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一日中、本を読んだらどうなったか。|日記

街へ出た。近所ばかりをうろうろしていたので、良い気分転換になった。

新幹線で名古屋へ。
新幹線にのると、良い時間を過ごしてやろう、そのために俺は金を払っているんだ!という気分になって読書が捗るのが良い。要するに気の持ちようである。

オースター『ガラスの街』を読み終えた。
『ムーン・パレス』、『4321』と読んできて、今作が3度目のオースターである。

実質的なデビュー作である本作は、なんとも不思議な読後感である。瑞々しさと巧みな文章に振り回される。そしてやりきれない気持ちになる。

そして、他の作品を上手く引用し、物語を重層的に組み立てていくオースターの凄さというのはすでに健在である。

今年はオースターの年になるかもしれないな。
以前からオースターは好きなんだけど、好きって言えるだけの作品を読んできていないので、なんとなく言えないでいる。

今年はたくさん読んで、オースター好きだと堂々と言おうと思う。


昼ごはんを食べていると、隣に座っていた二人組が話をしているのが聞こえてきた。

一人が、そういえば、三菱UFJ銀行ってもともと何が合併したんだっけ?
と話していて、たしかに、もうすっかり馴染んでいるけど、当時結構ニュースになったよなあ、と思ったが、当然思い出せなかった。

調べてみると話題になったのは2006年の頃だ。あれからもう19年。

そして、2018年に三菱東京UFJ銀行から三菱UFJ銀行へマイナーチェンジしている。これは知らなかった。確かに、MUFGの略称なら東京は要らない。

だが、この変遷図をみると、三和銀行と東海銀行が合併してUFJとなってその名前がまだ残っているのに対して、東京銀行は三菱銀行と合併したように見せかけて吸収されているようにも見える。

東京銀行だけ消えた感じになっているのは気のせいか。

まあ、いろいろあるのだろう。特に知りたいわけではないけれど、たまたま聞こえてきた会話から思わぬ思考へと結びついたのは、やはり街へ出たからだろう。

断言する。地元の飲食店で、こんな話題を聞いたことがない!

だいたいは、いない人の悪口か、家を建てる話だ。これが、地方と都市部の格差なのだろうか、とほほ。

お腹を満たしたら、あとはひたすら喫茶店をまわって本を読んだ。

阿部幸大『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』を読み始めた。

しばらく積んでいたんだけど、読み始めてびっくりした。なんだこれ、面白すぎるぞ!

小説と並行しながらこちらも読み進めていこうと思う。

最近書けないなあ、と思ってもやもやしていたんだけど、それは、インプットが足りていないのかもしれないと、今日一日、本を読んでいて感じた。

アウトプット偏重なこのご時世。

もちろんアウトプットも大切なのだけれど、
翻って、ゆっくり腰を据えてどんとインプットする時間を意識することが必要なのではと強く思った。

これは僕の場合なんだけど、
焦れば焦るほど、アウトプットを意識してしまう。

だけど、アウトプットというのは、本来、自然な発露であるべきではないだろうか。

人は語りたいから語るのである。

語らねばと、搾り出すものではないのかもしれない。乳牛ではないのだ。

久しぶりにスナック菓子が食べたくなったので帰りにピザポテトを買って帰った。

このコピー、スナック菓子にしてはいささか強気すぎないか、と思ったが、その心意気に惹かれたよ。

今日の満足、明日は無敵。

スナック菓子にしては、いささか強気すぎるなと思ったが、それがかえって気に入って、まんまと買ってしまったのである。


今日はまだまだ読めそうだ。
海猫沢めろん『随筆傑作選 生活』を読んだ。
激おもろエッセーでした。

あとは、眠くなるまで向坂くじらの詩集『とても小さな理解のための』を読む。


一日中本を読んでどうなったか

達成感と充足感で満たされた。これは良い兆候である。

アウトプットをするためにはインプットが必要だ。

アウトプットが支持されがちだが、それは前提となるものがあってこそ。

いつもと違う場所での読書は、身体に良い。
これが結構肝要!

そして、結局のところ「自分で見たもの」しか書けないのである。

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守田樹|凡庸な日常
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