
その104〜大量採用による人海戦術ではなく、個の強みを発揮する少数精鋭部隊を支えるシステムを作ろう〜
「人がいない!!猫の手も借りたい!」
年末の忙しい時期はもう終わって、お休みに入っている人も多いかもしれませんが、
少し前までこんなことを思っていた人もいるのではないでしょうか?
とりあえず短時間で仕事を終わらせられれば誰でもいいから雇って欲しい!
そんな風に思うこともありますが、
実際のところは、新しい人が来たら来たで、
「思ったよりも効率よく仕事が回らない〜」
なんて経験ある人もいるかもしれませんね。
実は、単に人がいるだけでは生産性が高くならない、組織が成長していかないようなんです。
そんなことを説明してくれている論文を本日はご紹介します!
タイトルは、
「能力の高い人材が集まる組織をつくる3つの戦略
人員拡大だけで組織は成長できない」
です!
それでは早速見てみましょう!
論文の要約
この記事では、ビル・ゲイツがスティーブ・バルマーを採用したことで、マイクロソフトの成長が加速した背景を「タレントデンシティ(能力密度)」の視点から説明しています。
以下、主なポイントを詳しくまとめます:
タレントデンシティの定義:
能力の高い人材がチームのパフォーマンスを相乗効果で高める。
従来の「ベルカーブ(正規分布)評価」とは異なり、全員の能力を底上げする考え方を重視します。
過剰雇用の問題:
「雇用による成長」という従来のアプローチは、採用基準の低下やチーム全体の生産性減少を招くリスクがあります。
成功企業の戦略:
ネットフリックスは、少人数でも高い成果を上げるチームを維持し続けています。
同社の従業員1人当たりの売上は業界平均を大きく上回り、能力密度の高い組織の代表例です。
AI時代への適応:
AI時代においては、柔軟性や迅速な学習が求められるため、タレントデンシティが競争優位の要となります。
推奨アプローチ:
採用の目的再考: 社内候補や文化への適合性を重視。
強みを活かす配置: 従業員の長期的成長をサポート。
高報酬の検討: スーパースター人材には市場平均を超える報酬を提供。
これらの取り組みにより、企業は優れたチームを形成し、持続可能な成長を実現します。
人材マネジメント(Human Resource Management:HRM)のシステムとして、以下のような図で示されるものがあります。

大量に採用して、規模の力で事業を進めていく
そんな採用・育成戦略の組織もあるのではないかと思いますが、
このHRシステムの「起点」は採用なので、もちろん大事です。
しかし、一人一人の従業員に合わせてこのサイクルを回せるようにしないといけないんです。
やらなければならないことは、
「それぞれの項目に整合性のあるHRシステムのサイクルを作ること」
「現場の管理者、従業員がHRシステムを理解した上で運用すること」
これが、実践できて、HRシステムのサイクルがうまく回りだすと、良いチーム、強いチームを作ることができるはずです。
「より多くの人を雇用する」ことのデメリットは、
「すべての人をこのサイクルに乗せるためのマネジャーの負担が大きいこと」
ではないかと思います。
規模の大きな組織というのは、こういった点で強いチームを作るのに、
そもそも優秀なマネジャーを多くそろえなければならないため、
業務の効率性が上がりにくいのかもしれませんね。
家庭に置き換えて考えると…
当たり前と言えば当たり前ですが、
家庭は大きな組織にはならないですよね。
また、こういったHRシステムのサイクルは適応しません。
しかし、部分部分で見ると家庭生活を送るうえで、
抑えておくべき重要な点もあるんです。

先ほど出したこの図で言えば、
採用は、結婚
配置は、働き方(家庭における役割分担)
育成は、働き方につながる自己研鑽
のように言い換えることもできるかもしれませんね。
評価と報酬はそのままの意味になるかと思います。(報酬は金銭的な報酬ではなく、家庭内の立場とか尊敬や感謝なんかも含まれるかもしれませんね)
ちなみに退職は…まぁいいでしょう。そうならないことを祈ります。
家庭内でもこのサイクルがうまく回ってくると、やりがいをもって働き、家庭内での役割を果たせるかもしれません。
また、先ほどは書いていませんでしたが、このHRシステムは、企業(家庭)の経営戦略と整合していなければなりません。
ということは評価基準なんかも、家庭の戦略と合わせて定義されるべきです。

しっかりとシステムを作ることができると、うまく回るのですが、家庭でそこまでやるのか…?
という問題もあります。
ガチガチにシステム化しなくても、
評価の基準としてある程度言語化しておくことで、家庭内でのすれ違いなどはなくせるようになるかもしれませんね。
まとめ
本日は「より強いチームを作るためのシステム作り」をテーマにした論文をご紹介しました。
ただ人を雇って、業務に適応させるのではなく、
それを支えるシステムの重要性を感じていただければと思います。
また、家庭内においても、役に立てるものだと思いますので、
どんなことを家庭では評価するのか?
みたいなことは考えてみてもいいかもしれないですね。
それではまた次回。