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【即興詩】2022/10/24「寒さがもたらしたものは」

太陽が元気をなくしたせいか
少しずつ固まってきた手の指をほぐしながら
これからのことについて 考えた

今までだって
何か希望を
何か期待を
明日に抱きながら
大して叶いもせず
かと言って不幸せな感じでもなく
この歳まで 生きてきた

これからもずっとそうかと思うと
悲しいような
当然のような
しかし 少しずつ
喜びが小さくなっていくような気がして

そうしたら私は
背中が曲がって
目がよく見えなくなって
いろんなものがわからなくなりながら
土に還るだけの
物体だな、なんて

先のことなんかわからないのに
いったい全体
寒さってやつは 人の思考を
ここまで冷えさせるのかと思うと
憎たらしく 思ってしまった

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