業日:木・金・土・日(12時~17時)
SNS:https://www.instagram.com/kazenone.book/
この記事が参加している募集
ホステルやゲストハウスなどの「地域コミュニティ」を創っている方々に会いに行って、勉強させてもらい、タバタバーに持ち帰ります!