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『謹訳源氏物語』読了
何年も前から源氏物語を読みたいと思っていました。
原文は私の古文読解力では読みこなせないので、
過去、いくつかの現代語訳を手に取ってみたのですが、
話自体は面白く感じるものの、
なかなか読み進めることができず、
いずれも序盤で挫折・放置を繰り返していたのです。
どの現代語訳なら読めるだろうと調べるうち、
林望先生、通称リンボウ先生の『謹訳源氏物語』がよさそうだと思い、
第1巻を購入したところ、
過去に経験がないほどスラスラと読めて、
理解しやすいことがわかりました。
「これなら読める!」と確信。
途中、中断していた時期も何度かありましたが、
文庫本で全10巻、計4000ページ以上という大作を、
数か月かけて読み終えることができました。
『謹訳源氏物語』の特長は、
原文では省略されていた主語が補われ、煩雑な敬語が省かれ、
原文で(当時の人は誰でもわかるために)省かれていた内容が加筆され、
さらに通常「後注」「脚注」などで記されるような説明を、
本文中にうまく溶け込ませることで、
「注」が一切つけられていないことだといえます。
原文で「一部を切り取って引用されている古い和歌」については、
全文が現代語訳とともに書かれており、
「この引用は何だろう?」と思って引っ掛かることもありません。
これにより、まるで現代の小説を読んでいるように、
ストレスなく源氏物語を読み進められるのです。
読みやすい分、話の面白さに没入できたため、
非常に楽しく、ワクワクしながら源氏物語の世界を味わえました。
過去「源氏物語は読みにくい」と感じて中断していた方がおられたら、
この『謹訳源氏物語』を読んでみてはいかがでしょうか。
おそらく「読みやすい」と感じられるのではないかと思います。
ぜひお試しください。
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